【連載小説】「緑にゆれる」Vol.20 第三章
結局、そのまま晩ごはんまでいただくことになってしまった。食べつつ、会社が倒産したことを話した。
「同僚のカメラマンが湘南に住んでて、いいよ、っていうから、それもいいかな、と思って。今のところだと家賃高いし。物件、探しに来たってわけ」
チキンのバジル風味のローストをほおばりながら言った。店内には、小さな音で音楽が流れている。やさしいギターのソロだ。
「いい物件、見つかりました?」
「んー、どうだろ。まぁまぁかな」
美晴は、食後の飲み物を用意している。
「ひょっ