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茶湯からの、便り

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茶を習いながら、感じたことを言葉に。
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2021年3月の記事一覧

茶湯からの、便り 十

茶湯からの、便り 十

梅が咲き
早咲きの桜が咲き
春一番の風が吹いて
空気が少し和らいできた

今日は吊り釜
天井から吊るされたお釜が
ゆらゆらと静かに揺れる
炭で温められたお釜の蓋を開けると
そこからぐらゆらと煙のような湯気がたつ

少し俯瞰したところから
美しくお茶を点てる姿を眺めながら
ふと目に入るお茶の緑の鮮やかさに心を奪われる
ぐっと濃い緑色なのに
人掬いの茶杓の先が明るく照ってみえる
茶によって緑の色が異な

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茶湯からの、便り 十一

茶湯からの、便り 十一

恵みの雨
と雨を嬉しく思えるようになったのはいつからだろう
草木がふわぁ気持ちがいい〜お水美味しい〜と
喜んで見えるようになり
雨水を含んだ苔が美しく見え
木や葉に留まる雫を宝物を発見したように見つめるようになったら
雨が楽しくなった

今日のお茶杓のごめいは何にしようかと思いながら
調べていると菜種梅雨という言葉に出会った
菜の花咲く季節に連日降り続く雨とのこと
連日の雨ではないから駄目か
とお

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