三鷹歌農書 1661-1680 3 三鷹歌農書 2024年6月30日 19:18 突つ立つはさぞ辛からん麦藁の背筋増してカカシ締め上ぐ三鷹歌農書(一六六一)藍染めのあたま桜染めの胴を被せてカカシわれらが仲間三鷹歌農書(一六六二)「へのへの」とカカシの顔に描きながら弟できるみたいと「もへ」を三鷹歌農書(一六六三)手伝つてあげるよと子が両腕を広げカカシの手の数増やす三鷹歌農書(一六六四)ナメクジに食はるるほどのハクサイの旨さ甘さを人ら知るべし三鷹歌農書(一六六五)発見のうれしさは朝葉の陰にどろんどろんとハグラウリ二つ三鷹歌農書(一六六六)火口のみ宙に現れ溶岩をヤブカンゾウの花びら噴けり三鷹歌農書(一六六七)ソラマメの醬(ジャン)を加へて引き立つるヤブカンゾウの炎の甘さ三鷹歌農書(一六六八)ダイコンを抜けど途中で折れてゐて「ミミズが助けてくれてたらなあ」三鷹歌農書(一六六九)ダイコンとじぶんの腕を一体化 まつすぐ引けば折れないんだよ三鷹歌農書(一六七○)ダイコンの葉と根整へ茎伸ばし花ひらくその全き姿三鷹歌農書(一六七一)少年の心の内もさもあらん屋根這ふ葛のおそろしき勢ひ三鷹歌農書 (一六七二)水無月の涙型なるマジパンのローズヒップの艶を愛(かな)しむ三鷹歌農書(一六七三)カンブリア紀の海底にゐたやつだよね 採られず太りたるコールラビ三鷹歌農書(一六七四)はつなつの野菜は若きうちに採れ大人は雑で固くて不味い三鷹歌農書(一六七五)顔よりも大きなる葉のめらめらと畝にウリ科の高波の立つ三鷹歌農書(一六七六)純心の際立つばかり皮剝いて切れども切れどもビーツはビーツ三鷹歌農書(一六七七)給食にもボルシチは出て爺たちは厭へど子らの好めるビーツ三鷹歌農書(一六七八)武蔵野の空に投げ込む長槍のターメリックの芽を確認す三鷹歌農書(一六七九)米糠のシュガーパウダー振りかけて堆肥作業の仕上げとしたり三鷹歌農書(一六八○) ダウンロード copy #短歌 #農業 #家庭菜園 #tanka #写真短歌 #三鷹歌農書 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート