廃忘

「後悔してるの?」

飽きるほどにしているよ
ずっと頭の中は真っ黒だ
季節が巡っても
年を重ねても
ずっと囚われ続けている

何処へ行こうと
何を為そうと
何を想おうとも
僕はいつも帰りつく

完成されていたあの時間に
オレンジの香りのする君の隣に

「あの星座の名前、何だったかな」

オリオン座
ベテルギウスの爆発を
死ぬまでに見たいと話したはずだ

「最近いつもの猫を見かけない」

車に轢かれていたのをこの前見た
子猫の泣き声を聞いた気がした

「どうして間違えたの」

答えを知っている気がする
それでも諦めていたい

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