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前澤氏により可視化されたひとり親の実情②

1,024円を求めて2.3里。

前澤友作氏が昨日新事業を発表した。

前澤氏といえば、先日ひとり親応援基金を創設し、わたしもそれに関する記事を書かせていただいた。

この基金の応募に際してのアンケート結果をうけ、前澤氏が愕然としたことがあり、約2週間で今回の新事業が発表となった。

ものすごいスピード感。

政府はいまだ特別給付金の申請書も送ってくれない。
アベノマスクが来るより前に普通にマスクが買える世の中になった。

前澤氏のスピード感には驚かされる。

気になるその事業内容は、
『誰もが養育費を受け取れる世の中にします!』
を掲げた養育費回収代行ビジネス。

養育費を払ってくれない元パートナーに支払いを促したり、肩代わりしたりするというもの。

現実問題、ひとり親の7〜8割は養育費を受け取れていない。
詳しく後述するけど、様々な事情があって養育費が受け取れていないひとり親、主にシングルマザーだらけなの。

前澤氏はそんなひとり親を養育費という側面から支援したいという思いをこのビジネスに込めてくれている。

うん、賛否両論不可避。

前回の記事に引き続き、ひとり親の実情をお話ししたいと思う。

前澤氏の発表した新事業とは

【株式会社 小さな一歩】

あなたが受け取れていない養育費を、私ども「小さな一歩」が元パートナーに代わってお支払いする保証サービスです。

養育費を受け取れていても、支払いが遅れたり滞ったりで安定しない場合、額が少ない場合なども、受け取るべき適正な金額の養育費を、決められた日に安定的に受け取ることができるように支援します。

養育費の受取りは【毎月ごと受取り】または【一年分の一括受取り】のどちらかを選択いただけます。

とのこと。

養育費を支払わない元パートナーに対して払うよう促したり、代わりに支払うというシンプルな事業内容。

養育費は子供のための大事なお金。そして権利。

でも、養育費はたとえもらえていても遅れたり、相手の経済状況で金額を減らされたりすることが多々あるという。

まあ、もらえていないひとがほとんど。わたしも1円ももらえていない。

ちなみに未婚シングルなので、おそらくこの事業も対象外になってしまうけど、少しでも多くのひとり親が救われたらいいなと思う。

ただ、まあ、、、賛否両論あるだろうな。

そもそも養育費の相場って?

これはあくまでも、養育費を支払う側(非親権者)の収入と、受け取る側(親権者)の収入、子供の人数による。

たとえば下記の結構ありがちなケースで算定してみると・・・

・30代夫婦

・親権は母親

・母親 収入200万円

・父親 収入500万円

・子供 9歳男児 1人 

この場合、相場は 4~6万円となる。

※これはあくまでもらえた場合の目安

月々の収入がだいたい13~4万なので、この養育費の有無で生活はまったく違うものになるのは明確だ。

それがもらえないひとが大多数を占めるのが現実。

ちなみに養育費って、支払う側がたとえ任意整理や自己破産を申請したとしても免責されない。

それくらい本来支払わなければいけないお金なんだよね。

給与から天引きとかしちゃったらいいのにという乱暴な思考になってしまう。

支払う側が再婚して、その相手との間に子供ができたりすると支払いが特に滞るという流れが多いみたい。

いや、わかるけど・・・。でもどちらもあなたの子・・・ってなるよね。

とにかく、乱暴な言い方をしてしまうと、払うべき養育費を、別に今、目の前にいないから払わなくていいよねって踏み倒すひとが多いから、そこはちゃんと払わせましょうってこと。

取り決めとかしてるひとで、支払われてない場合、利用価値はあると思う。

ちなみに、取り決めしてないとか未婚のひともひとまず相談窓口があるみたいなので相談だけでもしてみるといいかもしれない。してみようかな。

養育費の落とし穴

子供をひとりで育てていくのに重要な役割となる養育費。

しかし養育費にはいくつか落とし穴がある。

それも、かなり深刻。

【未婚シングルマザー】

まず、1つ目は、未婚のシングルマザーは請求できない場合があること。

これは、子供の父親に、その子を【認知】されているかどうかで変わる。

ただ、認知されているケースはあまりない。

この場合、認知請求をして、公正証書作ってとなかなかハードルが高い。

【児童扶養手当】

そして、厄介なのが、児童扶養手当との関係。後述するけど、児童扶養手当を受給するにあたり、毎年夏に『児童扶養手当現況届』を提出する必要がある。その際に養育費の話もする。

その養育費も収入扱いになる。そうなると、収入によって支給額が減額されていくシステムの児童扶養手当は、減額されたり、受給できなくなる。

収入扱いってなったら、養育費があることで受けられない支援が多々出てくる。

これは是正してほしい。

【離婚に至った原因】

そして、養育費で悩むひとにとても多いのが、元パートナーとの離婚に至った原因によって受け取れない現実。

一例として最近増えているDV被害。

DVで逃れるようにして離婚した場合、養育費も要らない、とにかく離れないと殺される・・・という感じがほとんど。

お金より、子供と自分の命、身の安全を選ぶのは当たり前。でも、これ、本当に救われない。

着の身着のまま逃げてきたひとが現実にたくさんいる。

たとえば、元パートナーに小さな一歩から連絡がいったとして、逆上して探されてしまったら・・・という恐怖は絶対ある。

DV加害者の支配欲っていうのは本当に常軌を逸している。

親権を盾にされて養育費の取り決めができなかったり、支払う側に支払うだけのお金がなかったりもする。(そもそもお金が原因で離婚のケースも多々ある)


ひとことで養育費を受け取れないといってもいろいろな原因がある。

だから、今回の事業も利用できないなと思うひとが多いと思う。

養育費は子供の権利だって、みんなわかってはいるんだけどね。

だから『自己責任』とか『自業自得』って言われてしまうのもわかるし、そんなの当の本人が一番わかってる。

だから言われたくないんだよね。

言われたくないから、助けを求められない。


ただ、ひとつだけ。

もし、養育費を断った理由が、元パートナーと関わりたくないというひとは、一度考え直してほしい。

暴力や親権争いとか、問題があるわけでなくて、単純に関わりたくないだけ、あんなやつの金で育てたくないという気持ちならばぜひ考え直してみてほしい。

養育費は子供の権利であってあなたの権利ではないんだ。

もし、あなたのプライドで意地で受け取らなかった養育費のせいで、子供が進学や夢をあきらめることになったらあなたは一生後悔する。

子供が自分の家にお金がないと悟り、夢を自らあきらめたら、あなたは一生後悔する。

もし、プライドさえ捨てれば養育費を請求できるひとは一度考え直してみてもらいたい。

もし元パートナーが『養育費払わなくていいなんてラッキー』って思ってたとしたらどうかな?

実はこれ、わたしが実際、友人に言われた言葉だ。

わたしは認知がなく請求できないままここまできてしまった。

自力で進学させられるけど、もし請求していればもっと余裕をもって働いて、子供といる時間もとれたのかなと思うこともある。

もし請求できるならば請求してみてほしい。

今回の小さな一歩のペルソナもそこなのかなとも思っている。

ひとり親の嫌いな言葉【現況届】

ひとり親にはどうしても夏になると憂鬱なことがある。

それは児童扶養手当の現況届の提出。

児童扶養手当は、ひとり親世帯に月額最大42,370円を隔月で支給するというもの。

この児童扶養手当の支給額の算定のために、現況を役所に事細かく申告しなければいけない。(収入によって減額されるor支給ゼロになる)

それが毎年夏にある。

これがひどく憂鬱。

なぜかというと、わざわざ面談に出向かなければいけないから。

役所に出向いて根掘り葉掘り聞かれる。

『養育費受け取ってます?』『お付き合いされてるひといます?』『内縁関係のひといます?』『結婚の予定あります?』『一緒に暮らしてるのは本当にお子さんだけ?』

必要な質問なんだとはわかる。不正受給防止のために。

行政でなにかしらの支援を受けるにはあって然るべきだって頭ではわかってる。

でも、やっぱり気分のいいものじゃない。

わざわざ仕事半休して、暑い中、役所行って、こんなこと聞かれる。

ちなみにわたしはこの取り調べを受けている間、自分を女優だと思ってやり過ごしている。

職員はゲスい週刊誌の記者。っていう設定

そんな遊びでもしないと、やるべき仕事してる職員に悪態ついてしまいそうになるからだ。

そして、この制度で納得いかないのが、児童扶養手当が受けられないってわかりきったひとも提出、面談しなきゃいけないということ。

対象者であるなら必要だししかたないなと思える。

でも明らかに対象にならないのにこの謎の取り調べを受けなきゃいけない。

ずーっとこれは納得いっていなかった。

それだけ嫌な思いをするのに、養育費を受け取っていたらそれは収入とみなされ、支給額は減らされる。

心がすり減る取り調べ。

この謎の取り調べ、きっとひとり親しか知らない。

さすがに今年は郵送対応になると願いたい。

※自治体によってはもともと郵送なとこもあるらしい。いいな。


未婚シングルマザーからのお願い


前澤さんのこの新事業のツイートを見ていると、思っている以上に未婚シングルが多くびっくりする。

わたしもだけど。

前回の記事でも書いたけど、未婚の場合、寡婦控除が受けられず、死別や離婚でのひとり親よりたくさん納税しなきゃいけない。(さすがに今年法改正入った)

養育費も【認知】っていう高い壁が邪魔をする。

だらしない ってイメージを持たれてしまう。

正直どうですか?心のどこかで男にだらしないのかな?

不倫でもしたのかな?とか思ってるひともいるでしょ?

わかってるよ、知ってるよ。

いろんな理由があるんだよ、それぞれ。

そして、子供への『申し訳ない』を死別や離婚より強く感じている。

はじめから父親のいない子を産むって決めたのは自分だから。

だから、自己責任とか自業自得も言われてしかたないと思う。

と、割り切ってるひとが多いと思う。

だから、これは世の中にお願いしたい。

自己責任とか言われるのはどうでもいい。

でも『子供がかわいそう』

この言葉だけは言わないでほしい。

こんなにわたしたちが傷つく言葉はない。

かわいそうな思いをさせないためにがんばってる。

だからこれだけはお願いしたい。心から。


養育費以外にひとり親が望むこと

養育費は子供を育てていくのに必要な資金だ。

でも、この小さな一歩社の事業を利用できないひとり親もたくさんいる。

そんなひとり親が望むこと。

それは【安定した働き口】【周囲の理解】

なかなか正規雇用っていうのはハードルが高い。

収入も男性並に稼げるひとは一握りだと思う。

子供がいても、安定した収入を得られる働き口がこれから増えていくといいなと思う。

テレワークが浸透すれば、少しずつ是正されていくのかなとは思うけど。

あとは周囲の理解。

これは前にいた会社での実体験なんだけど、子供の音楽会だから午後半休したいと言ったら、

『理由が弱いんだよなぁ、たかが音楽会でしょ?』と言われたの。

そう言い放った上司もお父さん。奥さんは専業主婦。

学校行事は奥さん任せ。

夫婦揃ってるなら別にそれでもいいかもしれない。

でも、うちの子にはわたししかいない。

さすがに泣いた。トイレで泣いた。

そのときはひとりで子供を育てた女の上司がとりなしてくれて、無事に音楽会に行けた。(会社に戻ったけど)

結構多い、こういうの。

同情もいらないし、親切心もいらないから、ちょっと想像してほしい。

そのためにひとり親の実情をすこしでも多くの人に知ってほしい。

前澤さんのこの新事業は、本当に賛否両論になると思う。
でも、きっとこの事業内容にとどまらず、ひとり親の雇用に関する事業や支援事業を展開してくれると思う。
ひとり親シェアハウスも前澤さんなら増やしていけるんじゃないかなと期待。
そして、この事業がよくも悪くも話題になれば、ひとり親に関して世の中に知っていってもらえるのかななんて期待している。

まとめ


知ってもらうってことがなぜ大切か。
それは周知されることによって、なぜ困っているのか、何が問題なのかっていうことが可視化されていく。
可視化された問題が、社会の問題だって取り上げられる。
どこかしらの政党がそこを見ようとする。これが大事。ここまでが遠い。
正直、ひとの気持ちなんてわからない。
わたしたちに『石油王の気持ちになってみろ』って言われてもなれない。
それと一緒で、ひとり親の気持ちには政治家のみなさんもなれないの。

たとえば『しんどいな』っていう弱音も、実情を知らなければ『いやいや自業自得でしょ』というテンプレが返ってくる。

でも、それって知らないから何に困ってて、何がしんどいのかわからないからしかたないんだよね。

それがわかりあえないと、

周りのひと→『自業自得のくせにぴーぴーうるさいな』

ひとり親→『なんでわかってくれないのかな?悲しい』

という図式のまんまなんだよね。

知ることで双方にとっていいんじゃないのかなって思う。



前澤さんのひとり親応援基金のアンケートに答えながら、そういえば、こんなの聞かれたの18年ひとり親してて初めてだなーって気付いた。

何に困ってるのか聞かれたことなかったなって。

支援の冊子とかは児童扶養手当現況届と引き換えにくれるけど、聞かれはしなかった。


だから、前澤さんくらい影響力あるひとがこうやって話題にしてくれたことに感謝している。

わたしにはひとを救う富はない。自分の子供で精いっぱい。
でも、なにかできないかなって思う。
うちの子供は来春高校を卒業する。
必然的に『ひとり親』のくくりからは卒業する。
もちろん、進学するのでその学費や仕送りがあるのでここからが大変なんだけど。
自分が大変だったことを生かして、これから子供を育てていくひとり親の生活がすこしでも余裕のあるものにできる手立て、ひとり親家庭の子供の学習環境向上や進学支援など、何かできないかと模索している。

いま、親子で、クノールのスープデリのブラウンシチューパスタ入りにハマッている。
でもこれ、あんまり売ってない。

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128円。
昨日は雨の中、思いつくだけのドラッグストアをふたりでめぐった。
総徒歩キロ数 9.5キロメートル。2.3里。
8ケ買えた。
子供とこうやって散歩できる幸せ。テレワークで得た。
テレワークでひとり親雇用でなにかできないかな・・・。
最近、お酒を飲むとそればっかり考えている。

マイナンバーと全口座紐づけになるみたい。

スーパーシティ構想が小さな一歩踏み出しちゃってる!!!!


子供と美味しいお肉を食べる貯金にさせていただきますっ!!