三鷹歌農書 1641-1660 3 三鷹歌農書 2024年6月28日 06:23 ミツバチが花粉団子になりながらマロウに溺れ飽くを待ちをり三鷹歌農書(一六四一)兄妹(あにいもと)先の世如何に手のうへにラズベリー一つハナムグリ一つ三鷹歌農書(一六四ニ)花潜(ハナムグリ)がフンコロガシにベリー一つ与ふれば頭からのめり込む三鷹歌農書(一六四三)遭遇に戸惑ふはわれのみならず双帯緑虎天牛(フタオビミドリトラカミキリ)も三鷹歌農書(一六四四)古代魚の鱗の萼をうちひらきアーティチョークは外界(げくわい)に蕊を三鷹歌農書(一六四五)トロ火からアーティチョークは一息に強火へ花の鋳物のコンロ三鷹歌農書(一六四六)放つべき花粉はなちて踊りだすアーティチョークの花の六調三鷹歌農書(一六四七)UFOを作るズッキーニもあるぞ憂ふるならばみどりを植ゑよ三鷹歌農書(一六四八)水無月のアブラナ科たち根菜を抜けば何れも野武士面(づら)なり三鷹歌農書(一六四九)ひび割れに美を見出せる伊賀焼の水指はわが蕪に似たるも三鷹歌農書(一六五○)聖獣の忿怒の舌の穂の先をアマランサス夏に突き出さんとす三鷹歌農書(一六五一)太陽と遊べる盾の勢ぞろひ真緑の葉をクワイ並べて三鷹歌農書(一六五二)タンポポは踏まるる度に杭と化し直根ふかく地球の芯へ三鷹歌農書(一六五三)言ふまでもなき紫陽花に真白なる画竜点睛ムラサキ一花(いつくわ)三鷹歌農書(一六五四)日本のムラサキは白き花咲かす黴雨の季の地に映ゆる星々三鷹歌農書(一六五五)一連の雨に負けざりしムラサキの苗の一つは花芽頂く三鷹歌農書(一六五六)人肌を拒むと知ればムラサキの苗は土ごと包みて移す三鷹歌農書(一六五七)ムラサキの種の翡翠はまだ早く白銀(しろがね)は良してのひらに受く三鷹歌農書(一六五八)高らかに無音の喇叭カボチャ咲き萎んで鞴(ふいご)実を膨らます三鷹歌農書(一六五九)野菜好き増やさむと子に採らせたるヴェールペダルとグリーンパンツ三鷹歌農書(一六六○) ダウンロード copy #短歌 #農業 #家庭菜園 #note短歌部 #三鷹歌農書 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート