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【共同生活】

いつもと変わりない日曜日が、訪れる。

「ひろと、今日の予定は?」

「10時半から、出かけてくるよ」

「あ、そう、どこ行くん?」

「イオンとかかな」

「1人?」

「違うよ」

「女性か?」

「当たり前やん」

「自分ばっかり(笑)」

「はは(笑)」

僕は、ひろとが1人でイオンとかには行かない事が分かっている。
けれど、一応毎回誰と行くか聞いてしまう。

「行ってくるわ」

「おう、行ってらっしゃい」

僕は、僕の予定で、忙しい。
録画を観たり、筋トレしたり、買い物したりと予定はそれなりにある。

22:30頃にひろとが、自宅に帰ってきた。

「ただいま〜」

「おかえり〜」

これだけで、僕達の会話は成り立つ。

少ししてから、ひろとが僕の部屋に入って来た。

「今日、楽しかった?」

「うん、楽しかったよ」

「何したん?」

「買い物とか、飯とか食ってきたよ」

「そっか、良かったやん」

こうして、いつも通りなんら変わりのない会話を続けて日曜日を終える。

ー翌日ー

朝、いつも通り目覚めて、パンを食べながらニュースを見る。

「じゃ、行ってくるわ」

「はーい、行ってらっしゃい」

ひろとが、いつも通り会社へ向かう。

僕も、週明けは気持ちを切り替えて会社へ、出勤する。

仕事を退勤して、ひろとよりも先に自宅へ、帰宅する。

僕の帰宅1時間後にひろとが、帰ってきた。

「ただいま〜」

「おかえり〜」

いつもこの会話だけで、成り立つ。
この会話だけで、1日が終わる日も珍しくない。
けど、この日は違った。
ひろとが、僕の部屋に入って来た。

「今日、マジ疲れた」

「お疲れ様」

「昨日、楽しかったわ〜」

昨日の話を今日にする。
僕は、昨日すれば良いのにと思う。
けれど、ひろとが、楽しそうに話してるからそれなら良い。

「次は、いつ遊ぶの?」

「多分、金曜日」

「結構、頻繁に会ってるよね?」

「そうやね」

「何もないの」

「ないよ」

「そうなんだ」

「ひろとは、その子の事どうしたいの」

すると、その女の子から電話がかかってくる。

「ごめん、ちょい出るわ」

「うん」

「もしもし、お疲れ様」

「どうしたの?」

「はは(笑)」

「良いよ、明日空けとくね」

「バイバイ」

ひろとは直ぐに電話を終えた。

「明日、会う事になったわ」

「良かったやん」

「うん、かましてくるわ」

すると、何事もなかったかのように僕の部屋から出て行った。
…なんだったんだ?

ー翌日ー

いつも通り目覚めて、いつも通りにパンを食べながらニュースを見る。

「ほんじゃ、行ってくるわ」

「はーい、いってらっしゃい」

この日は、仕事が忙しくて、退勤後直ぐに直帰して、自宅で休む。
いつも通り、ひろとよりも早く家に着く。

一通り済ませて、一息つこうと冷蔵庫にアイスコーヒーを取りに行く。
冷蔵庫を空けると、アイスコーヒーが無くなっていた。
あれ?僕、アイスコーヒー飲んだっけ?
少し考えてみるが、飲んだ覚えがない。
…あ、ヒロトだ。

僕の帰宅1時間半後にひろとが、帰ってきた。
今日は、女の子とご飯だから、何も言わないでいようと決めた。

「ただいま〜」

「おかえり〜」

ひろとは、直ぐに準備して、家を出ようとする。

「かましてくるわ」

「行ってきます」

「いってらっしゃい」

何を、かますんだろう?
いつも通りよく分からない事を言って家を出て行く。
喉が渇いたので、冷蔵庫に飲み物を取りに行き、冷蔵庫を開けると…

何も言わずひろとは、ごく当たり前のようにアイスコーヒーを買ってきてくれていた。
僕は、嬉しい気持ちになって、心で「いつもありがとう。」と言う。

この後、ひろとは、今日の出来事も話さずに、アイスコーヒーの謝罪をしてきた。

いやいや、今はそっちよりも女の子とどうだったかが聞きたいよ、と僕はいつも通りに思った。

ひろととの共同生活は、ごくごく普通の生活かもしれないが、僕にとっては、退屈のない毎日を過ごせているので、いつも感謝している。

《完》

#2000字のドラマ

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