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在宅勤務、何着てる?

先日、小花柄のワンピースでリモート会議に出席した私に、クライアントが、
「今日はお出かけの予定があるんですか?」
と聞いてくれた。
「出かける予定はないんですけど、気分転換で着てみました」
「そういうの、大事ですよね。わかります」

服装の変化に気づいてくださったこともうれしいし
共感してくださったこともうれしい。

現在、私は、フルリモートワーク。
最近は、家でもなるべくキレイな服装を心がけている。

終日Tシャツと短パンで過ごすこともあるけど、なんとなく、自分の姿にモヤッとする。
誰に見せるわけでもないけれど、きちんとしていたい。
なんとなく、気持ちがしゃんとして、気分がいいから。

「行動の長寿薬」の教え

インドで約5,000年の歴史を持つアーユルヴェーダには、「行動の長寿薬」といわれるアーチャララサーヤナと呼ばれる教えがある。
このアーチャララサーヤナは、「行動するだけで、外見も心も若くなる」という行動規範である。
その中に、「みすぼらしい服を着ないで、美しく装うことで心身ともに若返ることができる」と説かれているそうだ。
なんだか、納得である。

母がくれた「御支度代」

私の母はTPOに合わせた装いが上手で、オシャレだ。
いつも新しいキレイな下着を身につけることも、母から教わった。

下着の買い替えどきって、難しい。
誰に見せるものでもないし、着ようと思えばいつまでも着ていられる。
だけど、新しい下着を身につけると、なんとなく気分がいいものだ。

そんな母が、結婚前に「御支度代」と書かれた封筒をくれた。
中にまとまった金額が入っていて、裏に「一生涯、新しい下着を身に纏えることを祈りつつ 母」と書かれていた。
受け取った私は、母の深い愛に目頭が熱くなった。
こういう母の美意識が、とても好きだ。

たとえサイズは違っても

少し話が変わるが、作家 林 真理子さんのエッセイに、田中みな実さんについて評した一文が登場する。

田中みな実ちゃんが、女性を中心にブレイクしているのは、単に美人で可愛いだけじゃない。
「美容のために、お金と時間を使っている」
とはっきり言っていることだ。
自分に投資して、しっかりとメンテナンスする。いや、さらに上をめざしてお金と時間をかける。効果が出てくる。嬉しい。さらに頑張る。という美の歯車が、しっかり小気味よくまわっているからだ。そしてそれらにかかるたくさんの出費を、ちゃんと自分の収入で賄っていること。それが多くの女性が拍手をおくる理由だろう。
トレーニングやヨガで手に入れたプロポーションに、最新のエステや化粧品でつちかった美肌。仕事で得た人脈や自信。それはサイズは違っても、ふつうの女の子でも手に入るものである。みな実ちゃんは努力を隠さない。方法を隠さない。
(中略)自分の稼ぎで素敵な容姿を持ち、素敵なファッションに身をつつむ。こんな女性こそカッコいい。

林 真理子 著「美女ステイホーム」マガジンハウス 228-229,2020 より引用

これを読んだ方は、どんな感想を持つのだろう。
私は「そうそう!そうなんだよ!」と膝を打った。

みな実さんは、単にキレイなだけじゃない。自分が稼いだお金で、自分に投資する。最新の美容法を真剣に学び、自分の体と向き合う。その姿がなんだかストイックでかっこいいのだ。
林さんが「サイズは違っても、ふつうの女の子でも手に入るものである」と書き添えていらっしゃるところも、ぐっときた。

美への執念もストイックさも持ち合わせていない私だけど、今日も朝から「人に会える格好」でPCの前に座ってnoteを書いている。
窓から朝日が差して、白いブラウスの袖を照らす。気持ちが明るくなる。
誰も見ていなくても、キレイな服を着よう。

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