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お酒で「出来上がる」わたしたち

お酒が好きだ。
知らない人とも酒さえあれば、大体楽しい時間が過ごせる。お酒が卓にあるだけで、なかなかトークが弾むということに気づいてしまった23歳。時には逃げに、そして時には祝いの盃として、大人にとってお酒は談笑の場に欠かせないものとなった。
お仕事ではもちろんだけれど、まったく仕事に関係ない場でいきなり知らない方と飲むのもなかなか刺激的だ。
以前の記事でも書いたけれど、お酒の席では大人は嘘をつけない、と思っている。どんなに気張った大人でも、会社では取締という肩書きを得ている厳格な人でも、お酒には勝てない。
お酒を飲んでなおかっこつけていい顔をする大人もいるし、時には女に付け入る理由にもなる。酒はわたしたちの理性をぐらんぐらんに揺らしてくる。
ともあれ、陽気に卓を囲める飲み会は割と好きだ。呼んでくれれば予定を調整して顔を出すので、ぜひ呼んでほしい。おいしいビール、飲みたいです。

御察しの通り、わたしはなかなかお酒が好きで、勧められたお酒はもちろんのこと、飲み会ではしこたま飲む方である。会社の飲み会では無尽蔵に飲めることが発覚して、これは多分緊張と気合が入っているためいくら酒を入れても酔いが反応しないということに最近気づいた。好きな知人と飲むと、なんとまあ!早くまわること。緊張しなければしないほど、すぐ出来上がる。え、一杯で死ぬやん、ってことが割と最近ある。これはなんなのでしょう。緊張で酔わないときは、だんだん視界が狭くなっていく感じがして危機を感じるのですが、酔わない時って本当に酔わない。酔う時は、潔く酔える。

大人になってちょっとわかったこと。お酒は飲み方を間違えると、後悔の元になるということ、ストレスのはけ口にもなるけれどストレスにもなるということ、朝になって果てし無く後悔することがあるということ。上司に対してなかなか暴言を吐いたり、「え、わたしホテルにいました」という経験をして悩む人がいるということ。普段言えないことを言うための起爆剤になったり、はたまた恋のスパイスになったり。

お酒は良くも悪くも人をダメにする。というか、人がダメだということを証明してくれちゃう。翌日の後悔と二日酔いだけには慣れない。

お酒を飲んだひとを「出来上がってる」と呼ぶのは不思議な話だ。出来上がってる。ということは、飲む前のわたしたちは不完全だということだろうか。お酒を飲むことで完全体になるってことなのだろうか。
お酒は理性を揺らすなかなかリスキーなもののはずなのに、お酒でわたしたちは出来上がるらしい。理性を解放したあの状態が、出来上がってるといえるのだろうか。

酒の失敗も、また一興。なんて言えるほど綺麗な思い出はあんまりないんですけど、お酒はわたしたちをありのままの状態にしてくれるのかもしれない。我慢とかプライドとか、どっかに押し退けて本当の自分になれるのかもしれない。
飲みの場で本当の自分になりたいとは、あんまり思わないのだけれども。
大人がお酒を好きなのは、開放されたいからなのかな、とか思ったり。お酒があれば本音で話せたりするもんな。

大人にとってお酒は、ある種の安らぎなのかもしれない。アルコールは身体を安らげてはくれないけれど、心が安らぐのかなぁ、なんて思ったりするのでした。

#エッセイ #お酒 #コラム #note編集

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