マーケティング予算配分の最適化とは?ポイントと注意点を解説!デジタル広告予算組みの4パターンも紹介
こんにちは!
アイドマ・ホールディングスです。
2020年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外の企業の多くにおいてマーケティングの予算を縮小する傾向が見られました。
2021年に入ってからも先行きが不透明な中、限られたマーケティング予算を最適に配分する方法に悩んでいる企業は多いと思われます。
この記事ではマーケティングの予算配分を最適化するためのポイントや注意点についてくわしく解説し、現在注目されているデジタル広告の予算組みに関する4つのパターンについても紹介していきましょう。
アンダーコロナのマーケティング予算
新型コロナにより多くの業界において、消費活動が停滞したり消費者のニーズが変化したりなどの大きな影響が出ています。
前から計画していた事業や戦略に関して変更せざるを得ないケースも、数多く発生しているようです。
あらゆる広告チャネルに影響が
マーケティング予算に関しても削減を余儀なくされた企業は多く、イベントや店舗での販売促進や交通広告などのオフライン広告とオンライン広告、いわゆるデジタル広告の双方に影響が出ています。
中小企業では広告宣伝に当てる予算が縮小する一方で、中堅企業や大企業の中にはアンダーコロナを投資の好機と捉え、マーケットシェアを拡大しようとする動きも見られます。
マーケティング予算は本来、企業としての売上目標に対する貢献の度合いによって分配されるべきものです。
もちろん、アナログで対面型接客型のビジネスなどの市場自体が急激に縮小している場合は、予算をカットせざるを得ないケースもあります。
しかし影響が限定的、あるいは一時的であればコロナを理由に予算を減らすのではなく、アンダーコロナだからこそ施策の貢献度を反映した妥当な予算分配が求められます。
多くの企業がデジタル広告にシフトする傾向
政府主導でイベントなどの開催規制が進む中、従来利用していたマーケティングチャネルから、デジタル広告の方に積極的に予算配分をシフトする企業が増えています。
新型コロナの影響でSNSを利用する機会が増えた消費者の中には、コロナ前よりも企業の公式アカウントの投稿に触れることが増えて、キャンペーンの参加や「いいね」や「リツイート」をする回数が増えた人も多いようです。
このようにどんどん変化するマーケットの状況を、マーケティング担当者がきちんと理解し、従来の手法に捉われずに新たな手法に挑戦していく姿勢が必要になってくるでしょう。
予算配分の最適化のポイント
ここからは、最適なマーケティング予算配分をどのように行なうかに関してのポイントを解説していきます。
マーケティングの現在の問題点を挙げてみよう
予算配分を検討するに当たって、現状のマーケティング手法のどこに問題があるのかを明らかにしましょう。
例えば、購入確度の高い見込み客の獲得を目指して、リスティング広告を運用しているとしましょう。そんな場合には現時点で目標としている数の顧客が獲得できているかを客観的に判断します。
成果が目標とするレベルに達していないのであれば、既存の手法の精度を高めていかなければなりません。
成約率の高止まりは上限に達している可能性あり
一方で、成約率が高い水準で止まってそれ以上伸びない場合は、マーケティング手法の最適化がなされていて、すでにその手法で獲得できるユーザーの上限に到達している可能性があります。
そんな時はディスプレイ広告やSNS広告などの、新たなチャネルに出してみるのもよいでしょう。
直ちに顧客として獲得するのではなくとも、認知を広げるための新しい手法に投資することも検討するべきです。
マーケティングの新しい手法への予算配分について
予算には限りがあります。新しい手法に投下する場合は、従来のアクションで効果が出ていない部分を削り、そこで浮いた分を新手法の予算に充てる考え方が賢明です。
例えば、デジタル広告上で見込み客の獲得ができているキーワードとそうでないものがあります。
そのような場合にできていないキーワードへの出稿を見合わせて、別の新しいマーケティン手法に投資することで、予算全体を増やさずに新しい手法をテストできます。
マーケティング手法の成果の検証
CPA(Cost Per Acquisition)というデジタル広告の指標があります。1件の成約を獲得するのにかかった広告のコストのことで、デジタル広告においては最重要視されています。
新しい手法の検証をする場合に特に注意をしておきたいのは、目標とするところに達成しなかったというだけで、決してそのやり方を全否定しないということです。
CPAが芳しくないからとすぐその手法を辞めてしまうことがありますが、新しい手法を始める時には、当初に失敗はつきものです。
すぐに違う方法に変えてしまうのではなく、目標としているCPAに届かなかった理由を考えて新たな仮説を立てることで、手法の改善につなげることができます。
新規のマーケティング手法の結果を検証する場合には、ある一定数のクリック数や成約数を担保することが必要です。
特に運用型広告においては、一定の成約数が確保されていないとその媒体の機械学習の精度が向上しないのです。
CPAの結果が良くないから辞めるという物差しではなく、そもそも検証するにたる成約数が確保できているのかという観点から見ていく必要があります。
マーケティング予算配分時の4つの注意点
マーケティング予算の理想的な配分を目指すために、注意すべきことをお伝えします。
アクションの「目的」と「成果指標」を明確に
マーケティングのアクションは、最終的にどういう結果に持っていきたいのかという事業目標から逆算して考えるべきであり、決して闇雲に実行するものではありません。
アクションの目的は、事業のフェーズによって異なります。認知力の拡大を目指す段階か、既存顧客のLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高める段階か、新規顧客を増やす段階か、あるいは商材のイメージアップを図る段階かなどです。
それぞれの段階の目的によって、実行すべきマーケティング手法は異なってきます。また、成果指標を明確な定義に基づいて設定することも大変重要です。
本当に指標を据えて検証していく必要があるのかを見極めなければなりません。
過去の検証データに潜むヒントに注目
過去に行なったマーケティング手法の検証データには、新しい手法の精度を上げるために役立つヒントがたくさん潜んでいます。
過去データを紐解いてつぶさに見ていき、課題点などのヒントを発見しましょう。例えば、配信広告の成約率やクリック率はどの程度だったのか、どのパターンの反応が良かったのかなどです。
仮に結果は失敗に終わった手法であっても、新しい手法を試す際の仮説に使うことで、精度を高めるのに役立つことがあります。
配分比を固定せず臨機応変に変化するスタンス
新規のマーケティング手法を実行する場合に、当初立てた仮説どおりにうまくいくことは、そうそうありません。予算配分についても同じことが言えます。
仮にコンテンツマーケティング(オウンドメディア )には100万円の予算、運用型広告の方に200万円の予算を組んでいたとしましょう。
いざアクションを実行すると、コンテンツマーケティングの方がROASは高く、クリックや成約に順調な成果を上げていることがあります。
ROAS(Return On Advertising Spend)とは、広告に掛けたコストに対してどれだけ広告経由から獲得できた売上があったかを見る指標です。
予算と手法を当初から固定し過ぎてしまうと、仮説からずれた場合に臨機応変な対応ができません。
マーケティングの実行はやってみないと実際は分からないということを前提に、予算配分は柔軟なものとして、出てくる成果を見ながら調整できるスタンスが望ましいといえるでしょう。
トレンドに流されないこと
マーケティングの手法にはトレンドが存在します。最近ではYouTubeなどを利用した動画広告が注目されていますが、目新しい手法が目的達成の最善策とはかぎらないのです。
YouTube広告はユーザーの母数が膨大な数にのぼり、動画を使ってアピールできるので商材の認知度を高めるのに役立つのは間違いありません。
一方で、その広告の制作に時間とコストを要します。また、リスティング広告などと比べれば、必ずしも成約につなげやすい手法とはいえません。
トレンドだからやるべきというのではなく、目標を達成するのに最適な手法なのかどうかを、メリットとデメリットをよく理解した上で判断するのが賢明です。
デジタル広告の予算組み4つのパターン
デジタル広告の具体的な予算配分の方法には4つのパターンが存在します。それぞれ詳しく解説しますので、実際の予算配分作業に取り組む場合の参考にしてください。
パターン1:売上目標から算出
売上目標から逆算して、デジタル広告の予算を決めるパターンです。例えば、単価3万円のサービスで600万円の売上を上げたい場合、以下のような流れで予算組みをします。
成約数を計算しましょう。600万円の売上を出すには成約数が200件必要です。そこでリスティング広告で200件成約するという手法を決めます。
次に成約率を1クリックあたり10%と仮定します。そうなると200件成約のために必要なクリック数は2,000です。
続いて平均クリック単価を調べます。仮に平均クリック単価が300円だとすれば、以下の計算で予算が出ます。
300円×2,000クリック=60万円
この方法を利用すれば、売上から予算組みができます。
パターン2:LTV(Life Time Value)から算出
LTV(Life Time Value)から逆算して、デジタル広告の予算を決めるパターンです。LTVとは企業活動における重要指標のひとつで、顧客生涯価値、すなわちある顧客から生涯に渡って獲得できる利益を指します。
例えばLTVを500万円獲得したい場合、以下のような流れで予算組みをします。
顧客データを基に、1人あたり平均のLTVを計算しましょう。20万円だとして獲得顧客数を計算すると、500万円を得るためには25人の顧客を獲得する必要があります。
手法を記事広告として顧客を25人獲得すると決め、表示回数1回あたりの顧客獲得数を0.01人と仮定しましょう。
顧客を25人獲得するためには、2,500回表示される必要があります。記事広告の表示1回あたりの平均単価を100円とすれば、以下の計算で予算が出ます。
100円×2,500回=25万円
この方法を利用すれば、LTVから予算を決められます。
パターン3:広告の目的から算出
デジタル広告の目的から逆算して、予算組みするパターンです。例えば、目標が認知度の向上の場合、以下のような流れで予算組みをします。
まず目的を数値化しましょう。50万人に広告を到達させると決めます。次に、広告が表示された中で25%の人が広告をチェックすると仮定しましょう。
50万人に到達させるために必要な表示回数は200万回になります。そこで、バナー広告を200万回表示させるという手法を決定しましょう。
バナー広告表示1回あたりの平均単価を仮に2円とした場合、以下の計算で予算が出ます。
予算決定:2円×200万回=400万円
この方法を活用すれば、どのような目的に対しても予算組みができます。
パターン4:手法ごとに暫定配分
出稿する対象になるデジタル広告の種類を決めて、厳密ではなく暫定的に予算を配分するパターンです。
例えば、総額で150万円という予算枠の場合に以下のような流れで予算組みをします。
●記事:80万円
●メール:40万円
●リスティング:20万円
●アドネットワーク:10万円
この方法で予算を配分した場合、それぞれの成果を検証しながら、それを配分比率に反映させて調整作業をしていかなくてはなりません。そのため、後々の手間が増えるというデメリットはあります。
しかし、予算組み自体でああだこうだと無駄な時間が掛からないので、すぐに実行に移せるのがメリットです。
また、出だしが大雑把な予算組みなので、細かく数字を追うというストレスを感じなくて済みます。まだデジタル広告に精通していない企業が取り組む場合に、おすすめできるパターンです。
まとめ
マーケティングの予算配分を最適化するためのポイントや注意点、そしてデジタル広告の予算組みの4パターンについて解説しました。
マーケティング予算の配分には、まずはどういう目的でのマーケティング手法なのかを明確にして指標を設定しましょう。
その上で予算配分を固定化し過ぎず、アクションの効果を検証しながら適切に予算を調整していくことが大事です。
広告の予算配分で悩んでいる方はここで紹介した内容を参考に、適切な予算配分にトライしてください!