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お風呂場、地獄変

次男は、アトピー性皮膚炎とまではいかないものの少し皮膚が弱く、特に寝る時間になると痒い痒いと体中を掻きむしるので、夜中に痒み止めを塗ってやるという日々が続いている。
心配ではあるが、幸い今のところはまだそんなにひどくはない状況である。

時折おティンティンやタマタマも痒くなるようで、寝ながらもボリボリと掻いている。
その辺りは皮膚も薄い上に特殊なので、掻きすぎるとすぐに血が滲んだりするから、皮膚科にてあまり強くない、陰部への塗り薬をもらってきている。

そのお薬を風呂上りに毎日塗っているから、なんというか皮の部分に薬の塊のようなカスのようなものができてしまう。
しかし普段次男と一緒にお風呂に入ってくれている長男は、怖いからと次男のおティンティンを表面ぐらいしか洗い流せず、その塊を取り除いたりはとても出来ないとのこと。まぁ仕方がない。

週末は私が一緒にお風呂に入るので、少し皮をめくってカスというかその塊を洗い流している。
しかし強く引っ張ると弱っている皮が少し裂けて血が滲むので、次男は「痛い痛い」と泣き出すこともよくあるのである。

その塊が痒みの素になっていないか?不潔でないか?洗い流さなくて大丈夫か?と私は思うので、なんとか洗えるだけは洗ってやりたい。
しかしそれが痛くて結局薬をまた塗る…という状況にもなっていたため、一度10日間ぐらいは無理に洗わず、治るのを待とうと嫁と話していたので、ここ最近は洗ってやりたい気持ちを抑えて過ごしていた。

さて今日である。

次男は私と一緒に脱衣所に向かったときから、「おティンティンむかないで~中を洗わないで~」とお願いしてきた。
私は「先のところちょっとだけ見てみるだけね」と伝えてお風呂に入った。

ちょっとだけおティンティンの皮を引っ張ると、案の定薬の塊がくっついていた。
できるだけそっとその塊だけを取ろうとするのだが、次男は怖がって逃げる。
逃げられると当然うまく取れないのでもみ合いになってしまい、ついには皮が全部ペロンとめくれてしまった。

思ったほどひどくカスはついてなくて安堵したものの、皮膚が引っ張られたために少し血が滲み始め、そして次男が「痛い痛い痛い!!」と叫び始めた。

ごめんよごめんよ、でも洗わないと余計痒くなるよ、となだめていると横から「お父さん!!次男嫌がってるし痛がってるやんか!」と長男の叫び声が。

いや、分かってるけど次男が逃げるから・・・もう止めたよ、と皮を戻した。

しかし長男も怒っているし、次男も痛いと泣いている・・・私ももう少しパニックである。

「ごめんな、でも身体は温めないといけないから、湯船には浸かろう」と次男を抱え上げてお風呂に一緒に入ると、「おティンティンにしみるぅ!!」とさらに泣く次男。

前にも書いたように元々痛みの予感で泣く次男であるから、本当に痛いのか単に予感に負けているのかが分からない。とは言え、まだ湯船に立っているだけで、そのおティンティンはお湯には付いていない・・・

とにかく次男の身体を温めてやらなければ、と思った私は思いついた。
「わかったわかった、じゃぁ風呂に座って肩までつからなくていいよ、その代わりお父さんの胸の上で寝ころんでよ」

1年ほど前、一緒にお風呂に入っているときによくやっていた、私の胸とお腹の上に次男を寝そべらせて平たく浸からせる、という方法を思い出したのだ。
そして、おティンティンを潜望鏡状態にして、おティンティンがお湯から出ていれば痛くもなく、そして背中は私の胸で支えるわけだから不安もなく身体を温められる、まさに一石三鳥の作戦を思いついた。
これでみんなが幸せだ、そう思ったのである。

次男をおもむろに抱え上げて、おティンティンがお湯につかないよう私の胸の上で仰向けに・・・
しかし次男は叫ぶ!
「やめてやめて!!痛い!おティンティンが痛い!!」
「いや、でもおティンティンはお湯についてないけど?」
「嫌だ~!痛い~!!ぎゃぁあああ~~~!!!」

それを見ていた長男も涙を流し、泣きながら怒っている。
「お父さん!!次男痛いって泣いてるやんか!痛いんよ!それに溺れそう!次男が溺れる!!止めて止めて!!!」
なんと優しい弟想いの兄であることか!

小3の長男は自分のおティンティンが痛くなったことを想像し、自分のおティンティンを守るように握ったまま泣き続ける。

私の胸で泣いて暴れる次男。
洗い場で泣き叫ぶ長男。

いやいや、お父さんのやりたいことが伝わってない・・・
痛くないようにやろうとしてるんだが・・・
それに次男の頭はお父さんの方に載っていて、溺れようもないのだが・・・

二人は呼び出しボタンを押し、母親を呼び出して逃げるようにお風呂から飛び出して行った。
泣いている長男から話を聞いて、嫁も怒りだした。
「あんた!!それは可哀そうすぎるやろっ!!」

いやいやいやいや、俺の想いが伝わっていないぞ・・・
俺はいたぶるためにやってたわけじゃないのだ・・・

風呂から上がってしばらく、長男と次男の不機嫌は続いた。
が、ご飯を食べて、今日のドンブラザーズのビデオを見てやっと機嫌が直った。

そして少し前に次男を寝かせつけ、この文章を書いていたのだが何度か目を覚まして「お父さんこっち来て~!」と呼び出しを喰らった。

ホッ、まだなんとか嫌われるまでは行ってないようである・・・。

子どものおティンティンの取り扱いと、子供からの愛情、そしてこちらの想いの伝え方について考えさせられる日となった。

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