見出し画像

IPAレビュー2022年12月号

あけましておめでとうございます。本来はお正月にまとめておくべきなのですが、別の作業をしていたので遅れてしまいました。その作業の成果は来月にでも発表できるかなぁと思います。それではIPAレビューを始めていきましょう。

※IPAアワード用に先月からの通し番号となります。
※分からない用語がありましたら、この記事を参考にしてください。


No.48 忽布古丹醸造 West Coast Sky

スタイル:Hot IPA(Cold IPAのエール酵母版)
香り:グレフルに青臭い感じ、爽やかな草
味:ボディはIPAとは思えないほど軽く、少しのグレフル、後味はほのかに苦い。青臭さもあり、トロピカルでもフルーティでもないホップフレイバーがマシマシ。麦の味はほとんどしなくて嫌な雑味もなくていいわね。

48本目はWest Coast Skyです。Hot IPAという特殊なスタイルですが、このスタイルは造語であり一般的ではありません。Cold IPAのエール酵母版ですが、あまり気にしなくていいと思います。

※Cold IPAとは
元々はニューイングランド(ヘイジー)IPAのアンチテーゼとして生まれたホップの味わいを楽しむためのIPA。ラガー酵母を通常のラガーを作るときよりも高い温度で醗酵させて製造される。ボディを軽くするため米やコーンを副原料として使うこともある。ラガー酵母を使っているのにIPAを名乗るのはいかかがかと思うが、マーケティングの都合でそうなったらしい。

香りはグレフルに青臭い感じで、味わいも似たような感じです。しかしボディはIPAとは思えないぐらいに軽く、麦味は行方不明です。トロピカルでもフルーティでもないホップフレイバーと書いてありますが、これは雑味のない青臭い植物です。

総じて嫌な要素がないCold IPAといった感じでしょうか。Cold IPAにはラガーのようなコーンの甘い感じが出てたり、バターのようなオフフレイバーが出てたりするのですがそういう要素は感じませんでした。


No.49 うちゅうブルーイング 梵天

スタイル:ヘイジーIPA
香り:パイナップル、柑橘、青臭さ
味:グレフル、桃、青臭い、そしてちょいにが。ボディが軽めのあっさりヘイジー。温くなるとグレフルが強く出てくる

49本目は「梵天」です。久々の登場のうちゅうブルーイングです、うちゅうと言えば甘々ヘイジーで、僕の好みではないので積極的に買うことはありませんでした。うちゅう戦争に勝てないってのもありますけど
今回の梵天はあっさりヘイジーとのことだったので買った次第です。

香りはパイナップルに柑橘に青臭さがあり、よくある甘々フルーツドーンって感じではないです。味わいも同様にグレフルに桃と青臭さがあり、あっさりと締まります。

国内最高峰のうちゅうブルーイングの実力を改めて実感できる素晴らしいヘイジーIPAでした。あっさりヘイジーの方がマイナーではあると思いますが、こういうもっと出して欲しいですね。


No.50 Open air Brewing master blaster

スタイル:ヘイジーIPA
香り:パイナップル系トロピカルにオレンジ
味:シャインマスカットを感じるフルーツ感と渋み。オレンジもある。苦さはほんの少しの隠し味。あっさりヘイジー好きとしては美味しいと感じる一本。温くなるとより甘くなるね。

50本目は「master blaster」です。IPAレビュー初登場のOpen air Brewingは兵庫県神戸市にあるブルワリーで、フルーティーなIPAに定評があります。近所の酒屋さんが取り扱いを始めてのでつい買ってしまいました。

香りはパイナップルにオレンジで甘い系なのですが、味わいはシャインマスカットが主体で隠し味にオレンジと苦さがいる感じです。このマスカットの味わいが特徴的で、ほかのヘイジーには無い美味しさでした。

ボディが軽くあっさり美味しいヘイジーでした。余りにもあっさりしていたので、調べてみたら酵母はラガー酵母を使用していました。こいつもIPAか怪しいやつですが、美味しいのでOKです。


No.51 Trillium Brewing Death Mettle

一応メニューの写真も載せておきます

スタイル:ヘイジートリプルIPA
香り:パイナップル、オレンジ
味わい:グレフルの皮、オレンジ、爽やか系。生のオレンジを食べたようなジューシーさ。最後に苦味もあって良き。

51杯目は「Death Mettle」です。多分にこの記事を読むような方ならご存知かと思いますが、アメリカの大人気ブルワリーのTrillium Brewingのビールです。都内のビアバーで樽生が入ってたのでウキウキで飲んでました。なんならネットでDeath Mettleが入ってると知って店を決めたレベルです。

香りはパイナップルにオレンジです。味わいも似ているのですが、オレンジのジューシーさが過去最高です。後味の苦みがあり、飲みやすさも兼ね備えてます。アルコールの雑味もなく、パーフェクトな味わいと言っていいでしょう。

本場の大人気ヘイジーの実力をまざまざと見せつけられました。ハイアルコールのヘイジーとしては過去最高の美味しさです。執筆現在同ブルワリーのRinkが冷蔵庫に控えているのですが、飲むのが楽しみでなりません。


No.52 忽布古丹醸造 Afternoon Parade

スタイル:ヘイジーダブルIPA
香り:オレンジ、グレフル、うっすらパイン
味:皮ごとオレンジ、物凄くオレンジ。グレフルとは違う甘さがある。後がきちんと苦いのもいい。入りが甘いのに後から苦いのがすごい。温くなるとトロピカルがきたね、完熟パパイヤ系。アルコール感も無く、スイスイ飲める。

52本は「Afternoon Parade」です。本記事2度目の登場の忽布古丹醸造さんのダブルヘイジーIPAです。忽布古丹といえばクリアーなIPAだと思ってるので1回スルーしましたが、界隈で話題になってので再入荷分を購入しました。

香りはオレンジにグレフルに薄めのパインがいます。味わいはものすごくオレンジです。Death Mettleと同レベルジューシーなオレンジがいます。その後に苦みがやってくるのでこいつも濃い味なのに飲みやすい系です。さらに、温くなると完熟パパイヤが出てきて完全体になります。

文章で書くと淡々としてますが、飲んでる最中は「トリリウムやんこれ」「日本のヘイジーでこのレベルがでるとは」「こいつのせいで中途半端なヘイジーが許せなくなる」「日本のIPA年表作るなら、2022年はこれで決まり!」などと変なことが脳内によぎってました。

忽布古丹醸造さんが世界レベルのヘイジーが作れるという事実が判明したので、一番好きなブルワリーになりました。クリアなIPAだけでもトップクラスの美味しさなのに、このレベルのヘイジーを作れるのは素晴らしいです。今後とも布教活動に勤めていきます。


No.52 Stone Brewing Stone Enjoy By 01.01.23

スタイル:アンフィルタードダブルIPA(無濾過のIPA)
香り:パイン、グレフル
味:奇麗な植物に奇麗な苦み、その他色々な果物が混ざってる。果物はグレフル、マンゴー、ライチまで確認できた。

52本目は「Stone Enjoy By 01.01.23」です。この時期の風物詩である、ストーンのエンジョイバイですね。これを年末に飲むと「ああ、年末だなぁ」と思います。今回はアンフィルタードということで写真では分かりにくいですが、少しの濁りがあります。こういうのをヘイジーIPAと表記するところがあるからめんどくさいことが発生するんだよなぁ

香りはパインにグレフルと普通です。味わいは最初に奇麗な植物と苦みが来てから、色んな果物がやってきます。僕は果物の軍団からグレフル、マンゴー、ライチをピックアップしましたが、人によってピッキングするフルーツは変わるでしょう。

このフルーツモリモリは12種類ホップを使うことが原因だと思うのですが、味がぼやけていないのが素晴らしいです。やっぱエンジョイバイは美味しいですね。


最後に

今月のIPAは以上です。今月は私にしては珍しくヘイジーIPAが多めになりました。そのヘイジーもとても美味しい子が多かったので大満足です。

今月の優勝はStone Brewingの「Stone Enjoy By 01.01.23」です。個人的に大好きなフレッシュホップ系だったというのもあるのですが、去年のに比べて美味しくなってたというのも要因となります。去年のエンンジョイバイは砂糖のような甘さと雑味もあってイマイチと思ってしまい、記事では紹介しませんでした。

ヘイジー部門は忽布古丹醸造の「Afternoon Parade」とします。へんな語尾になっているのはTrillium BrewingのDeath Mettleと悩みに悩んだからです。これら2つは完成度が高く、別の年に飲んでいたらIPAアワードヘイジー部門を受賞していたことは間違いないレベルの完成度でした。
12月で決勝戦が行われていました。味では甲乙つけるのは無理だったので、今回は国産であること、値段が安いということで優位に立ったAfternoon Paradeになりました。このレベルで1000円を切るのはTCGなら禁止カードレベルのパワーです。IPA界のハリファイバーです。

IPAアワードのネタバレを少ししたところで、今月のIPAレビューは以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました。今月はちょっと多めのおまけがありますのでよかったらお付き合いください。


おまけ(12月の選考外のIPA)

忽布古丹醸造 AKIRA BROTHERS

スタイル:アメリカンIPA
香り:バルサミコ酢?オレンジにスパイシー
味:オレンジにほのかな松。ウエストコーストより前のIPAの味がする。麦の甘さもきちんとあるので好みではない。温くなるとグレフルのような苦みが出てきた

HEISEI BREWING 常在戦場

スタイル:ウエストコーストIPA
香り:バナナがいる
味:ボディが軽すぎる、ホップの味も薄め。スイスイ飲めるはいいのだが僕が求めてるIPAはそうじゃねぇ。

城端麦酒 TOYAMA green HOP

スタイル:フレッシュホップIPA
香り:あまりしない、麦にホップの草
味:フレッシュホップ感はあるのだが、ホップの量が足りない。フレッシュ感に苦さはあるけれどそれ以外無い感じ。

城端麦酒 曳山Black

スタイル:ブラックIPA
香り:酸味の強いコーヒー、黒糖
味:ポーターのようなあっさりの黒に、ほのかなグレフルに苦み。苦みは舌に残る。悪くないけど黒が薄すぎるかなぁ。好みの問題な気がするけど

LEVANTE BREWING COMPANY DDH Cloudy & Cumbersome - Pineapple

スタイル:フルーツヘイジーIPA(パイナップル)
香り:めっちゃパイン、裏にグレフル
味:パインの味しかしねぇ、甘くておいしいけど。アルコール入りパインジュース。温くなると青臭さとグレフルが出てくる

忽布古丹醸造 AKIRAにまつわるエトセトラ

スタイル:HKB 001 Single Hop Session IPA(忽布古丹醸造オリジナルホッップを使用)
香り:柑橘、桃、安いマンゴー
味:安いマンゴーがメイン、桃もいる、ほのかな柑橘、薄皮ごと食べたグレフル。好みとは違うけど勉強になりますねぇ

Knee Deep Brewing  No Seeds No Stems

スタイル:トリプルIPA
香り:タンジェリンに松、カラメルもいる
味:草に麦の甘さ、後から柑橘が来る。非常にバランスが良くゴクゴク飲める。やはりニーディープのトリプルは危ないぜ。ハーブっぽい要素もあるような。シムトラと比べるとアルコール系の雑味があるのが気になる、シムトラ最強!!

Karl Strauss Brewing Aurora Hoppyalis

バカが写真を撮り忘れたのでおまけで紹介します。美味しいIPAになのにもったいないなぁ

スタイル:サンディエゴスタイルIPA
香り:グレフル系
味わい:ピンクグレフルパッション系、松もいる。いい感じの近代ウエストコースト。マンゴーもいるぜ。


飲んだ本数まとめ
今月飲んだIPA:14本
2022年飲んだIPA:88本

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?