幸福論

僕の幸せは
君と二人で死海を漂って
真っ青な景色の中で
ふたつの染みになること

僕の戦争は終わらない
君が望む誰も死なない世界のために
君が誰も殺さなくていい世界のために

海はあんなにも深い青色なのに
雨水が透明なのは
この世界が寂しくなりすぎないため

僕は君が目を閉じて
今日の空の色を思い出せるなら
それ以外は何も望まない

僕の幸せは
眩く光る明けの明星が
薄紫の空を連れて消えるとき
君が独りきりで泣かないこと


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