近未来麻雀小説(19)新中華麻将テーマパーク VI
これまでのあらすじ
伝説の超十八羅漢ゴッドに変身することに失敗した十八羅漢ロボットは、六体ずつの羅漢ロボが合体してしまい、三体の超十八羅漢デビルが誕生してしまった。ところが、超十八羅漢デビル一号のボディからあふれ出る麻闘気が、牌山を全て薙ぎ倒してしまい、親のチョンボで、12,000点のペナルティの4,000通しで、羅漢壱号軍団は最下位に転落してしまった。
東風戦・第一戦・東3局0本場
超十八羅漢デビル一号は、『いかん! 最下位に転落してしまっては、もはや、怒りを通り越して麻闘気を押さえることができぬ!』と頭を抱え込んだ。麻闘気を封じ込めることができず、次の場でも牌山を全て薙ぎ倒してチョンボしてしまうと、残り点は16,700-12,000で4,200点になってしまう。
デビル三号が『なぁ、俺たち三体で #ドラゴンボール みたいに #フュージョン すれば、良いんじゃないか? フュージョンしたら、トリプル役満くらい楽勝だから、ここで一気に勝負に出よう! 親のトリプル役満の144,000点なら、48,000通しで、マチルダは1,300残るが、桜乃金一とモリエホンが飛んで初戦突破は確定だ』と提案した。
ところが、デビル二号は『俺たちがフュージョンしていられるのは一場だけだ。フュージョンはバッテリーの消耗が大きいので、一場で上がれなかったら、バッテリー切れで負けてしまうぞ』と厳しい現実を告げた。
超十八羅漢デビル一号~三号は協議の上、フュージョンして超十八羅漢デビル・レッドに合体して一気に勝負に出ることにした。
超十八羅漢デビル・レッドの積み込み能力は、凄まじく、あっという間に、大四喜・字一色・四暗刻・天和の四倍役満を【白】の裸単騎で積み込んだ。
【白】を裸単騎で積み込んだのは、言うまでもなく #アカギ の『 #来たぜぬるりと 』を言ってみたかったからだ。
ところが、マチルダは、大三元・四暗刻・地和の三倍役満を【九筒】待ちで積み込んでいたので、この時点で超十八羅漢デビル・レッドが勝てる見込みは、殆どなくなっていた。
【五萬】を自模ってしまった超十八羅漢デビル・レッドは、悔しそうに【五萬】を自摸切りするしかなかった。
その瞬間、『あっ、悪いね。ロン!』とモリエホン元伍長が、【五萬】で上がってしまった。モリエホンの手は、【二萬】【五萬】のノベタン待ちの断么九(タンヤオ)のみだった。
断么九とは1翻役で1,000点というこれまでの試合では見られなかった、普通の麻雀の役だったが、このタンヤオには大きな罠が仕掛けられていた。なんと、同点二位のモリエホンが単独二位に躍進したのだ。
このトーナメントでは、半荘終了後に順位ウマとして、1位に+30,000点、2位に+10,000点、3位に-10,000点、4位に-30,000点が加算されるルールが採用されていた。これが新中華麻将テーマパークのMAJAN GAME事務局が説明していた『MAJAN GAME THE FIRST STAGEでは、25,000の30,000返し』の意味である。
要するに、たった1,000点勝っているだけでも、半荘終了時に3位は2位のモリエホン元伍長に10,000点支払うことになるので、二位と三位では大違いないのだ。
1位:マチルダ 49,300点
2位:モリエホン 18,000点
3位:桜乃金一 17,000点
4位:羅漢壱号軍団 15,700点
しかも、積み込みで大量にバッテリーを消費してしまった超十八羅漢デビル・レッドは、フュージョンを維持することができなくなり、元の十八羅漢ロボットの姿に戻ってしまった。
つづく…
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