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ホームレスのおばちゃんにレズを見破られて、おっぱい触らせてもらった話

私とオババが出逢ったのは、暑い夏の日のこと。

仕事の帰り道。
通りがかった酒屋の前で、全身黒ずくめのおばちゃんと肩がぶつかった。
軽く頭を下げて、その場を去ろうとすると「待って!!」おばちゃんが大声で叫けび、呼び止められる。
私は強引に腕を引き寄せられ、おばちゃんの顔がぐいっと近づいた。
見つめ合う2人。

ここから、私とオババのアバンチュールが始まったのである。

【酔っぱらいオババにお酒をせがまれる】

「あんた、いい人だ〜。私にゃ分かる!酒屋で酒を買ってきてくれねか?」
顔がすごく近いまま、オババは私を素晴らしい人格者だと口説き始めた。
私の鼻とオババの口は超至近距離。酒臭い口臭が私の鼻を襲う。
しかし、日頃褒められることなど無い私。
人格者になったつもりで「お茶なら買ってあげますよ」と調子よく答えたが、このオババ、茶で満足するタイプでなかった。

【オババ、突然の罪の告白!】

酒屋近くのお寺では、山本家の葬儀が行われていた。
オババは、「山本の酒を飲んだけどよお、足りねえんだ。死人にゃ酒の味なんて分からないだろうよお。」と聞いてもないのに葬式から酒を盗んだとカミングアウト。
葬儀中に酒を盗むなんて、ゲームの盗人スキルで考えれば相当な手練れだっただろう。
「全身黒ずくめの酔っ払った盗人オババ」
キャラクター映えは申し分ないな〜などと私が考えていると、
オババのエンジンは更に加速。

どこからともなく取り出したジュース缶を私に握らせ、
「ジュースと酒を交換しない?」と交渉を続けてきたのだ。
(そのジュース、どこで買ったの?)

【オババ、脱ぐ!!】

たとえジュースを握らされようが、人格者の私は酒を買う訳にはいかない。
私の鋼の良心に業を煮やしたのか、
突如!!オババが服を脱ぎはじめた。
あらわになったオババのブラジャーには、無数のお守りが結び付けられていたのである!(50体はあったように思う)

「分かった!!お守りをやるよお、好きなの取れい!」

オババのおっぱいの谷間から、
国旗の手品の様にこれでもかとお守りが出てくる。
これほどまでに、仏さまのご加護を身につけた女は初めて見た。
なんとありがたいオババであろうか。

オババのおっぱいから取り出されたお守りを無理やり握らされる。ぬるい。
これでも酒を買わぬ私に、
オババは「あんた彼氏はいるかね?」突然聞いてきた。
彼女はいるが、彼氏はいない。
正直に「彼氏はいませんよ」と答えると、
「あんたレズビアンだねえ」

【オババのおっぱい、その奥にも心がある…】

お守りを抜いたせいでいくらか萎んだおっぱいに、いつの間にか恋人つなぎされた手が押し付けられる。
「うれしい?」「わたしたち、レズビアンんだねえ」だなんて聞くオババの頬が、心なしか赤く染まった様に見えた。
恥じらいながらもおっぱいを触らせてくれたのだ、
オババの心意気を買い、ここはレズビアンとして「うれしい」と答えるしかない。

「あんたのも触ってええかい?」
すまぬオババ。
あんたのおっぱいは触ったが、私のおっぱいはええわけない。
丁重にお断りしたが、その後もオババは恋人つなぎは解いてくれず、むしろ腕までがっちりと組まれ、
しばらくオババから離れられないと悟った。

色仕掛けにも動じぬ私に、とうとうオババもお酒を諦めてくれた。
次は、手を繋いで歩いて欲しいと言うので駅まで送ってもらう。
駅に着き、恋人つなぎを解き、駅の改札をくぐる。
オババの寂しそうな顔。控えめに手を降る私。
美少女同士なら、切ない百合漫画のワンシーンになりそうだ。
現実は私とオババだが。
「私は川に戻るよ、また会ってくれるよな?」
まるで川の精霊がいいそうなセリフを吐き、オババは夜の河川敷へ帰って行った…。

あれからいくつもの季節が過ぎ、
同じ道を何度か通ったが、一度もオババに会っていない。
心配はいらないだろう。あれだけお守りを身に着けていたのだから。

オババは、私が「母と彼女以外」でおっぱいを触った唯一の女だ。
きっと、いろんな意味で生涯忘れられぬ女になるだろう。

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