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東北新幹線は郷愁ちゃんを乗せて

福島を過ぎて、宇都宮を通る。 このあたりから陽射しが変わって、関東の空になる。 私はやっぱり東北の人間なんだなと肌で感じる二日間だった。 今回の旅は仙台まで。 行きの新幹線は生まれ故郷の盛岡行きだった。 『盛岡』の文字を見ただけで心臓がギュッとなる。どういうギュッなのかはうまく説明ができないんだけど、単純に帰りたいとかさみしいとかそれだけでなく、日常だったのに今は違う、今は遠いことに感じる違和感のような。 今暮らす場所に移り住んだ数年前は、 こんなとこに永くはいたくない、絶

    • 海のある街、運命の場所

      #わたしと海 私は海のある街で生まれ、記憶もないうちに隣県の内陸部へ移り住み、 それからずっとそこで育った。 私にとっての故郷は生まれた場所よりも青春を過ごしたその街で、大好きな場所。私はそこから出ようとはせず、 大学も就職先も「地元」を最優先に選んで、 とにかくずっとずっとそこで暮らしていた。 海まではどの方角へ行っても2〜3時間かかる。 でもなぜか海(や、水族館)が大好きで、 それは生まれた頃の記憶、ないしは胎内記憶によるものかも、なんて思っていた。 結婚したときもそ

      • 都会では冬のにおいも正しくない

        東北から関東へ引っ越して二度目の冬。 故郷とその周辺からは雪の便りが届いている。 窓を開けなくても外の雪がどんな様子か分かる、しんっとした冬の夜。 ああ、明日は何時に家を出れば間に合うだろう? 車から雪をおろす時間を逆算する。 雪かきは少しでも気温の上がった午後でいいか。 去年の12月、初めて迎えるこちらの冬に、 いや、私の体感では冬がきておらず、ただただ時差ボケのように季節感がバグっていた。今、冬なの?かといって秋や春でもない。 それなりには寒い。 でも、雪が降らないとか

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