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夢でも逢えないおばあちゃんを忘れない


私が初めて、大切な人を亡くしたのは2021年。
父方のおばあちゃんが亡くなった。

おばあちゃんっ子で(こういうのってあんまり自分から言うことではない?)、
そのおばあちゃんのことも大好きだった。
でもある時から、認知症が始まり、
私の知っているおばあちゃんではなくなってきているのが、怖くなって逃げてしまった。
その後、4年くらいは疎遠(年に3回程度会うくらい)になり、心の中に好きなおばあちゃんを
置いた感じで生活をしていた。

だんだんと衰弱していっているのは、
確実に感じていて、
それによりますます、おばあちゃんに
会いに行くことから逃げていた。

そんな時に、コロナ禍に入り、
会いたくても会えない状況になった時に、
そろそろ、、、という時期がきてしまった。

本当にラッキーなことに、私はおばあちゃんの
最期をベットの横で見届けることができた。
(コロナ渦で大変な思いをしていて、
ご遺体にもあえないという状況の中、
申し訳ない気持ちもあった)

衰弱して、徐々に息が小さくなっていき、
静かに、呼吸が止まった。
初めて、人が目の前でなくなる瞬間に立ち会った。

一生分、泣いた。
涙枯れるくらいってこういうこと?!って
思うくらい、
初めてシャワーの中で「嗚咽しながら泣いた」

私の知っているおばあちゃんではないと
思った日から、4年くらいの空白の時を
過ごしてしまったことへの
後悔の涙がほとんどだった。

当時、自転車で20分くらいのところに 
勤務していて、その通勤中、
自転車を漕ぎながらも思い出しては泣いていた。

夢に出てきてほしくて、
どうやったら逢いたい人に夢で
逢えるのかを調べたりもした。
おばあちゃんのことを考えながら寝ても、
思い出のモノを枕の下に敷いて寝ても
夢には出てこなかった。

そんな日々を過ごしていたら、
あっという間に四十九日に。
おじさん(お医者さん)に
「おばあちゃんが夢に出てきてくれない、、、。
本当に出てきて欲しいと思ってるんだけど。」って、話してみた。

そしたら、
「その人の夢に出てきてしまったら、
死期を近づけてしまうことになるから、
出てこれないんだよ」って言われた。
たくさんの死に向き合ってきた
お医者さんのお時間の言葉だからなのか、
なぜかその時に腑に落ちた。

今まで2人で会話もしたことないくらいの
距離感のおじさんに話をしてしまうくらい
必死だったのに、その言葉だけで
納得してしまったのが不思議。

でも、おばあちゃんは、4年以上、
疎遠になって決まった私のこと、
変わらず大切に思ってくれ出るんだって、
心からそう思えた。

一つ、四十九日の後にあった、
忘れたくない出来事を書いておく。

前述したように、私は自転車通勤をしていた。
途中、ボロボロのコンクリートで、
滑ってしまいそうな道がある。 

そこでスリップをしてしまい、
自転車ごとスライディングし、転倒した。
スローモーションで倒れていき、
転倒後はパニック状態になった。
ふと手を見ると、血が付いていて、
余計にパニックに。

車道に倒れ込んでしまったが、
車は通ってなかったから幸いだったと思いつつ、
どうしていいかわからなく過呼吸気味に
なってしまっていた。
そこに、倒れる瞬間を見ていたであろう、
タクシーが停車し、ドライバーさんが
声をかけてくれた。

「救急車呼ぼうか?」と言われ、咄嗟に
「どうしたらいいんでしょうか?どうしましょう。」と伝えて、少し沈黙が流れた。

そしたら
「呼ばなくても救急車来たよ」と言われた。
後ろを見たら、
ほんとに救急車が来ていたのだ、、、!

後から聞いた話だと、病院に患者さんを
搬送した帰りだったらしい。

2年、通勤していて一度も、
救急車とすれ違ったことなんてなかったのに、
このタイミングでちょうど救急車が
来たなんて信じられなかった。

私は、この出来事をすごく都合よく解釈して、
亡くなったおばあちゃんが
呼んでくれたことにさせてもらっている。

そう信じることで、おばあちゃんとの
つながりを感じられた。
今は、時間が経って、涙が出るくらいに
悲しさが込み上げてくることはないけれど、
夏休みにおばあちゃんの家に行った時の記憶や、
家では観ることができなかった
「エンタの神様」を一緒に観たりした、
おばあちゃんとの何でもない日を思い出して、
胸をきゅーっとさせている。
(今思い出に浸って涙が滲んできた、、、)

記憶の中の映像をできることならば、
動画にしてまとめて、
いつでも観れるようにしておきたい。
そんなことはできないから、
何度も何度も繰り返し再生して、
匂いや感覚までも一緒に覚えておきたい。

記憶の中でいつでもおばあちゃんに
会えるようにしておきたい、、


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