《感想》単身花日
【単身花日】
▶︎連続ドラマ
一気見した。かなりよかった。
まさかこんな終わりを迎えるとは思わなかった…というスタートとラスト。
桜木舜の良きパパ・旦那でありながらもどうしても拭えない甲斐性なしな感じをうまく醸し出す重岡大毅。
凛とした美しさの中で精神的な幼さが垣間見えて何を考えているのか分からない桐野花を新木優子が自然に演じる。
ツッコミどころ満載な片山直哉をなぜか違和感なく(褒めてます)演じる田中樹。
笑顔なのに目の奥が笑っていない優しそうでとっても怖いゆり子を演じるのは美人でイメージにぴったりの高梨臨。
物語が進んでいく上で瞬間的にピリリとさせる清水めぐみに唯一無二の雰囲気を持つ長井短。
癒しとともに何かと重要な役割を持つ鳥貝夫婦に前原瑞樹と金澤美穂。
めちゃくちゃ好きな配役だった。
単身赴任で浮ついた舜が初恋相手の花に出会って恋に堕ちて+αでサスペンスという感じだと思っていたけど思っていた以上にがっつりサスペンス寄り。
真実が明かされた時には私にとってはサスペンスというよりただただ悲しい物語になっていたけど。
ずっと舜とゆり子の目線で見ていたけど、全ての真相が解けたときに花と片山を思い、その目線で物語を振り返ると一気に切なくなる。
花にとってこの世界は産まれたときからずっと残酷でしんどい場所だった。でも、舜と過ごした3年間だけはしんどいことさえ忘れられるほど楽しくて幸せな時間だった。
その想いは一般的な初恋やよくある中学生の恋愛とは少し違った感覚で花の中に記憶されているはず。
花にとって記憶の中の舜という存在がいつまでも大きかったんだろう。
舜に対しては想いが大きすぎて美化された部分もあっただろうから再会した時点で恋愛感情としての好きという気持ちを超えているのか、すでに全く違う感情になっているのか難しいしその時々によって色んな気持ちを持つ花がいたのかもしれないけど舜に会えたとき純粋に再会できたことが心から嬉しかったことと、舜がゆり子と花奈(宮崎莉里沙)と一緒にいるところを見て舜とゆり子を同級生の男女として見るのではなく自分の親だったらと考えながら見ていたことだけは事実で、それは片山の言うとおり花にしか分からない感覚だから普通に考えれば怖ささえあるけどそのことの発端は全て身勝手な大人たちの行動。そう思うと身勝手な大人たちのせいでありえないほどの歪みをもってしまった花の生きづらさは想像しただけで異常なものであるし苦しくなった。
怖さすらある謎な片山もまた、そんな歪んだ花を支えないといけないという歪みを持っている。そのことがとてつもなく切ない。
異母兄妹だろうと片山が責任を持つ必要はないし花を支えないといけない理由はない。
ましてや同い年なんだから事情も深く知らずして巻き込まれていったんだろう。
小さい頃からずっと花を守り続けているのは片山が本来持つ優しさではあるけどそれは狂っていることでもある。
すでに事件も起こしているけど、きっと一生花を守らなければいけない呪縛からは逃れられないのだろうなと思うし、その呪縛は片山を悪にも染めるほどの力をもっているからこの先も同じ局面で同じことを選択する可能性は残っている。片山の隣に花が、花の隣に片山がいる限り自分自身では変われないほど染み付いた片山の歪んだ生き方だと思うから。
それもまた切なく悲しい。
大人が勝手をするのは自由だけどそれに振り回される子どもたちがいることを忘れてはいけないし大人の自由を振りかざして子どもを蔑ろにしてはいけない。
花と片山が少しでも多くの幸せに恵まれますように。
私自身、浮ついた気持ちでちょっと遊んじゃうくらいの浮気は許せる派だけど、舜みたいな浮気(法律上の不貞行為かどうかは別として)は許せないので舜はゆり子にたっぷりお仕置されますように。
個人的最高ポイントは【#家族募集します】で別の親子だった重岡大毅×宮崎莉里沙が親子になっているところ、でした!☺️
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