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東京マグニチュード8.0とアラフォーふたりの涙腺の話

3000円で大人の涙腺はたやすく壊れる。

先日、近所に住む友人と昼から飲み始め、解散したのは夜中の2時だった。

DHCはビールも出している。しかもかなりしっかりしたビール。

ベランダビアガーデンを開催。

アラフォーの女ふたり、話があっちにいき、こっちにいき、1時間に1度くらいのペースで可愛いネコの動画をチェックする。

だいたいが仕事の話。

お互い、ずっとテレワーク。飲みに行きたい。行けない。行きたい。行けない。飲むか。飲もう。ビールだ!泡だ!ワインもね!

だいたいBGM程度でライヴ映像や何度も観てるドラマを流しておくのだけど、この日はわたしが他の友人に強く薦められていたアニメを観ることにした。


【東京マグニチュード 8.0】

地震のアニメ。

ー2012年7月21日(土)15:46 東京湾北部を震源としたマグニチュード8.0の地震が発生するー

お台場で被災した中1のお姉ちゃんと、小3の弟が、シングルマザーと一緒に世田谷を目指す。


ものすごくしっかりとしたリサーチや被害想定をもとにしたアニメ。

都内の描写が本当に緻密でリアルで、わたしには以前の生活圏で『ああ、ここ、いつも通ってたとこ』『ああ、この東京タワーの眺め、あそこからだな』そんなのがいっぱい。

それが壊れていった。アニメなのに震えた。

当たり前の光景が一瞬にして姿を変える。

主人公の女の子の通うミッション系の学校の講堂が遺体安置所になっていたシーンはつらすぎて目を閉じてしまった。


他者のためになにができる?

このアニメでは、シングルマザーのマリさんが中学生と小学生の姉弟を守りながら自宅のある世田谷を目指すんだけど、この行動についてわたし達は考えてしまった。

わたしは、まず、なにもできない。

とにかく子供の安否確認をしなければ、とにかく家に帰らなきゃ。そう思い行動すると思う。きっと、本当に何もできないと思う。

友人は『あたしは子供いないし、もしケガとかなきゃ小さい子がこんな状況ならこういうことするかもしれない』と言っていた。

『ひとりでいるのも怖いよね』『助け合いとかできるのかな』『人間て怖いから大人は怖い』とかいろいろ話した。

よく海外のひとが日本にきて日本人のマナーや秩序に感動したと褒めてくれるけど、そうじゃない側面もやっぱりある。

朝のラッシュの電車で、我先にとひとを押しのけるひとがいる。

優先席に座り、妊婦さんやお年寄りの見て見ぬフリするひとがいる。

自転車を倒しても直さないひとがいる。

コロナ禍でマスクの転売したり、ずるいことして沢山買い込んだひとがいいたり、配達員さんに心ない対応するひともいた。

それを考えると不安要素がとても多かった。

コロナ以上に地震はパニックに陥るはず。

そこから東日本大震災のときのことをいやが応にも思い出してしまった。


東日本大震災

もう9年も経ったけど、今もあのときのことはトラウマ並に覚えている。もちろんわたしは関東だから被害もたいしてなかった。それでもそれまでの人生で一番怖ったし、それ以上の恐怖はまだ味わっていない。

あの時、わたしは都内のオフィスの14階にいた。

金曜日、あと少しで定時。翌日福島の友人が遊びにくるので、さっさと帰ろう。そう思っていた。

やたら細かい計算をしていたときに14:46を迎えた。

耐震構造のおかげで建物の被害はなかったけど、揺れることで倒壊を防ぐ構造だったこと、長周期振動で、揺れはすさまじかった。

可動式のキャビネットがぶつかり合い、書類は舞い、机も複合機もどんどん動く。

子供は大丈夫かな?学校古いけど大丈夫かな?

数週間前に起きたクライストチャーチの大地震が脳裏に浮かび、死んじゃうのかな?

え?どれだけ揺れるの?

揺れている間、本当に混乱していた。

幸いすぐに実家の母と連絡が取れ、子供を迎えに行ってもらうように頼むことができた。埼玉はそこまで激しく揺れなかったという。

何度も余震が続き、非常階段を降りる際中に揺れたとき、はす向かいのビルの水道管が破裂したのか水が噴き出してきたのは、本当に恐怖だった。

オフィスにテレビがなかったので、みんなで近くのホテルのカフェのテレビで情報を確認したときに愕然とした。

東北でとんでもないことが起きてる。

オフィスの2階のフロアで状況を確認しながらみんなで過ごした。妊婦さんの同僚がパニックを起こしていて不安な中、日が暮れた。

電車は一向に動かず見事に帰宅難民。オフィスから家まで22キロ。歩けなくもないけど、会社からは待機命令が出ていた。

長い長い夜。

子供に会えたのは翌朝だった。

実家のテレビで津波のニュースを見て用意されたご飯も喉を通らなかった。


東日本大震災で学んだこと

関東は茨城の沿岸部、千葉の旭市などは津波の被害があった。浦安や横浜は液状化現象などの被害があった。

東京や埼玉、群馬、栃木はそれほどの被害はなかったけど、益子の焼き物が割れたりというのはテレビで見た。

お恥ずかしい話、この震災まで、わたしは防災についてなんにも考えたことなかったし、避難訓練も『さっさと終わんないかなぁ』って思っているタイプだった。

備蓄もしたことなかったし、ハザードマップの存在すら知らなかった。

今思うと、本当に恐ろしい。

今はその反省から、ハザードマップは自宅の場合、職場の場合で確認するし、旅行に行くときはその場所を確認しておく。海の方に行くことが多いので高台へのルートも確認して出かけるようにしている。

震災後しばらくは備蓄もしっかりしていたんだけど、やはり気が緩んでしまうんだよね。

去年の台風のときに、あ、これはまずいな・・・って思い少しずつ備蓄をするようになった。

【備蓄しているもの】

・お水 最低15本(2Lペット)

・お米、乾麺

・ガスコンロ&ボンベ

・ランタン、懐中電灯

【非常持ち出し袋】

・お水 6本(500MLペット)

・カロリーメイト的なもの

・ビスケット

・栗とか干しいも

・ボディシート

・マウスウォッシュと歯ブラシ

・携帯トイレ、生理用品(薄くていっぱい入ってるもの)

・季節の着替え

・常備薬

・マスク、除菌シート、ティッシュ、ビニール袋

・メモ、ペン


こないだ少し買い足したけど、レトルトのおかゆとゼリー飲料、水のいらないシャンプーも買わなきゃな。

東日本大震災の時、スーパーから食べ物が消えた

お米が買えないの、怖かった。

それもあって、お米と乾麺は切らさないようにしている。

今回このアニメを観て、ちょっと備蓄見直ししようと思えた。


正常性バイアスが怖い

コロナ禍で露呈した、日本人の危機感のなさ。

これは平和な国に強く表れる【正常性バイアス】のせいだと思う。

『自分はならない』『自分は死なない』

そんな根拠のない自信がどういうわけか働いてしまう。

これが地震が発生したときに働いてしまうとどうなるか。

『逃げろ』という言葉を現実味のないものとして感じてしまい逃げ遅れたり、ふと危険に気が付いたときに焦り、周りに迷惑をかける。

津波なんてこないよと見に行って波にのまれる。

台風の時に川や海に近づくおバカさんがそのわかりやすい例。

病院行きたがらないひとも近いと個人的に思っている。

『絶対』なんてことはないので、みんな危機感もっていかないね。

いざという時に自分も周りも助かるためにあの避難訓練はあったんだなと、大人になって気づいた。

首都直下地震も、南海トラフ地震もいつかきっときてしまう。

地震大国に住んでる以上、覚悟して生きていかないと。


人間が怖い

友人と話していて、地震そのものも怖いけど、『人間怖い』という話になった。

火事場泥棒っていうのが悲しいけど災害のたびに現れる。

性犯罪も起こる。

寝ていて貴重品盗られるくらいならまだかわいいもんだと思うような非情な犯罪が起きてしまう。

なんでそんなことができてしまうんだろう。

みんな被災してるのに被災者が被災者にさらにつらい思いをさせる。

誰を信じたらいいかわからなくなるよね。そんなの。

心細い中で、そんなの・・・。

これが災害時のもうひとつの恐怖。


日本の復興力

地震だけじゃなくて台風、噴火、竜巻、洪水。

狭い国土の中に様々な地形と気候を有する日本は災害大国。

でも、目を見張るのがその復興力。

わたしと友人は千葉の外房が好きで、去年は房総半島ぐるりドライブ旅をした。TDLの横のヒルトンでランチをして、千葉市を抜け、茂原へ。茂原から一宮、そこから海岸沿いを南下。

御宿に泊り、鴨川シーワールドではしゃぎ、房総半島の海沿いを走り、道の駅を網羅していき浦安万華鏡温泉を目指す旅。館山でピーナッツソフトも食べた。
原岡桟橋はくもりが似合っていて味わい深かった。

この道中、優しいひとにしか出逢わなかった。

翌月、その友人と、子供と3人でまた外房へ。
また鴨川シーワールドに。

わたしは鴨川シーワールドが大好きで、特にシャチのショーは欠かすことができない。

鴨川シーワールドの大人の入場料は3000円だ。

しかし、ここはそれ以上の価値のある水族館だ。

シャチのショーを観て、子供は感嘆の声をあげる。

シャチのショーを観て、大人は涙する。

シャチとトレーナーの心の触れ合いが垣間見え、物語が見えるのだ。

シャチは本来獰猛な生き物と言われている。

実際そうなんだと思う。

でも、トレーナーと心を通わせたここのシャチ達は笑っている。

楽しそうに笑っている。

ちょっと長く生きた分、想像力が豊かになった大人はそのシャチとトレーナーさんの姿に気づくと泣いてしまう。

わたしと友人はひと夏に2度泣いた。最前列で泣いた。


そんな南房総は去年の9月の台風で甚大な被害が出てしまった。

本当にショックだった。

大好きな場所が、ずっと停電していた。

でもなにもできない。

そのときから友人や子供と話していたのは、状況が落ち着いたら南房総にお金を落とすことが唯一貢献できること。

冬くらいにはだいぶ復旧復興してきたとニュースで追うことができた。

早い。すごい。あれだけの被害だったのに。

東日本大震災の復興も早かった。三陸鉄道は、正直再起不能なんじゃないかと思ったくらいだった。

思えば何年か前に博多の駅前の道路がいきなり沈み込んだとき、それすらも1週間で完全復活だった。あれは衝撃だった。

日本のこの復興力は世界に誇れる。

災害とともに生きていかなきゃいけない日本。

ひとりひとりも防災意識をもって生活していかなきゃな。


大好きな鴨川シーワールド。

コロナでなかなか行けなかった。夏には行けるといいな。


皆さま、備えあれば憂いなし。

備蓄や持ち出し袋の用意や、集合場所など決めておくのをおすすめします。

寝ようとしたのに深夜食堂始まった。
全部3リピートくらいしたけど大好き。
今日はAV男優の回だ。

次回は美容とか筋トレについて書いてみます。









子供と美味しいお肉を食べる貯金にさせていただきますっ!!