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2021年10月9日 19:13
落ちぶれたもんだ。人間の子供に、オオカミ男が飼われるなんて。人間社会に憧れて、わざわざ山郷離れてやってきて、犬と間違われてペットにされるとは。情けない。「はい、晩御飯よー。」むっ!ドッグフードだ。なるほど食ってみるとなかなか美味い。カリカリとした食感。濃厚な香り。くそっ!俺は犬じゃねぇ!「リャン、お手。」なんだ?右手を出せばいいのか?「あら、よく出来たわねー!はい、チ
2021年10月8日 09:00
・・・もう昼だ。ずっと寝ていたのか。起き上がろうとすると、体がやけに軽い。二日酔いのはずなのに。そうか。満月の夜が過ぎたから、体がオオカミに戻ったんだ。「どうしたの?まぁちゃん。あら、立派な犬ね。」「ねぇ、ママ。このワンちゃん、こんなところにいちゃ、かわいそうだよぉ。」「どうしたのかしらね。」「ねぇ、飼っちゃダメ?」「パパに聞いてみないとわからないわ。」・・・体が言うことを聞
2021年10月7日 22:05
オオカミ男って知ってますよね?そうです。満月を見ると人間になるオオカミです。とある山奥で、オオカミ人間が、オオカミの群れで生活することに嫌気がさしてきた話です。「俺、オオカミとしてやっていく自信ないな。」オオカミ男の『リャン』は、満月の光の差す、眺望の良い高い崖のてっぺんで、そう呟いた。「バカモン!」リャンは次の瞬間、後頭部に衝撃を食らった。後ろに立っていたのは、父の『ナーダ』だ