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学術界のタブーが明らかに!その裏側にある驚愕の事実とは(1)

『タブー』はポリネシア語の『tabu』から派生した語で、もともとは『禁止された』や『聖なる』という意味を持っています。社会的な規範や制約を超える行為、または特定の状況下で不適切と考えられる行為を指すようになりました。タブーは、個々の社会や文化に固有のものであり、それぞれの信念体系や価値観に根ざしています。
 
 学術界においても、その歴史や文化、倫理規範に基づく一連のタブーが存在します。これらは研究の信頼性と完全性、学者のプロフェッショナルな行動、そして学問全体の社会的な役割と信頼性を保護するための重要な要素となっています。
 
全ての学術研究分野におけるタブー行為
 
データの改竄と捏造
 これは学術的な研究における最も深刻なタブーの一つで、結果を操作したり、存在しないデータを作成したりする行為です。これは学術的な厳密さと誠実さを破壊します。(これは学術分野だけでなく、金融・証券、自動車の性能、鉄鋼の品質、裁判の証拠などあらゆる分野でやってはいけないことです。しかし、実際にはあらゆる分野で行われており、毎日のように新聞で問題が指摘されています)
 
プラギアリズム
 他人の作品や考えを自分のものとして提示する行為は、学術界における深刻な違反です。学術的な業績は個々の研究者のオリジナリティと努力に基づいて評価されます。(簡単に説明すると模倣やパクリのことですが、生成AIの普及に伴い今後この問題がさらに深刻化することが問題視されているテーマです)
 
著者への不適切なクレジット
 学術的な業績は共同研究の成果であり、著者リストの順序は通常、それぞれの寄与の程度を反映しています。誰が研究にどの程度貢献したかを正確に反映しないと、それは不適切なクレジットとなり学術界ではタブーです。この問題もプラギアリズム同様、生成AIの普及に伴い、既に社会化している問題です。
 
二重投稿と自己盗用
 同じ研究を複数の出版物に投稿したり、自分自身の公表済みの過去の成果や、作品を新たなものとして再投稿する行為は、学術界で広くタブー視されています。この問題は意外と知らない方が、多いですが同じ小説などを、NOTEで実施されている複数の新人賞や創作大賞に投稿するのもやってはいけないことです。
 
論文の自己引用
 自身の以前の研究を適切に引用することは大切ですが、自己引用を過度に行い、引用数を増やすために行う行為はタブーとされています。『過度』に行うことが問題なので、筆者は適切な範囲で論文の自己引用はやることがあります。
 
人道に対する無視
 特に生物学や医学、心理学などの分野では、ヒトや動物を対象とする研究は厳格な倫理的指針に従わなければなりません。イーロン・マスクの脳デバイス企業ニューラリンクが世界中から批判されているのもこの倫理的指針に反する研究開発を実施したためです。但し、ニューラリンク社の問題点は、これだけに留まらず、非常に多岐にわたりますので、この問題も別稿で詳しく説明します。

マスク氏医療機器会社、脳インプラントのヒト試験へFDA承認取得

ロイターは昨年12月、ニューラリンクが動物福祉法違反の疑いで連邦政府の調査を受けていると報じた。関係筋らによると、内部スタッフは動物実験が急がれ、動物に不必要な苦痛を与えたり無駄に死なせたりしていると訴えた。

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利益相反
 研究の結果が研究者自身や関連する第三者の金銭的利益に影響を与える可能性がある場合、その状況は『コンフリクト・オブ・インタレスト』として扱われます。これを適切に開示せず、または管理しないと、研究の客観性と公正性が損なわれる可能性があります。AI談合の達人であり、日本のAIの第一人者と呼ばれている松尾豊教授は、まずは、こういった基本から勉強する必要があると言えるでしょう。

無責任なピアレビュー
 ピアレビューは学術界での品質管理メカニズムであり、適切な評価が行われないと、信頼性の低い研究が公にされることにつながります。したがって、適切なピアレビューを拒否することは、学術界ではタブーと見なされます。松尾君は筆者が何を指摘しようとしているか胸に手を当てて考えて見なさい。

ピアレビューの乱用
 他の研究者の研究を不公平に評価する行為や、ピアレビューの過程で得た情報を不適切に使用する行為はタブーとされています。実際には様々な学術会議で、相撲の星の貸し借りのようなことは日常茶飯事で行われています。
 
未公開データの使用
 共同研究者から得たデータや、ピアレビューの過程で得たデータを、許可なく公開または使用することは不適切と見なされます。これも生成AIで既に顕在化している問題です。

人間を含む研究の倫理的懸念
 インフォームド・コンセント(十分な説明を受けた上での同意)の不足、プライバシーの侵害、過度なリスクへの露出など、人間を含む研究における倫理的懸念は、科学者の間で重大なタブーと見なされています。医療用AIや、生成AIでも既に顕在化している問題なので、本件については改めて、別稿で解説します。
 
一部の研究分野でのタブー
 優生学、人体実験、人間のクローニングなど、倫理的または社会的な理由から避けられる一部の研究分野があります。
 
タブーのテーマや視点
 特定の分野では、ある問題についての特定の視点やアプローチがタブーとされることもあります。これは、学問の伝統、社会的な価値観、または政治的な理由など、様々な要因によるものです。これも情報通信やAI分野では頻繁に起こる問題です。
 コンピュータが元々戦争目的で作られてきた歴史的な経緯が解ると、ほぼ全ての情報通信産業がデュアルユース(民間および軍事用途の双方に使用できる貨物、ソフトウェアおよび技術)で成り立っていることが分かるでしょう。

 これらは研究・開発のタブーの極一般的で基礎的な話しです。その他のタブー行為や、実例やその詳細については、別稿で詳しく論じる予定です。本稿で言及した研究・開発に関する各種のタブーは、学術研究が持つべき誠実さ、信頼性、透明性を保つために、避けなければならない最低限の行為や規範を表しています。
 
 研究者は、これらのタブーの本質を理解し、避けることで、研究の品質を高め、科学の進歩に寄与すると同時に、社会的な信頼と説明責任を維持することができます。

つづく…

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