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三鷹歌農書 1301-1320

賑やかに春の泡立ちイングリッシュデージーの花とパセリの葉つぱ
(浜松ポタジェ訪問) #三鷹歌農書 (一三○一)
ルッコラと勿忘草の花かさね地に耀へる雲を遊ばす
(浜松ポタジェ訪問) 三鷹歌農書(一三○ニ)
タイム這ひアーティチョークは覆ひゆく緑の意志を活かしてポタジェ
(浜松ポタジェ訪問)三鷹歌農書(一三○三)
オゼイユとニンジンの葉のシルエットジェンダー論を問ふや問はぬや
(浜松ポタジェ訪問)三鷹歌農書(一三○四)
花の咲く前にイチゴの虫たちの体に合はせホテル一棟
(浜松ポタジェ訪問)三鷹歌農書(一三○五)
フリンジに牡丹のやうな八重咲きもチューリップはここまでやるのかよ
(浜松ポタジェ訪問)三鷹歌農書(一三○六)
紋章の鷲の翼に羽根生えてエスパリエ仕立てのナシ花盛り
(浜松ポタジェ訪問)三鷹歌農書(一三○七)
花の名の繚乱はオステオスペルマムのスプーン咲きに極まりにけり
(浜松ポタジェ訪問)三鷹歌農書(一三○八)
淫羊霍桃色狼とは言はずエピメディウムのピンクウルフを
三鷹歌農書(一三○九)
テーセウスとアリアドネーの出逢ひ斯く大麦の穂がナランキュラスに
三鷹歌農書(一三一○)
三つ茎に脹らみあれば四年生キャベツ盆栽空に向かふを
三鷹歌農書(一三一一)
海底(うなそこ)のシャコ貝なかば口ひらきサツマイモの芽の先の葉ゆるぶ
三鷹歌農書(一三一ニ)
寺島はおませさんにて葉の二つあれば花咲く江戸の早生ナス
三鷹歌農書(一三一三)
ダイコンの胸のあたりに葉ボタンをあそびごころは接いでしまへり
三鷹歌農書(一三一四)
枯れしばかりと思ひてゐしにランチュウの尻尾のやうなブドウの新芽
三鷹歌農書(一三一五)
たまきはるいのち完成しましたとタマネギ玉を極めて倒る
三鷹歌農書(一三一六)
スミレ咲きヤグルマギクも花ひらく刈らずにおけば通路に中洲
三鷹歌農書 (一三一七)
次々に打ち上げらるる大花火のスローモーション山査子咲けり
三鷹歌農書(一三一八)
摺鉢に菫と砂糖つぶし終へパロマスミレの香も練り込みぬ
三鷹歌農書(一三一九)
おそ春の空の青さを煮詰めたるスミレのジャムに映るしらくも
三鷹歌農書(一三ニ○)


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