こわいひと
植物の気持ちになるの
枯れた維管束が軋んで
体温が少しずつ下がるから
太陽が恋しくて堪らない
交差点で嘴を鳴らす鴉の群れと
ぱちぱち弾ける拍手の音が
わたしを轢き殺していくから
足がなくなるみたいに浮くの
曇りの日はカーテンのかかった窓みたい
あなたはその部屋で何をしているのかな
光が透けて細波になったら
わたしの指は裂けていくわ
扉の外まで根が伸びたら
やっと世界が終わるとき
目を閉じれば真っ白な世界が広がって
頭のなかで響く悪魔のやわらかな歌声
全てが同じに
美しい動きで
回り続けては
散り散りになる
わたしが消えて/楽しいね
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