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エイバルのプレスに苦しんだはずのソシエダ。だがしかし。【レビュー】【LaLiga2019/2020第15節】レアル・ソシエダvsエイバル

どーもあぐおです!

サッカーの観れない日々、いかがお過ごしでしょうか?

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最近、戦術好きの間で人気のレアルソシエダを観れる機会を逃す手はありません!
是非見て見ましょう!!

今回取り上げる試合はこちら
LaLiga2019/2020第15節
レアル・ソシエダvsエイバル

基本フォーメーション

左の白いチームがレアルソシエダ
右の青いチームがエイバル
(右上にある四角はミスです。すみません。。)

レアルソシエダは基本的に4-3-3です。
ただし、守備時に相手が4バックの場合は、ウーデゴールも前に出でプレスをかけるため、4-4-2となります。自陣でのブロックを敷く場合も4-4-2です。
スターティングメンバーでは、ル・ノルマンでなくアリツだったのですが、開始7分に怪我で交代したため、ル・ノルマンでいきます。

エイバルは4-4-2ですね。
乾が一枚下がってトップ下のような形になり、4-2-3-1になるのかなとも思ったのですが、横並びになることも少なくないため、4-4-2と理解して大丈夫です。


フォーメーションの噛み合わせ

上の図を見ていただくと、ズベルディアの部分がぽっかりと空いているのがわかりますね。
この試合では「ここをどう使うのか」、またエイバル側としては「どうケアするのか」ということが1つテーマになると予想されます。


簡単なゲームモデル

レアルソシエダ
攻撃: 丁寧につないでいく
    →ハーフスペースのIHを経由する
ネガトラ: 即時奪回
守備: 埋めていく
ポジトラ: ショートカウンター

エイバル
攻撃: 良い形で人に蹴る、サイド攻撃
ネガトラ: ブロックを一度敷く
守備: ハイプレス
ポジトラ: ショートカウンター


シンプルな試合内容&解説

先にざっくりとした試合内容を紹介していきますね!

ソシエダが地力では優位に立つかな、と思い始まった試合ですが、エイバルのハイプレスがうまくハマり、ソシエダはやりたいことが思うようにできません。
ただ、それでもセットプレーから先制点を挙げます。
ここでエイバルは選手の配置を変更します。乾を左にペドロレオンを右に置き、オレジャナとシャルレスの2トップに変更しました。
その後、プレス強度は落ちることなく、ハイプレスはスベルディアのミスを誘って同点に追いつきました。終盤にやや疲れが見えましたが、前半を1-1で折り返します。

後半に入った瞬間、ソシエダにオヤルサバルのゴールが生まれます。痛い失点ですが、エイバルもまだカウンターの迫力は衰えません。
対して、ソシエダはズベルディアの脇にまでメリーノがおり、プレスの逃げ道を増やしました。これにより、ズベルディアは前を向いてプレーするシーンも増えます。
その後、後半7分にコーナーのこぼれをジョレンテがホセに繋げ、3-1。これにはたまらずエイバルは交代枠を使ってきます。
後半25分のあたりはエイバルの時間が来ますが、精彩を欠き、得点に結びつきません。
交代で入ったイサクが前線でいい働きをし、ウーデゴールが左足一閃。ゴール左上隅にシュートが突き刺さりました。4-1です。

決して、ソシエダのやりたいことをし続けた90分ではありませんでしたが、随所に工夫が見られ、その工夫が実った形で快勝となりました。
エイバルとしては、良いプレスを持っているものの、どのようにゴールを奪うのかがはっきりせず、もったいないチームだなと感じました。クロスの角度をもう少し考えると良いかもしれませんね!


キリトリ解説

赤矢印=人の動き
赤〰矢印=ドリブル
黒点線=ボールの移動

はじめて丁寧に運べた

エイバルは基本的にソシエダの2CBに対して2枚のFWを当ててきます。その際、アンカーが浮いてしまうので、いわゆる『釣り子の動き』でそこをケアします。下図の赤い矢印にあたります。

実際、ソシエダはこの動きに苦しみました。
ゲバラと比べて、ズベルディアはそこまで顔を出す動きに長けていないと思われます。
そのため、数的優位のはずではありながら、なかなかアンカーを経由することができませんでした。

そんな中、前半18分にはじめてプレスを掻い潜り、思い通りの形でクロスまで結びつけます。

追い込んだと思ったシャルレスがGKへのパスコースを消しに行ってしまい、スベルディアがフリーになりました。
もともと、エイバルの中盤は2枚しかいないため、ここで前向きに持たれると少し苦しくなります。

前のスペースを活かし、ズベルディアがボールを運び、外に開いたウーデゴールにつけますが、ここはエイバル側もスライドで対応したことでことなきを得ます。
しかし、圧縮して圧縮してプレスをかけていくエイバルは、一度のスライドは間に合うものの、展開されると間に合わないことが多いです。そのため、オレジャナが機転を利かせ、CBにプレスをかけます。
これは良い判断ではありませんでした。この時点で後手に回っているため、簡単に空けたスペースを利用されてしまいます。

「動かない」判断が正解だったと思われますね。

モンレアルは簡単にメリーノに預けます。
ハーフスペースで前向きで受けたメリーノは少し運びオヤルサバルに出します。ここにはSBでなく、CBが対応します。
ダイレクトでモンレアルに出しも良いシーンでしたが、オヤルサバルは反転し、ハーフスペースをさらにえぐることで二枚引きつけました。
その後、オヤルサバルはモンレアルに出します。ピンポイントでポルトゥに合わせるも、ここは惜しくもゴールならず。

結局アンカーに前向きで受けさせただけで、守備のズレが生じました。狙うべき部分を心得ているように思います。モンレアルが簡単にハーフスペースのメリーノにボールを預けたことからも、チームとしてより攻撃しやすくする方法が浸透しているように思わされます。
エイバルとしては、ビルドアップの段階でハイプレスがうまくいかないと感じたら追うのをやめ、スライドが間に合うように整えるべきでした。

SBが低い位置を取る理由

下記の図をご覧ください。
セオリーであれば、相手のプレスを越えるために、CBが開き、SBが丸で囲んだような「より高い位置」を取ります。

しかし、サルデュアは最初から低い位置を取ります。こうすることで、マッチアップのペドロレオンを引き出す、もしくはプレスをかけさせないことを狙います。

実際、前半20分のシーンではこのようなボール運びで、ペドロレオンが全く出れないような状態を作り出し、サルデュアにボールが渡りました。これにより、ペドロレオンは遅れて出なければいけません。(いつまでもほったらかしにしておくわけにはいかないので)

更に、ビルドアップに関わったウーデゴールは高い位置のハーフスペースへと侵入していきます。サルデュアから受けたウーデゴールはワンタッチでポルトゥへ。こうして、ポルトゥが前向きで1vs1に挑めるシーンを作り出しました。

ズベルディアの機転

個人的には、観た試合がまだ少ないこともあるからなのか、ズベルディアよりもゲバラの方が顔を出す動きも多く、ビルドアップの面では優れているように感じております。(CBを任されてたこともあるので、アンカーといったポジションを考える中、守備力も評価されているのかもしれません)
しかし、この試合ではズベルディアのポジション取りに感心しました。

モンレアルからパスを受けたジョレンテが孤立するorCB間の距離感が悪くなるor失った時のリスクが大きくなる…。何を考えたかまではわかりませんが、ダッシュで落ちて、ジョレンテに対して角度を作り出し、ル・ノルマンにまでボールを届けました。
技術的には全く難しくないですが、こういった気遣いはポジションを取る上で非常に大切になります。

繋ぐ以外のオプション

相手のプレスがキツく繋げない場合、それでも近場を探す、ということはしないでプレスの頭越しを狙います。
この試合でも見受けられたのですが、ジョレンテにSHがプレスをかけてきた場合に、頭越しでSBにパスを通すといった具合です。
下記の図はジョレンテではなく、モンレアルになるのですが、この別オプションから4点目を奪いました。

相手のGKからのハイボールをなんとか拾ったものの、エイバルが人数をかけていた分、すぐに囲まれてしまいます。バレネチェアは苦しくなり、モンレアルに下げました。するとモンレアルは前線のイサクにロングボールを蹴ります。
ウィリアン・ホセも身長は高いですが、イサクは190センチと大柄で、ここで競り勝ち、ウーデゴールに良い形でボールを預けることができました。
前がかりになっていたエイバルは遅れてしまい、カウンターに間に合いません。
また、このカウンターで1番に目指す場所はゴールに対し真っ直ぐではなく、ペナの角です。

真っ直ぐに狙いすぎるとGKが出やすくなります。そのため、少し角度をつけた狙いを持つことでGKは出ることができず、かつ、ペナの深い位置を取ることができれば相手はGKとDFの間を埋めるためにポジションを取る必要が生まれます。
そこで生まれるペナ手前のエアポケットでウーデゴールは受け、蹴りやすい位置に置き、落ち着いて綺麗なフォームで狙い澄ましたシュートを決めました。


おわりに

快勝ではありましたが、なかなか難しい試合ではあったと思います。
もっとソシエダのらしさが観れる試合は他にもあるので、さまざまな試合を見ることをお勧めします!

私自身もまだまだソシエダについて知らないことが多いのでもう少し勉強していこうと思いました!
また、今回分析レポートを作ってみて非常に大変でしたので、毎度更新している方の凄さを改めて実感しました。
本当に尊敬しかありません。。


読んでいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いします!

ではまた!

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