たぶん友達も知らないであろうこと

第12回、フランボワーズです。
今回はインスタグラムから募ったもの、他でお送りします。
（他は勿論Tinderです）

この１週間、noteを開いて書いては消してを繰り返してました。
理由は梅雨だから。
雨が好きなくせに梅雨が嫌いなのは身体の不調が顕著にあらわれるからです。
梅雨が明けて夏が到来したら、私は生きた屍のように過ごすことになるでしょう。
毎夏、24時間、体調が悪いです。ウエッ。

今日のお題は

『にばんめの秘密を教えて』

特に秘密にしていたわけでもないけれど、特に自分から明かさないことがあって。
この時世に書いたらまたとんでもない矢が飛んできそうなんだけども。笑

多趾症ってご存知ですか。
手足の先天異常で、指を人より多く持っていることです。
私の左手の親指の横には小さな指が『きちんと』ついていたらしく。
今はもうないその指が無性に痛くなります。梅雨になると激痛が走ります。
幻肢痛というらしく、ただひたすらに耐えるしかない痛み。
だから梅雨、嫌いなんだ。

初めて私を見た親族は2通りの反応を示したそうで、
明らかに嫌悪を表す人たちと、
「えー！幸せいっぱい掴めちゃうね！」と言った祖父母。
きっとその一言で母は自分を責めていたのだろうけれど、救われたんだと思うんだ。
この言葉に割と私も支えてもらってる。言葉の盾です。

もし、24歳まで指が6本のままだったらどうなっていただろう。
きっと嫌悪や好奇心に塗れた目を向けられ続けるのだろうと想像したら、吐き気を催した。
たった1本。それだけで普通と線引きされる世界。
差別？区別？
そんな言葉で片付けないでよ。
私は『切り落とした指一本』も含めて私なんだよ。
でも、私はそれが簡単に全ての人が飲み込めるものではないと知っていたから。
平然と『普通』でいた。
どんなに激痛が走っても、左手に力が入りにくくても、何もないフリをした。
だって誰も幻肢痛なんて知らないから。
多趾症と知られた時の反応が怖かったから。

でもさ、聞きたいんだけど

お前らの言う『普通』ってなんなの？

五体満足？指がちゃんと5本ずつ？肌の色は#fce2c4で合ってますか？身長は平均値でないとダメですか？IQは？
え〜〜〜〜、まじくだらねえ〜〜〜〜〜〜

『普通』という言葉を体にして弱者を作り上げて上に立ちたい、その優位性を示したいだけだろって思ってる。
歴史で繰り返される差別問題に関して意識を向けて、いまを変えようとしてる人がたくさんいて素晴らしいなと思う。
でも、差別問題を取り上げてるようで『普通』を振りかざして暴力に転じてしまっている人がいるのも事実で。
そして、その暴力性が作り上げる『普通』の安心感は簡単には取り払えないものではあるのだけど。

日常で無意識に『普通か』『そうでないか』に振り分けてないのか、そういう思考を持ってしまっていないのか、考え直すいいきっかけになった。

私とあなた、という関係性が何個も繋がっていくのが人生だし、
そうなのであれば私が集中すべきはあなたであって。
あなたがその姿で生まれたのであれば、それは唯一無二であるし、それを私がジャッジする権利などどこにもない。

普通で片付けんな。
私は私だし、あなたはあなただ。
何処かに棄てられてしまった指も含めて私だ。

追記
それでもやっぱり、手術を決めてくれた母と祖父母には感謝している。
そして、これがなかったら私自身がこんな考えを持つこともなかったのだろうと思うと、この先天異常に少し感謝してしまう。
左手は上手く動かせないし、痛みは続くのだけれども。
何時迄も忘れずにいたい。いる。