水氷

かみさま、かみさま
僕、とても良い子にしていました
どうして
どうしてこんなことをするのですか

神様
どうか
あの人はきっと僕の
半分だったのです

お願いします
僕の祈りは
あなたの耳にきっと
大きな傷を残すことでしょう

僕は、明日にでも
そう、すぐのことだったのです
かみさま
救いはありませんか

どうして、あの人を
連れていくのですか
僕は、神さま
あなたを信じていました

ああ、僕はとても悪い
あなたがそう決めたのなら
きっと僕が全ての原因で
あの人がその犠牲に

どうぞ僕を代わりに
こんなくだらない人間です
いくらでも苦しめてかまいません
どうか、

肺の凍てつく冬も
風に脅える秋も
瞳の焼けつく夏も
桜の蕾が赤く赤く色づいてから

こんなにも長い間、祈っていたのに

どうか、あの人を救って


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