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株式会社パーシヴァル 代表取締役CEO "川辺友之"さん

都市と地方の循環をもたらすファンドレイジングプロデューサー“川辺友之“さんにお話を伺いました。

川辺友之さんのプロフィール
出身地:大阪府大阪市
活動地域:大阪府
経歴:1990年 大阪星光学院高校卒
   1994年 慶應義塾大学 経済学部卒
現在の職業および活動
株式会社パーシヴァル 代表取締役CEO
クラウドファンディングの運用と活用のコンサルティング
座右の銘:「念ずれば、花開く(阪神 野村監督)」

"高校では野球をしていましたが、将来は起業したいと思い、新しいビジネスを探していました。"


Q.今の仕事をされたのはどんなことがきっかけでしたか?

川辺さん(以下、川辺)高校時代から日経新聞を読み始めました。毎朝7時半から日経新聞を読んで8時から学校に行きました。高校では野球をしていましたが、将来は起業したいとおもい、新しいビジネスを探していました。1990年に慶應義塾大学に入って、1994年にインターネットが入ってきました。「これや」と思って、1996年にネットを繋げてホームページを作りました。そこが原点となり1996年にはメールマガジンも書いてました。「インターネット市場調査網」というメルマガで、アンケートを読者に書いてもらい、企業に販売していました。そんな時に兄貴が「家業大変やから大阪に戻ってきてくれ。今しか親孝行できへんぞ」と会いに来て言われました。それが1998年3月。家業に戻ってきたら大変な状況でした。

祖父が生地屋さんに丁稚奉公に入って、戦争から帰ってきて起業したのが事業のルーツです。その時に黒色の生地に絞りました。黒だったら在庫にしても売れ残ることはないからです。そして、2代目の親父は生地屋からアパレルに変わり、礼服、タキシードを製造して卸をする会社を作りました。バブル期には大手スーツ店に卸しました。バブルまでは良かったのですがバブル崩壊し、国内生産に重きを置いていたため価格競争に負け一気に仕事がなくなり、膨大な借金が残りました。

その危機をなんとかするために自分はインターネットのネット通販でトライをしました。BtoBではなく、BtoCに特化しました。一方兄と父は本社を改装して、結婚式場をはじめました。なんとかキャッシュを生み、手形にまわしていきました。家族仲が良かったので一致団結してのりきることができました。

しかし、母親は5年間休みなしで働きすぎてすい臓がんで亡くなり、2015年姉も亡くなりました。借金したのが悪いのですが、当時の銀行の対応など様々な経験から、そういう苦しみを他の人に味あわせたくないと思い、大阪の中小企業の仲間に学んだことを教えました。こうしたらネット通販うまくいくよ、こうしたら会社を再生できるよ、と。

2007年にランチェスター経営と出会い、それで生き残れました。ネット通販は右肩あがりで成長しましたが2007年にとまりました。広告をうって売上をとることはできますが、ふたをあけたら赤字になっていました。ネット通販は新規を狙います。ランチェスター経営では、新規は大事だがファンづくりをしましょう、リピーターを大事にしようということで、生き残ることができました。年間1200万つかっていた広告費を0にしました。それをなくしたら利益は残りました。

「自社の強みは何やねん?」と考え始めました。一部の自社製造できることだけに絞って、売上はあがらないけど、利益を残す体制にできました。その教えをまたまちカレッジで語って仲間に伝えます。その後、facebook等のSNSが出てきます。そして、クラウドファンディングがきました。2013年くらいから勉強を始め、Faavo大阪を運営しはじめたのが2014年。うちも新しい商品を作ろうとしたときにクラウドファンディングを実施しました。

通常新しい型紙をつくるのに50万かかります。自分のアイデア、妄想をお客さんに言うんです。先に5万円頂戴、2,3カ月後に作って返すから、と。それではじまったのが真田幸村スーツです。六文銭がないと三途の川をわたれない。持ってるからいつ死んでも大丈夫、という勝負服。現代の侍はビジネスマンです。すると「こんなスーツ待ってました!」と50人が5万円を出してくれました。

”参加する体験がしたい。どうやってできあがっていくか一緒に見たいというニーズがあるんです。”

Q.その出来事から、どんな気づきがありましたか?

川辺 ビジネスのながれが、モノ売りから、いかにファン作りをするか?に切り替わっていきました。ファン作り→facebook→クラウドファンディングの流れがあり、資金調達には「おもしろい」ことが重要です。利己的なことを言っているとみんなのってこないけど、故郷や地域を元気にするという内容はみんな共感します。それがクラウドファンディングです。できあがったものに興味はない、一緒に創れるなら参加したい。参加する体験がしたい。どうやってできあがっていくか一緒に見たいというニーズがあるんですね。

"三方よし、社会貢献できる、誰もやってないこと、この3つが重なったときおもしろい!楽しい!と感じます。"

記者 川辺さんにとって、商売とはなんですか?

川辺 三方よし、社会貢献、誰もやってないことこの3つが集まったときおもしろい、楽しいと感じます。常に先端を行きたい。誰かがやっていることはもういいと思います。新聞を読むのは宝探しです。おもしろいことを友達に言いたい。それが自分の役目だと思っていました。みんなでおもしろいことをやりたいというのがあります。それがあとあと商売になる。売上をどうのこうのというよりも、人が集まったら自然とお金がついてくる。人を巻き込めるかにポイントを置いています。

"地方を活性化したい。自分にはそれが生きがい、やりがいを感じています。"

Q.その気づきから、どんな夢を描くようになりましたか?

川辺 
自分の夢はIPO。親孝行はしたと思ってるので20年前に戻って、自分の強みを見つけて、仲間に聴いて、どうしたらいいねん?と。こっちがクラウドファンディング教えるので、ベンチャーキャピタル先教えてと聞いています。そうしながらビジネスアイデアを磨き、徐々に軌道修正して突き抜けたろうと思っています。

今の地域課題に対して、経営者はトライしていくべきと思う。地域の課題がクラウドファンディングにはいっぱいきます。古民家再生、商店街、空き家等。日本の良さはなにかといえば、地方だと思います。都会はどこでも同じ。田舎に日本の良さが残っていて、今風にリノベーションして、情報発信していけばいいと思います。地方の人は情報発信の仕方を知らないので教えることができます。インバウンドで外国人がきて地方を活性化したい。自分にはそれが生きがい、やりがいと感じています。

"ゲストハウスに泊まることが地方創生になる!"

Q.その夢を達成させるために、どのような計画を立てていますか?

川辺 IPOは、投資家を集めること。志をわかってくれるエンジェル投資家を引っ張ってこれるのが自分の力です。古民家再生、リノベーションし、ゲストハウスを創る。今、その予約サイトをつくっている。「ホテルはつまんない、ゲストハウスに泊まろうぜ。」をいかに伝えられるか。IPOには5年を見てる。予約サイトを現在作っていて、そこにステキなゲストハウスをのせていく。今のゲストハウスの予約サイトは部屋が中心だが、これからは人です。こんな人が頑張ってるよというのを紹介したい。

第二、第三の故郷を創る。地域地域に友達ができる。ホテルじゃつまんない。ゲストハウスに泊まることが地方創生になると訴えていく。会いに来たついでに泊まる。なんか起きるかもと思って泊まりに行く。そんな事業を作ります。

"新しいのを建てるのではなく、今あるのを使ったらいい。そうすることで、地域格差が広がらないと思っています。"

Q.その計画を達成するために、日々の行動はどのようにされていますか?

川辺 今、ゲストハウスしか泊まってない(笑)昨日は東京の赤坂に泊まってきました。そこは醤油問屋をリノベーションしたゲストハウスで4000円。50人の相部屋です。50人じゃ寝れないですわ(笑)やってみてわかります。そういう体験を情報発信していく。自分は時代の先端いってる!先にこんなんやってるって言いたいんですよね~

新しいのを建てるのではなく、今あるのを使ったらいい。そうることで、地域格差が広がらないと思っています。

記者 ホテルにはなくてゲストハウスにあるものは?

川辺 わくわく感。ホテルにはワクワクはない。ゲストハウスはワクワクがある。それをわかりやすく紹介するサイトがない。自分の好きなゲストハウスを探せるサイトを作りたい。泊まるだけじゃなくて、周りの体験が大事と思うのでひっつけたい。あそこは、居酒屋付き。ピザがうまい。日本酒の蔵がある。温泉がある。そういうので選ぶもできる。そういうカテゴリから行先を決める。半分日本人、半分外国人を想定しています。しっかり日本人のファン作りもしていきます。

”あきらめんな!絶対道がある”

Q.どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?

川辺 先生、メンター、師匠との出会いが大事です。経営者は孤独ですから僕にとって佐藤元相先生との出会いは大きい。いつでも相談できるという安心感があります。いつもウェルカムで笑顔で出迎えてくる。そういう方に出会えたのはラッキーです。あと、人を育てていくことが好きです。社員の酒匂さんはめっちゃ変わりました。今は売れっ子の先生になっています。そういう成長がみれるのが楽しい。最初はダメな社員でもコツコツと教えていくと成長する。これは野球からの学びですが、一人の人は、良い所、悪い所あるけれど組み合わせ、補うことによって、いいチームができる。こっちが得意で、こっちが苦手でいいと思います。ぜんぶがうまくいくスーパーマンはいない。お互い助け合おうというのが根本にあります。

またいいもの持ってるのに一人では気づかないけど、メンター的な人がいるとそれが武器として設定できる。そういう気付きの機会をたくさん作っていきたい。

野球での話ですが8対0で負けていたのを逆転した成功体験があります。だからビジネスでもあきらめない気持ちが付きました。

"作業をするな、仕事をしよう"

Q.これからはAIが活躍する時代と言われていますが、AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか?

川辺 
常々、社員には作業をするな、仕事をしようと言っています。仕事とはクリエイティブ、アイデア、妄想しよう、お客様との接点を増やす、コミュニケーション、情報を引き出す。自分にしかできないこと、楽しむこと。長時間働いても楽しかったら疲れない。どこに仕事の目的をもっていくか。どれだけお客さんに喜んでもらったかに基準を持っていけるかが大事だと思います。

”都会と地方を行き来するのが美しい時代”

Q.今後どんな美しい時代を作っていきたいですか?

川辺 都会と地方を行き来するのが美しい時代だと思う。働くときは都会、週末は田舎で過ごす。二拠点生活を本気でやることで本来の日本に戻る。今、結婚式はチャペル婚から神社婚に戻ってきている。子供の教育にとっても田舎を感じるのは良いと思います。若い世代が日本の自然の山、川、水の価値に気づき守っていくことが将来世代に繋がっていくと思います。

記者 川辺さんにとって野球とは?

川辺 原点。野球からチームワークの大切さ、人をどう活かすか学んだ。勝負とは何かを学んだ。いろんな自分に飛んでくるボールをどうやってヒットを打つか、たまにはホームランを打ちたい。これらはビジネスでも同じ。全部が野球。野球もビジネスも「心・技・体」全てがないとうまくいきません。

記者 川辺さん、本日は大変胸に響く貴重な素晴らしいお話をありがとうございました!

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FAAVO大阪
URL: https://faavo.jp/

【編集後記】
今回記者を担当した井上と塩見です。終始なごやかにわかりやすくお話を伺いました。野球、教育、商売、といろいろな切り口のお話を伺いました。また、地方の課題を解決するための事業プランのお話も、日本の未来に希望を感じ、ワクワクしました。「念ずれば花開く」川辺さんのご活躍を期待しています。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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