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【Blender】フォトリアル系の服(スカート)の作り方が分かった【結論】

Blenderでマーベラスデザイナーのように型紙を縫合してスカート(というか服全部)を作ろうと画策して早数年一向にうまくいきませんでした。

だけど、考え方を改め、やり方を変えてみてすんなりうまくいったのでメモとしてシェア。


服の形

まず、前提としてこういう系の服を作ります。

名前が分からないけどワンピース?じゃないかも?ドレスっぽいあれ

【結論1】Garment Tool 無し

アドオンのガーメントツール(Garment Tool)はいいところもあるけどやはりかゆいところに手が届かず使いずらいのと、使い方を学ぶのに時間がかかるので結構罠ツールだと思います。結局2年以上たっても手元に完成したデータが揃わなかった。

補足
ガーメントツールはシュミレーション後の形が想像できないときには使いにくいですが、簡単なパーツとかは作りやすいと思います。特に円弧を描くものの作りやすさはピカ1かも。得手不得手がはっきりとある。

【結論2】ベルトからスカートを伸ばす

長年いろいろたどってきて結局のところ、ベルトを作り、そこからスカートを伸ばして広げて、真上から見て円にして、少なく分割して、ベルトを固定して、布シュミしたら簡単にできました。↓画像について説明します。

1.左上 は完成形です。シュミレーションのいらない部分(胸カバー)は、問題の切り分けとしてベルト(=スカート)と分けて作ることで、シルエットを見ながらシュミレーションがいる部分の作り直しをしやすいと思います。その時肌が見えると一体感が分からないのでベルトを胸方向にも少しだけ伸ばしています。(三角メッシュとかになっていますが、普通に円柱をシュリンクラップして頂点を整えた方がいいですね。)

2. 右上は1のソリッドモードでの表示です。

3. ベルト部分を作ってスカート部分を「E+Z」で伸ばしてから「S」で広げて「s+z+0」でまっすぐにして揃えます。(確かそんな手順だった気がする。)
そのあと、横の分割をします。
スカートは縦に分割数が多く、横の分割は少ないというのがポイントです。(横分割を少なくしてローポリにしないとぐちゃりやすく落ち着くまで待ち時間が長くなる)

4. 3を真上から表示したものです。カーブの円(かもしくはメッシュの円柱の方がカクカクしていてそろえやすいかも)を置いておいてそれをガイドにしてスカートの端をそろえればきれいなスカートになりました。

(真上から見てきれいな円にしないとドレープがきれいに等間隔にならないかも。例えば、真上から見てベルトをそのまま伸ばすとおなかとお尻方向につぶれた円になるけどそれだと、布シュミかけると横方向に布が余ってドレープになり、おなかとお尻方向の布の余りが無くてドレープが生まれなくて平らになり立体感が生まれない。)

5.ベルト部分を頂点グループにしてシュリンクラップをして、布シュミレーションの固定グループに登録して、シュミレーションをすれば簡単に完成形みたいに出来ます。
a. ベルト部をシュリンクラップで肌に少し浮かせて密着させるのがポイントです。
b.ベルト部をシュミ設定の固定グループに登録して固定してしまうのがポイントです。

フリルも全く同じ
肩のフリルとかも細くベルトを作ってそこからフリル部を延ばしてベルト部を頂点グループ固定して、フリル部をクロスシュミで何パターンも試すやり方でできる

▽ 布シュミレーションの設定

固定グループにベルトの頂点グループを設定済み

(スカートの分割数に依存しますが)スカートのクロス設定はこんな感じでプリセットの綿で行けました。コリジョンは0.1です。
服はシルエットが見えるように無彩色系(黒色)がベター。

▽ トルソの設定

トルソ(人形)はデシメートをかけて適用しておけばFPSが上がります。布シュミレーションのFPSを上げるには総メッシュ数が少ないほど良さそうなので、布シュミする専用のファイルにした方が良いと思います。デシメートを適用したローポリのトルソだけをアペンドした新規ファイルを作った方がいいかも。

▽ 派生

縦の分割数を増やせばドレープを多くできます。シュミ設定は全く同じです。違いは縦の分割数と、ベルトの幅とスカート丈だけです。

【結論3】シルエットを見て調整


問題の切り分けや、シルエットからの調整として、1つの服を一度に作ろうとするのではなくて、パーツごとに作り、位置や大きさ、向きを調整してこれでOKとなってから手で縫合(頂点を面はり)して一つのオブジェクトにする。

結局3Dで制作をするのはこの分割の方法が最速なんじゃないか?と個人的に思います。服に限らず。


その他小話

ガーメントツールかシンプリークロスかで超迷い、結局ガーメントツールを購入して早数年。上にも書きましたがうまくいきませんでした。

その原因はいくつかありますが、使ってる方が少なくて詰まると自己解決するのに数か月かかるとか、モチベが続きにくいとかです。

でも今はほぼちゃんと使えるようになってきましたが、その立場からして結局スカート製作に関してはローポリで作ってちゃんとベルトを固定してシュミレーションかけるだけの方が簡単で速いとわかりました。

(ここだけの話、ガーメントツールでスカートを作ろうと努力してきましたが、シュミレーションと型紙との関連性が直観的にわかりにくくて何度も往復するのですが、頂点数を変えるとバグったり、ピンを使うとBlenderが落ちたりと踏んだり蹴ったりです。)

罠ツールを使ってモチベ崩壊して自滅しないようにここに書いておこうと思いました。
Blenderはローポリの編集モードが最も進化洗練しており、布を型紙から作る方法には進化していませんので場が整っていないです。これが結論

どうしても型紙から服を作りたい人はガーメントツールではなくてマーベラスデザイナーを使った方がちゃんと作れると思います。マーベラスデザイナーは数か月触っていたこともあります。が、プロ基準のツールなので有料(しかも結構する)です。なので趣味人はブレンダーでローポリ制作でまずできないかを考えた方が無難かなと思います。というかローポリしかやっちゃダメレベル。

Blenderでローポリでまず作る。それを布シュミかスカルプトで布ブラシで本物っぽくする。これがいいのかも。
新品の見た目カチコチを作ってスカルプトでこなれた感じに崩していく。

スカルプトモードは2番目に進化洗練されているとは思いますが、それは通常の粘土的な物の制作だけです。布ブラシはあるっちゃあるレベルなので、スカルプトモードで布制作し始めない方が無難だと思います。(布を本物っぽく見せるためには頂点数を多くしないとなりませんが、頂点数が多いとクロスシュミレーションが激遅になるので矛盾します。いきなり本番製作をしないでローポリテストバージョンで何パターンも試してみるということです。)

【総括結論】
まず編集モードからのローポリ。それに対して頂点グループの固定をうまく活用した布シュミレーション。その後、マルチレゾでメッシュを細かくしてからのスカルプト布ブラシという流れがうまくいきそうです。


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