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私はシン・ウルトラマンに怒っている

男兄弟もいないのに何故かウルトラマンをはじめとした特撮コンテンツを与えられていた私。今回の「シン・ウルトラマン」はとても楽しみにしてしていた。

けれど、それはあっさり裏切られた。

ただ「面白くなかった」という感想ならまだ良い。
けれどこの作品は、最低最悪のセクハラ映画だったのだ。

  • 長澤まさみのカメラアングル
    スカートを穿いている女性をそんなに下から映す必要がどこにある?

  • 気合いを入れる時のお尻を叩くアクション
    尻を映したいだけに思える

  • スカートのまま巨大化した長澤まさみ
    下から撮影する男どもが大量に湧いていた。気色悪いしそれを映画の中で誰も咎めなかった。
    そして動画サイトにアップロードされることに「盗撮AV」の言葉が頭をよぎった。

  • 「数日シャワーを浴びられていない」発言の後に行われる体臭チェック
    股間まで嗅ぎそうで怖かった。

どれか一つだけなら、まだ作品の中のノイズとして処理できていたかもしれない。
けれど、これが全て一つの映画の中に詰め込まれていたら、これは意図して長澤まさみ演じる女性キャラクターを性的に消費しようとしているようにしか思えなかった。
そういう意図がないのだとしたら無頓着すぎる。

盗撮シーンが特にキツかった。映画の中では外星人によって動画は消去されたが、実際に女性がやられたらトラウマになるだろう。これを「フィクションなんだから」と言うにはあまりにもお粗末すぎる。盗撮も動画サイトも現実に存在するものなのだから。

斎藤工が長澤まさみの体の匂いを嗅ぐシーンについてTwitterでは「エヴァでもマリがやってただろ」などと言われていたが、シチュエーションが違うしあれこそアニメでフィクションだ。実写で見せられるのとは違う。

「そんなことを言ったら映画の中で殺人などの犯罪も表現できなくなる」などという表現の自由奴がたまにいるが、映画の中の殺人は100%犯罪として認識された状態で描かれている。
例えば特定の人種や民族が差別されるような表現も、その差別という行為が許されないものと理解された上で描かれているのだ。
しかしこの「シン・ウルトラマン」のように、性的なテーマでない映画の中で、特定の性の尊厳をないがしろにするような表現をすることは意味が違う。
映画を作る時に、誰もそれを「おかしい」と言わなかったのだろうか。
せめて劇中で誰か一人、それこそ早見あかりなどの女性キャラクターが「盗撮は犯罪」と本気で怒ってくれたら良かったのに。

楽しみにしていた映画で、こんな裏切られ方をするとは思わなかった。大好きな映画でこんなに怒り狂うとは思わなかった。
世に出されてしまった作品は仕方がないが、私はこれを絶対に受け入れたくないし、許したくない。
タイムマシンがあったら、子供の頃の私に、「令和に公開されるシン・ウルトラマンは決して観るな」と言ってあげたかった。