見出し画像

凸凹事件簿「彼は運動会より、いつもの幼稚園がいいのかもしれない」の巻

転園して一週間だが、運動会に参加した。
「子ども達が体を使って、めいっぱい自分を表現する姿をみてください」と案内があり、上手にやることを目標にしてない感じがして、今年の運動会は楽しめると思っていた。


親子3人で行く予定が、夫は祖母がなくなり葬儀に出席するため、母子で会場に向かった。
開門前に幼稚園に着き、たくさんの人の波に飲まれ園に入る…
はずがムスコはフェンスで遊びだし、なかなか園に入らない。
この時は、遊びたいのか〜仕方ねぇなぁと思っていた。
けど、もうこの時から違和感があったんだね…母は気づかなかった。


まずは教室に行くぞ!と何とか部屋まで連れて行く。
みんなは教室に入るが、ムスコ教室前の大テーブルで遊びだす。
あ、ちょっと緊張してる。顔がこわばってる。
いつもと違う雰囲気だもんな、大丈夫かな?と思った。
今年は補助の先生が付くから、任せておけばいいや!とムスコに別れを告げ、私は観客席に移動した。

開演前ひとりになり、会場の雰囲気を私なりに感じ取ってみた。
先生達は準備で大変だっただろうが、ギスギスやイライラしたムードもない。
保護者も互いに席を譲り合い、楽しくおしゃべりしている。
とても気持ちの良い運動会だなぁ、と楽しみだった。

いざ開演!子ども達が園庭に入場してきた!
ムスコはどこだ?あれ?いない?
ムスコは入場行進に参加してない…胸の奥がザワザワとした。
体操が始まった、ちょっと心配になりムスコの様子を見に席を立った。

ムスコは補助の先生から逃げるように、走り回っていた。
補助の先生も、若干イラついてるのが分かる。
先生はムスコを捕まえ、こう言った。
「約束したよ!みんなのところにいくよ!」
これを見て、あぁやめてくれ!と心底思った。
ムスコと先生のやり取りを見て、その約束は対等な関係で結ばれてないのが私には分かる。
無理やり抱きかかえている。

ムスコは私に気づき「お母さんに滑り台を見せるんだよ!」と言っている。
この運動会のために、長い長い滑り台は外された。
お気に入りのタイヤのブランコも片付けられている。
私はまずムスコの要求を聞いて、自分の要求をしようと思った。
そのコトを補助の先生に告げたが、あまり理解をみせてはくれなかった。
自分のやり方があるのかもしれないが、子どもの気持ち優先で考えてほしいと親は思う。
また登園拒否になるかも…不安がよぎる。

ひとまず外された滑り台のとこに行き、どうなるかなぁと思っていたら…
別の先生が「つぎ、かけっこだよ〜」と呼びに来てくれて、何だか分からないけどムスコはかけっこの集合場所に行った。
この呼びに来てくれた先生は、通園バスの先生だった。
通園バスの中でも先生は、歌や絵本で子ども達を楽しませてくれている。
たった一週間だけど、ムスコはまだ信頼できる先生の言葉を選んだんじゃないか?と思った。


1番になりたい。1番がかっこいいよ。
そう思っていた、かけっこ。
園に来て一週間。
まだまだ振り付けが分からないダンス。
お父さんお母さんがいっぱい見てる。
普段と違う環境。
玉入れだって勝ちたい。玉たくさん入れたい。
園庭もいつもと違って遊べない。

私はムスコのこと、全然分かってなかったなぁ。
彼はとても繊細なんだ。
大人が当たり前だよ、仕方ないよ、とやってるコトを簡単に受け入れられないんだ。
何かモヤモヤしたままでは、前に進みたくないんだよ。


形としては、競技には全部参加したけど。
担任の先生も、ムスコくん頑張りました!と言ってくれたけど。
ムスコは楽しめたかな?という点では、微妙だった。
親の私は、やっぱモヤモヤが残ってしまった。

運動会は午後もあったけど、お弁当食べて終わりにしましょう!と担任からの提案通り、早めに帰ることにした。
その代わり、園から家まで歩いて帰った。
途中にある公園で遊んでみたり、マックでソフトクリーム食べたり。
一旦帰って、大好きなオモチャ屋行って、夜もマックで食べた。
二人でお疲れさん会をして、気持ちよく一日を終えるコトにした。


この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

32,903件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?