詩: 永劫回帰
悪意のない尨大な生き物
顔は見えない
そんな生き物の足元に私は奉じていた
宿世結びに気を取られ
その世の記憶は曖昧で
それでも身体を触り合う度に
幸せの智覚はあった気がする
そんな睦まじい日々に終止符が打たれたのは
突然の話
ある日
突如として
その生き物の大きな足に踏み潰された
そして今世
数少ない記憶の中の
致命傷を勲章にして
尨大な生き物として目を覚ました
足元に佇む小さな生き物や
自分と同じ丈の大きな生き物
私はそれを差別することなく
地に足つけて
足元にも心を砕き
豁達な心を持って
生きていきたい
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