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マーケティングとは


私はマーケティングの仕事をしている。
事業会社のマーケティング職ではないが
日々様々な商品のマーケティングに携わっている。

大学の専攻もマーケティングだったので
記憶の残る限りでは高校2~3年生の頃から
興味をもっている分野だ。


「マーケティング」とは一体何か。


日本マーケティング協会の定義によると、
”マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である”

だいぶ丸い表現だが、
私が端的に言い表すとしたら
≪売れる商品を作る仕組み&商品をより売る仕組み≫
だ。

基本的には、企業の利益を追求するために
商品と消費者に対して働きかけを行うのがマーケティング。

ただ改めて定義を見て気付いたのだが、
マーケティングは営利組織だけのものではなく、
非営利組織にも適用されるものらしい。

確かに、いくら代金は貰わないとしても
与えるという活動が発生する以上は
与えるものが”ニーズと合致するもの”でなければ意味がない。


そういう意味では、
・ターゲットを知る
・ニーズを知る
・提供する製品・サービスを作る
・どのようにそれを届けるか考える
というマーケティングの基本的な考えは
多くの人間活動に適用できるのではないか。


つまり、マーケティングは事業者だけのものではない。

例えば、友達に誕生日プレゼントを贈りたいとき。

その友人は何が好きなのか。
化粧品?アクセサリー?物よりも体験?
アクセサリーなら金属アレルギーはないか?
普段何色の洋服を好んで着ているか。

誰もが自然と考え時には実際に聞いていることが
実は立派なマーケティングリサーチだ。

届け方の検討・選択もしている。
いきなり自宅に郵送して驚かせることもできれば、
仲の良い友人グループでパーティーを開き
その場で直接手渡すこともできる。

共通しているのは、「相手に喜んでもらいたい」
という気持ちだ。



一方、事業者のマーケティングはどうだろうか。

「サービスを通じて社会と人を豊かにする」
「商品によって人々の笑顔を生み出す」
などをビジョンに掲げる会社・組織も多い。

ただ、事業者の場合は
利益を追求しなければいけない為、
いくら消費者が喜ぶとはいえ
「消費者に喜んでもらいたい」
ばかりを考えていられないのがジレンマだ。

今の仕事をしていてよくぶちあたる壁がある。
売れる商品とは多くの利益を生み出す商品であり
従って大衆に受け入れられる商品と言い換えることもできる。

万人に、美味しい・便利・こんなのが欲しかった
と思ってもらえるのが一番良い。

確かに正しい。
正しいが、本当にそれだけを目標に製品開発をしていくと
スーパーやコンビニの店頭は同じような商品で埋め尽くされるだろう。

ゆえに、他社が着目していない視点を得ようとリサーチをかけ
”新規性がありかつ大衆的ニーズと合致する”
商品を作ろうとする。

しかし実際は、みんなが困っていることが何なのか調べるのも難しいし、
見つかったとしてもその多くは現在市場にある商品で解決されるだろう。
だからこそ、事業会社(特に消費財)のマーケティング担当は
日々頭を抱えているのだと思う。

ふとスーパーやドラッグストアのお店を思い返してみると
欲しいものはほぼ全てそろっている。
他の先進国と比べても品質・ラインナップともに最高レベルだろう。


我々消費者はこれ以上何を望むのか。

望むことが100あれば、それを叶える商品やサービスも100なければいけないのだろうか。

消費者の"望むこと"をあの手この手で調べている身で言うのもなんだが、
商品やサービスで消費者を本当の意味で豊かにすることは
どこまでできるのかと考えさせられる。

時々そんなことを思いながら、
それでもなお、「売れる商品とは何か」「この商品を売るのはどうしたらいいか」
を毎日必死に考えている。


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