貧困日記、参。
三年ほど前にも実行してみたのだが、中途半端な結果で有耶無耶になってしまった断捨離に、再び挑戦している。今回は引っ越しという大事業で、ものの削減はかなり為されている。そこからの開始なので、割合容易だと思う。
そもそも引っ越す際、必要なものまで処分したので、改めて購入したものもある。しかしそれは棚である為、以前より整理された。そしてこの度、衣類を大量に処分した。
基準としては「去年、着用しなかったものは手放す」である。
既にわたしは宝のように長年大切にしていたものを実家に置いたままにし、それを再び手にすることが能わぬ状況にある。それらは絶版になった書籍類なので、わたしの資金力ではどうやっても二度と手にすることは出来ない。調べてみたが、図書館の蔵書にもなかった。これより価値のあるものは、わたしにとって猫以外になく、愛する猫を捨てられない以上、自分も捨てられない。
しかしこのおかげで、ものに対する執着心が極端に薄くなった。こうなるともう、断捨離に於いてわたしは無敵である。もともと躁状態の時は、十代の頃から真夜中に部屋の整理を始め、翌朝には山のようにものを廃棄していた。
おかしな状態で整理しているので、必要なものがかなり含まれており、冷静になった時に出来る範囲で買い戻した。
今回はそんな錯乱した状況での整理整頓ではないので、きっちり区別分別し、取り敢えず(売れる可能性のある)要らないものはコメ兵へ売りに行った(名古屋人なら判るだろう)。
部屋の中はかなりがらんとした。ベッド下の収納ケースは四つのうち、三つが空になった。半間ふたつの押し入れは、どう見ても余裕がありまくっている。現在は来月の粗大ゴミ回収を目当てに、台所関係の不用品を纏めている。
料理が得意な訳でも食事に取り立てて執着心がある訳でもないのに、何故か台所用品が好きなのだ。特に鍋。
これまでも買っては捨て、買っては捨てている。今回、断腸の思いで処分することにしたのはビタクラフトの鍋と蓋つきフライパンひとつづつ、ジオの片手鍋ふたつ。あとはストウブの陶器類。
このクソ重い『塵芥』を、どのようにして回収場まで持ってゆけばいいのか。そもそも、どうやって地上まで下ろせばいいのか。ひとひとつか。
死んでまうわ。