大切な事は目には見えないから、どうやって見つければいい?その3
星を巡ってゆく王子が、大人って変わっている、おかしいと思ったのはどうしてなのでしょうか。
「少なくとも、王さまやうぬぼれや、ビジネスマンそれに、酔っ払いよりも愚かしくはない。・・・・・・ 少なくとも彼の仕事には意味がある。14章」との彼の仕事とは、街路灯点灯人でした。それはどうしてなのでしょう。
星の王子さまがいたことの証明をした第4章には、数字は、意味の無いものとして語られています。
「でも、生きることを理解している私たちには、数字なんてどうでも良いことなんだよ!」
「わたしは、数字以外には興味のない様な大人になっていった。」
王子が語る数字とは大人の理解方法の象徴です。
「やつらは市場で全てのものを買っている。でも、友達を売っている市場はない。人間はもはや友達がいないんだ。もし、君が友達が欲しかったら、おれと仲良くしないか? そうキツネは言った。21章)
ここでは、市場は数字化出来るものの象徴、数字という価値付けによって成功や失敗が繰り返して行われるものである。勝ち組とか、自分の欲望を満たすだけで、私たちは満足な人生を送ることができるでしょうか。自己愛だけではなくて、他人への関わりの中で、誰かのために生きることが、人生を豊かにし、生きる意味を作り出して行くのではないでしょうか。それは、人はパンだけで生きるものでは無いという感じ。パンが要らないと言うことはありませんけれど。
自分にとっての欲望を満たすもの、利益があるもの、便利なものだけを選び取って行くと、独裁者のように自らが生きる世界に生きる意味を喪失し、自分自身を狭く貧しくさせてしまう。
王子は旅をする中で、苦悩を無くするものを探そうとしたのではない。5000ものバラが咲く庭で見つけたのは、どれだけ沢山のものを調べても、急いで探しに出かけても、得られないものだった。
それは、バラとの苦悩の中で見つけた、絆だった。それは、遊園地のゴンドラの中でつくられるものでは無くて、苦しみの中から互いの選択としての絆に気が付いたのでした。
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