間 幽霊

生きてる世界で死んでる人間、死んでる世界で生きてる人間。そういう骨と肉。

間 幽霊

生きてる世界で死んでる人間、死んでる世界で生きてる人間。そういう骨と肉。

最近の記事

反重力

透明な目を まだ閉じていて 聡明なまま 死に至るまで もう正解は 何処にもないと どうかそのまま 諦めていて 君が悲しみ 眠れないのは 夜が上手に 来てくれないせい 綻ぶ指に 絡む泥濘 錆びつく朝の 光に酩酊 染色体の 形を撫でて 生まれた子らに 涙を流す 血迷った夢の 手を取る前に 歪な歯車 藻掻く空蝉 沈む空想 無欲な獣 取るに足らない 無辜の化け物 癒着する手と 刺す幻肢痛 それか或いは ペトリコールか 思考の裏で 繰り返す声 「愛するものが 死んだ時には」 空

    • オルタナティブ

      好きな言葉すら思いつかない。それが虚しくて仕方がない。 音楽には罪がないって、それは当然のことさ。どっちも勝手に作っただけのもの。 さよなら世界、さよなら人類。光の速度で僕の身体が消えるまで。 何にもないよ。全部気のせいだったみたいで、全部間違ってたみたいで。 正しく、美しく、なりたいと思って、たったそれだけ。 ごめんね、普通の子になるからね。 来世では、愛してね。

      • 生解

        物でもなく肉でもなく 僕の中身は空洞だ 夜道で街灯から隠れて君と戯れて 思い出と一緒に希死念慮も捨てて 残った僕はずっと空洞 合成樹脂でできた夢には朝の挨拶を 陰極線管を流れる光には別れの言葉を 君は 生きてる世界で死んでいて 死んでる世界で生きている そういう骨と肉 君は早く消えてしまいたくて 僕はずっと馬鹿になりたい 心も体も、頭の中身もお揃いで そんなくだらない全てを忘れられるように 僕の無様な言葉で 君は自分の心を抉って その傷口から漏れ出た膿を 僕が全部

        • 連理

          心と身体と時間は君にあげる 能力と欲望と、それらを形成する思想は 壊れて使い物にならないからしまっておく 君は僕から無色透明の血液を絞り出して世界を作る 僕は君の流す青い涙でその海に色をつける 僕らはお互いのために もう一度生まれないといけない だから、僕の羽根の片方を手折って そうしたら僕は君のに手をかける 一人じゃ生きていけないようになりたい 比翼の鳥になりたいの わたしの命、半分あげる

          蟷螂

          相対する空と海が混ざり合って 世界の終わりをそこに見るとき 僕は少し心を千切って捨てていく 「地下鉄の悪魔が、ずっとこっちを見てるんです」 盤面で睦む有毛細胞 拡散する死体に蝿が群がる 無菌室にて君を待つ 最後には僕も悲しみになる 神は人を狂わす病気に 愛という名をつけました。 出して食んで増やして たかる毒虫、駆除して回れ 膿んで剥いで捻じ伏せ 荒ぶ脳髄、鼓舞して壊せ "ひそと侵され 綻ぶ命" 平等不平等、恥の多い生涯 差別的思想、首の皮一枚

          針金虫

          コンクリートの空が目の前に落ちてきて 僕を見つめて鈴のような声で呟いた 「私、たぶん昨日から偽物になったと思う」 寒そうな肌 皮膚が繊維のように解けて 爛れていく 君は羽化する 淡雪の肌 瞳が涙のように融けて 蕩けていく 僕を映す人がいなくなる 夕日に煌く花氷 海馬を燻らす雨篭り 無垢に揺らめく逆堕とし 怠惰を償う殻残り "絖の肌 声なく沈む 水屑かな" 溺れた果て 声のする方へ はやく、そばにおいで

          廃忘

          「後悔してるの?」 飽きるほどにしているよ ずっと頭の中は真っ黒だ 季節が巡っても 年を重ねても ずっと囚われ続けている 何処へ行こうと 何を為そうと 何を想おうとも 僕はいつも帰りつく 完成されていたあの時間に オレンジの香りのする君の隣に 「あの星座の名前、何だったかな」 オリオン座 ベテルギウスの爆発を 死ぬまでに見たいと話したはずだ 「最近いつもの猫を見かけない」 車に轢かれていたのをこの前見た 子猫の泣き声を聞いた気がした 「どうして間違えたの」

          題詠

          あなたのいない春をもう四度ほど過ごしました あなたへの手紙は溜まっていくばかりです 今でもよく覚えています 日が昇るのと共に小鳥が囀り 柔らかな風がカーテンを揺らす そんなのどかな朝に 君は眠りにつきました 白昼夢を見ているようで 空に浮かぶ雲の形や 草木の瑞々しい緑が あなたの優しさによく似ていました 最近僕は、少し考えます 生きているとかいないとか そんなことには関係なく 思いというのはどうあっても 伝わりはしないものなのでしょう それでも一欠片でも伝

          残喘

          結局何も残りはしないのだ 襤褸切れのように容易く捨てられて 歩いてきた道は他人の足跡で埋め尽くされる 全て忘れ去られて、それが当然のように 夜の静寂が痛いほど肌に突き刺さる こんな大きな街で祈る星もなく ただ無為に時間が過ぎていくのを まるで他人事のように感じるのは何故だろう 窓に映る自分の姿が 確かに呼吸をし、血液を流し 生きているのだということを 誰が証明してくれる? 夜が明けて、また日が沈んでも あなたの時間だけが流れなければいいのに 春の温かな陽光にさえ耐えられ

          水氷

          かみさま、かみさま 僕、とても良い子にしていました どうして どうしてこんなことをするのですか 神様 どうか あの人はきっと僕の 半分だったのです お願いします 僕の祈りは あなたの耳にきっと 大きな傷を残すことでしょう 僕は、明日にでも そう、すぐのことだったのです かみさま 救いはありませんか どうして、あの人を 連れていくのですか 僕は、神さま あなたを信じていました ああ、僕はとても悪い あなたがそう決めたのなら きっと僕が全ての原因で あの人がその犠牲に

          悲憤

          酷く日に/焼けた∃写真が    白く=光って        君が〻消え    /\/|/\怯えた糸が  痩せこけた    君の   手首 に似               絡み 僕の首±を絞めて¿         あ   君、な〃ので    僕は  咲いてる;     花の≫愚かしさは   尊ばれるべき∝であり 僕が   _^\  踏みにじったから          君は怒った。のですね  悪い人、‥です僕は       悪いとても∞悪くて    踏みにじられたいゞ 貶め  

          無題

          すごくすごく優しい人だったんです すごく、やさしいひとで 僕はとても美しいなと そう 僕を早く殺せ と 叫び出すのです 優しく美しいひとでした すごくすごく優しい 心臓がない 悪い人、かしら うつくしいもの 美しいから悪い人? 上に影があって ぼくの影が真上から 僕を見下ろして 毒が、あふれて だれだろう わるいやつはみんな人間です 人間だから 僕は 困ってしまいます 心臓があって じゃあ、おかしい 優しく美しい人? あなたは あな

          箱舟

          涙を溜めた水槽を世界と呼ぼう 七日よりもっと時間をかけて 拾い集めてきたものを入れて 手で壊してしまえるほど小さな世界を作ろう 言葉は失くして 季節がもう少し緩やかに流れるように 感情には色をつけて 景色がもう少し鮮やかに見えるように 体温を一度だけ上げて 人がもっと優しくなれるように 命を短くして 大事な時間が長くなるように 抱き締めたときに、もっと多くを伝えられるように 月と星の明かりだけで十分だから もう電気は消してしまうよ 布団の中で体を丸くして目を閉じて

          こわいひと

          植物の気持ちになるの 枯れた維管束が軋んで 体温が少しずつ下がるから 太陽が恋しくて堪らない 交差点で嘴を鳴らす鴉の群れと ぱちぱち弾ける拍手の音が わたしを轢き殺していくから 足がなくなるみたいに浮くの 曇りの日はカーテンのかかった窓みたい あなたはその部屋で何をしているのかな 光が透けて細波になったら わたしの指は裂けていくわ 扉の外まで根が伸びたら やっと世界が終わるとき 目を閉じれば真っ白な世界が広がって 頭のなかで響く悪魔のやわらかな歌声 全てが同じに

          こわいひと

          幸福論

          僕の幸せは 君と二人で死海を漂って 真っ青な景色の中で ふたつの染みになること 僕の戦争は終わらない 君が望む誰も死なない世界のために 君が誰も殺さなくていい世界のために 海はあんなにも深い青色なのに 雨水が透明なのは この世界が寂しくなりすぎないため 僕は君が目を閉じて 今日の空の色を思い出せるなら それ以外は何も望まない 僕の幸せは 眩く光る明けの明星が 薄紫の空を連れて消えるとき 君が独りきりで泣かないこと

          秘匿

          君のことを縺ゅ>していたいと 君のことを谿コしながら言って 謔イ縺励∩がすぐに消えるものでも 豁サが二人を別つまで僕が残してみせる 逕溘″縺溘>と嘘を吐いて 死んだのは君を想う縺シ縺 鄂ェを犯すのも鄂ーを受けるのも 僕だけでいいから、君は逕溘″て 證励¥縺ヲ怖い荳也阜縺?から 君は逶ョ繧帝哩縺倥※そのまま 僕莉・螟の隱ー縺九?手を取って 縺企。倥>、蟷ク縺帙↓縺ェ縺」縺ヲ 悪魔が見てる 逞帙∩縺ッ豸医∴縺ェ縺 縺壹▲縺ィ蜒輔?蠎輔↓