近未来麻雀小説(16)新中華麻将テーマパーク III
これまでのあらすじ
新華強北町の旧日式麻雀勝負の東風戦・第一戦・東1局1本場(連荘)で、マチルダの開双立直(ダブル・オープン・リーチ)の奇策に、マチルダから電脳ハックされていた羅漢壱号軍団が振り込んでしまい、ダブリー振り込みの役満で一位と二位が逆転した。
1位:マチルダ 45,300点(45,000+300)
2位:羅漢壱号軍団 28,700点(32,000-300)
3位:桜乃金一 13,000点
3位:モリエホン 13,000点
東風戦・第一戦・東2局0本場
東2局の親は、裏プロ生活で一世紀無敗の『将鬼』と恐れられていた積み込み(イカサマのこと)の名人で有名な伝説の最強雀士桜乃金一だった。このトーナメントは、積み込みアリのルールである。桜乃金一が親になると何度でも天和(テンホー:配牌が終わった時点で親が上がっている役満)を積み込めるので、この勝負の勝利者は、彼が親になった時点で桜乃金一の優勝が決まったようなものだ。
桜乃金一は #元禄積み で、コンビ打ちしている下家の羅漢壱号軍団に緑一色・三暗刻・三連刻のトリプル役満(子は96,000点)と、自分の手牌には国士無双・天和のダブル役満(親は48,000点)を積み込んだ。
羅漢壱号軍団の配牌
ところが、配牌の途中で桜乃金一の顔が青ざめた。なぜなら、彼が国士無双を積み込んでいたにも関わらず、彼の配牌は九種九牌だったからである。一世紀無敗の『将鬼』にとって、このような失態は初めての経験であり、マチルダかモリエホンのどちらかが、積み込みを摩り替えたのに間違いはずだが、いつの間にすり替えられたのか見抜くことができなかった。
桜乃金一の配牌
『こんなイカサマができるのは、 #ジョジョの奇妙な冒険 の #DIO のスタンドの #ザ・ワールド か、 #空条承太郎 のスタンドの #スタープラチナ しかあり得ない』と桜乃金一は思ったが、彼はスタンド使いではないので、スタンドを見ることができなかった。
桜乃金一のイカサマの腕前があれば、二巡目には国士無双の役満で上がることも可能だった。しかし、誰が積み込みを邪魔したのか解らなければ、二巡目で上がれるとは限らないので、『ちっ! 今日はツイていねぇな。九種九牌』と宣言して、親の場を流さざるを得なかった。
つづく…