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おとうさんとお義父さん

「葬儀は親戚で色々揉めるから。
長男の嫁は大変だよ」なんとなく聞いてた言葉。
いつかはと思ってたけどその時がきた

お義父さん
わたしが1番長く「おとうさん」と言わせてもらった人。

私は本当に身近な人を失う経験をした事がなく。嫁に来て葬儀のお手伝いくらい。
もう何がなんだか分からずはじまる…


まずはちゃんとお義父さんを見送らないと。
そして旦那の負担を少しでも軽くできたら…
気ばかり焦ってたと思う。

でもびっくりするくらい何も揉めることはなく
旦那の兄妹夫婦、姪っ子達に助けてもらえて。
「その人の人柄は葬儀の時にわかる」
そんな言葉も聞いた事があって
みんなお義父さんにお世話なったからって。
穏やかな葬儀でした
たくさんの花に囲まれて。

娘たちは「じいちゃんの形見なんか持ってっていいよ」と言うとじいちゃんの部屋をごそごそ…
何を持ってくるのかなって思ってた。
「これにした!」なんと持ってきたのは
お義父さんのセーター、ジャンバー、ハンカチ
「可愛いから着るー」って。
これ可愛い??じいちゃんの服着るの?笑
私は??だらけ笑
きっとじいちゃん喜んでると思う

そして私は…牡蠣ナイフ…
お義父さんみたいな綺麗な牡蠣
剥けるようになりますように

そう葬儀場に行くとお花が届けられていた
まずは私が泣く…
直販の発泡に貼ってある住所を眺めて
「全国にうちの牡蠣がいくんだな」って。
美味しそうなユーザーさんの牡蠣料理の
写真を見てニコニコしてたおとうさん

わたゆき牡蠣のもとを作ってくれたお義父さん
お義父さんがずーっとやってくれてた牡蠣
牡蠣を食べてくれた人から
お花をもらえて嬉しいだろうなぁ
同時に私たちも親孝行させてもらったなぁって


でもまだ実感わかなくて。
どうしたらいいのか分からない
お義父さんのカッパも手袋も倉庫にあるし
リビングに行くといるような気がするし声も分かる。私が嫁に来て牡蠣剥きもカゴの修繕も全部お義父さんが教えてくれて。今でも私に口ぐせの「そんなんじゃダメだ」って言われそう
物覚えの悪い私に根気よく何回も教えてくれた

お父さんとは喧嘩もしたし
「うるさいなぁ」って思うことも
あまりに腹が立って「くそじじいーっ」って
言ったら近くにいたこと…笑

私とは価値観も思ってる事も違うひと
でも自分の価値観や正しいを
他の人に押し付けないひと
「食べてくれるユーザーさん」を想像できるひと
孫には特別な笑顔をむけてくれるひと
孫がどんな髪の色になっても
「……かわいい」っていうひと

私にとっては「おとうさん」であり
「お義父さん」

私のおとうさんに
なってくれてありがとう✨

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