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長男も真面目

なんと、犯罪一家と思っていた我が家だが、子供たちは真面目であった。

長男は3歳後半からピアノを習っている。今年9歳(小3)なのでもう6年だ。

7月の発表会に向け、かなり実力を超えた曲を本人がどうしてもと言うので先生と息子と話し合って、先生の言うことを聞いて、ちょっとずつ積み上げていままでよりしっかり練習しようね、ということで許しを得た。

なので毎日、今までの倍ぐらいピアノに触れている。

それでもその曲は中々難攻不落。
家の電子ピアノと先生のグランドピアノの差もあり、家である程度弾けてもグランドピアノでは中々思う通りに弾けない。

先週は家の都合でお休みしたため、2週間ぶりのお稽古だった。
俺は毎回ついていっている。

色々なミスを先生に指摘される。
しかしとてもやさしい先生で、全然怒ってるとかでもないし、口調もすごく柔らかい。

お稽古終わり、先生にありがとうございました、という長男の目が赤くうるんでいた。
先生も心配して「すごく練習してるのは伝わってきたよ、大丈夫、先生わかってるよ」と声をかけてくれた。

涙ぐんだままお別れの挨拶をして先生の家を後にした。

「何があったん?」と長男に聞いてみた。
「言いたくない」と長男。
「言いたくないの?何かそんなに辛かったん?何でも言うてみ」
「『なんでやねん!』って言われそうだし嫌だ」
「絶対に『なんでやねん』とは言わないから。だから言ってみて」

「恥ずかしかったんよ・・・足が震えて・・・緊張して弾けなかった」
「緊張してたの?」
「何だか分からないけど、足が震えてるのが恥ずかしくて・・・」

「そうか~緊張したんだね。でもね、先生にはさ、間違ってるところを見せに行ってるようなもんでしょ。そこで先生にこうしたらいいんじゃない、ってアドバイスを教えてもらうわけじゃない。完璧に弾けるなら先生いらないよね」

「そうか、そうだよね」
「だからさ、家でちゃんと練習しているなら、先生の前でもっと堂々と失敗していいんだよ。それでこそ先生がいる意味じゃない?」
「わかった」

その後は緊張も解けて雨の中、独り言ブツブツつぶやく長男。
家で時折、自分の世界に入ってマリオやポケモンのぬいぐるみで遊んでいる、その普段の長男だ。

「そうそれ!その独り言言いながらの感じでピアノ弾いたらいいんだよ。ただし集中だけはして」
「そうか、それならできそう!」

真面目だな~!
残念!(って悪いことじゃないだろ!)

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