【仕事×育児】考察 〜その1

子どもたちのお下がりを引き取りに、お友達夫婦が遊びにきた。

彼女は育休があけたばかり。5月から職場復帰をしたけれど、ベビちゃん、さっそく園からいろいろもらってきて、1週間もまともに保育園へ預けられなかったそう。

現状も現状だけど、なんだか夫婦間に流れるお疲れの空気・・?

「こんなご時世だし、産休育休のお休み期間中辛かったこととかなかったですか?」

というわたしの質問に、ちょっと考えて、「別になかった」と答えた彼女。

でも実際は、夫婦間の溝というか、すれ違いが起きている雰囲気を感じて、LINEしてみたけれど・・・夫婦間のそういうのって友達に言いにくい。少なくともわたしも彼女もそういうタイプ。皆まで言わないし、聞かないけど、実際つらそうだった。

彼女の様子を見ていて、ちょっと前までのわたし自身の内にある黒いものを思い出し、仕事×育児についてちょっと考えてみたので記事に残しておく。

*****

2人の未就学児を育児中の我が家では、2回ともわたしだけが育休を取得。里帰り出産もしなかったけれど、旦那さんはわたしの出産前後で有給休暇を利用して(ほぼ毎日数時間出社とかしつつ)わたしのサポートをしてくれた。

職場復帰後はわたしだけが時短勤務。旦那さんは20時までにはだいたい毎日帰ってきてくれる。土日はお休みで、基本、単独ではなく家族単位で行動してくれる。

妊娠中は一緒にパパママ学級とかに通ってくれたし、わたしのズボラ家事にも適当育児にも文句一つ言わないし、実際いい旦那さんだと思う。

でもね。

不満とすれ違いはものすごかったのよ。マジで。


なにが?と聞かれても、ほんの小さな不満がちょっとずつちょっとずつちょっとずつちょっとずつ、インクのシミみたいにジワジワ広がっていって、気づいたときには真っ黒になってた。
これじゃまずい、と、2人して軌道修正をかけようにも、根本解決にはならなくて、打開策を試みてはうまくいかなくて余計ダメージを食らう、という負のスパイラル・・・
わたしも「具体的にこうしてほしい」というのも言葉にできなくて、話し合いもうまく行かない。
旦那さんもわたしの怒りのオーラが怖いのか何なのか、話しかけてくること自体が減ってくる。


こんな我が家の状況が変わったのは、皮肉にもコロナウィルス感染症の流行がきっかけだった。
感染症予防対策で、旦那さんが時差出勤OKになったのだ。
これまで保育園への2人の送り出しはわたし1人で頑張るしかなくて、しょっちゅう「あと5分」が間に合わなくて、無駄に半休休暇を使うはめになって。
これが結構なストレスで、毎日毎日イライラしては子どもたちに言葉の暴力を浴びせていた。


本当にひどい母親だった。


それが、旦那さんが10時出社でOKになったおかげで、送り出しを2人で行えるようになったのだ!
こんなことで?と思うかもしれないけど、これは本当に大きかった。子どもたちも喜ぶ。わたしたちも余裕ができる。いいことしかない。
それによって業務効率が下がったかといえば、むしろ上がる要素しかない。こんなにも気分良く朝のスタートを切れるのだから。

わたしにも、旦那さんにも、「夫婦揃って子どもたちを保育園に連れて行く」ということ自体が発想になかった
それをするには旦那さんも時短勤務契約にするしかない=ありえない と思いこんでいたから。


・・・でもね。ここで強く言っておきたいのが。

実は、会社は「未就学児の養育期間にある従業員に対して、始業時間を融通するような措置をとる」ようにと、法律で努力義務として定められている。
(育児・介護休業法)

つまり。
別に、コロナなんかなくったって、10時出社希望を会社に申し出てOKだったのよ。

それすら知らずに、ただただストレスをため続けていた。


世の中の会社では、そればかりとは言わないけど、従業員個人の幸せよりも業績の安定が第一。それは間違っていることではない。
働く方も、会社が面倒なことを一切してくれるから、それによる恩恵ってなかなかに大きい。税金とか公的保険、年金の手続きとか、全部おまかせできるからね。

だからこそ、知らなきゃいけないことを自ら知りに行こうとする人って少ない。言われるがまま、やってもらうがまま。
雇用保険とか健康保険とか、自分が不利益を被らないために めちゃめちゃ大切なことを法律で決めてくれているのに、その制度をちゃんと理解して ちゃんといい方向に活用している会社・従業員は意外と少ない。

心底もったいないことだと思うし、
同時に、
だから活性化されないんだよ、と思う。

自分たちのためにある法律なのに、活性化させなくてどうするの。

育児・介護休業法なんてまさにそう。
子どもを授かって産んで育てることと働くことを両立させようとしたときに、どうしてこうも難しいんだろう。
守ってくれるための法律は少しずつ整備されつつあるけど、「そこじゃないんだよ」が多すぎる。及び腰の「それじゃ変わらないよ」が多すぎる。

この1年で本来の業務内容を満足にできない分、効率の良い働き方についてたくさん考えることができた。
育児にまつわる公的な保障についても学ぶことができた。
(まだまだ途上だけど)

頑張って働いて、頑張って育児して、一生懸命生きているだけなのに、不利益をこうむることが増えるってなんかおかしくない?


仕事×育児=歯を食いしばるしかない、なんて、絶対間違ってる。


来年度から育休もちょろっと改正が入るようなので、これについては別記事で考察していきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?