生解

物でもなく肉でもなく
僕の中身は空洞だ

夜道で街灯から隠れて君と戯れて
思い出と一緒に希死念慮も捨てて
残った僕はずっと空洞

合成樹脂でできた夢には朝の挨拶を
陰極線管を流れる光には別れの言葉を

君は
生きてる世界で死んでいて
死んでる世界で生きている
そういう骨と肉

君は早く消えてしまいたくて
僕はずっと馬鹿になりたい

心も体も、頭の中身もお揃いで
そんなくだらない全てを忘れられるように

僕の無様な言葉で
君は自分の心を抉って
その傷口から漏れ出た膿を
僕が全部、食って飲る

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