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茶湯からの、便り

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茶を習いながら、感じたことを言葉に。
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2021年6月の記事一覧

茶室ですごすあいだ

電気

コンクリートの道路
ジーパン
iphone
プラスチックケース
Tシャツ
時計

いま目に見える近代的なかれら

この200年で
わたしたちは色んなものを手に入れた

その色々なものが無い茶室で
過ごす間が尊い
時間というより、あいだというかんじ

時という概念が消えて
そこにただ自分という人間を置いている
という感覚









1文字の彼らしか
そこにはいない

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たぬきと龍

たぬきと龍

頭に言葉が浮かばない
体がすーっとしている
気持ちいい
鳥が鳴いた

今日の湯は熱かった
もうもうとあがる煙
赤く燃える炭が分福茶釜の隙間から見える
釜の両端にはしゃーと怖い顔をした龍
だけど形はたぬきの腹のようで
可笑しいんだか怖いんだか
ぼーっとゆっくり湯をすくっていたら
手を火傷しそうになった

背丈の高いがっしりとした男の方のお手前を拝見した
しなやかで品のあるお手前だった

茶室には四角

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立方体の紫陽花

立方体の紫陽花

今日は30度まで気温が上がった
ぬるい夜風がそよいで笹の葉を揺らす

あっという間に夏がすぐそこまで近づいている
まだ、蝉の鳴き声はせねど

紫陽花の綺麗な季節
色んな種類の紫陽花があることを
今年になって初めて知った

お稽古でいただいたのは
紫色をした紫陽花のお干菓子

角砂糖のような大きさの
立方体の小さな塊
お砂糖がまぶされて揺らすときらきらひかる
口の中に入れると
しゃりっとゆって
少し

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