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大切な事は目には見えないから、どうやって見つければいい?その2

「おとなって、変わってるな。どう考えてもおかしい。」
 と、大人の話の度につぶやく王子でした。

トルコの天文学者にまつわる話し。(4章)
星を支配する、王さま。(10章)
褒めてくれる人を待っている、うぬぼれや。(11章)
王子を憂鬱の底まで沈めた、よっぱらい。(12章)
星を持っているとお金持ちになる、ビジネスマン(13章)
点灯人が街灯を消すのは花や星を眠らせることだ。
それは本当に役に立っている。(14章)
花については地理学では記録しないのです。それは、近いうちに消えて、脆いものだと言うことです。(15章)

 ひとりの大人の中には、こう言う人たちが住んでいます。誰にでも、どの時代にもです。他人にどう思われているのか、そればかりを気にしている「うぬぼれや」もまた、私たちの中の住人であるように思います。
 noteで「スキ」が付いたら大喜びしています。

 他人の尊敬と認知は自分自身への愛と同じものなのだ。
「人間の最大の卑しさは、名声の追求にある。しかし、まさにそれこそが、人間の卓越さの最も大きなしるしなのだ。と言うのも、人が地上でどれほどのものを所有しようと、またどれほどの健康と快適さを得ようと、その人は、人びとから尊敬されていなければ満足できないからだ。パンセ断章404

大人の卑しさを揶揄しているようにも見える、これらのエピソードはそれらを排除していい大人になりましょうというものでは無く、それらは無くしては生きていけないほどにも、私たちにとって重要なものと思います。これらを一言で言うと、欲望であり自己愛では無いかと思います。

しかし、こうした欲望だけでも人は生きていけない。空しさはぬぐえない。
欲望の充足が気張らしである間だけ、幸福にたどり着けない不幸に気晴らしになるというのである。
 「一戸建てを建て、やたらに「拙宅では」と口ばしりたがる、あのブルジョアが発する臭いがするのだ。パンセ断章43」

星の王子さまが自分の星に帰った後、大切なものは目には見えないということを知る者、絆で繋がれた者たちにとって、時に星が笑うことを知るものとなりました。愛と信頼を持っている者にとっては、一本のバラや一掬いの水の中に、生きる上で大切なものが何かを見ることが出来ると言うのです。

 王子が見えない風景
なんて淋しい。でも、「大切な事は目にはみえない」のでしたね。
こんなにも淋しいわたしは、もう一度、絆にまつわるお話を読み直す必要があるようです。



 王子が星に帰ったあとの風景

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