三鷹歌農書 1361-1380 1 三鷹歌農書 2024年5月15日 08:31 ひむがしの果ての唐津にオフィーリア従者イスパハン連れて湯浴みす三鷹歌農書(一三六一)薔薇淹れし茶碗をならべ春雨の奏づる音を濡れながら聴く三鷹歌農書(一三六ニ)オフィーリア沈む茶碗に雨つぶの落ちてわうごんいろのさざなみ三鷹歌農書(一三六三)お湿りを天つ空から賜りぬ通り雨の矢根まで届けよ三鷹歌農書(一三六四)あたらしき畝と並んで鯉のぼり泳ぐを仰ぎまた鍬を打つ三鷹歌農書(一三六五)畝切つてトンボで慣らす黒ボク土のガトーショコラをあと三つほど三鷹歌農書(一三六六)壊せるもの壊してみたき少年に万力使はせ刀豆取りぬ三鷹歌農書 (一三六七)ナタ豆とムクナ豆もて子の描くアンパンマンは星座のやうな三鷹歌農書(一三六八)白浪のうねり黒地の巻物に畝ととのへて石灰を撒く三鷹歌農書(一三六九)デュシェス・ドゥ・モンテベローに潜りこむアオドウガネの尻のふさふさ三鷹歌農書(一三七○)葉の数を三、五、七と増やしつつムベは緑を開いて登る三鷹歌農書(一三七一)空中にラグビーボールらしきもの発生し太りゆくアケビの実三鷹歌農書(一三七ニ)草むらを並木に変へてゆくやうに条播きにせしダイコン間引く三鷹歌農書(一三七三)穿山甲(センザンコウ)シロアリ好みアーティチョーク油虫に好まれ丸まる鎧三鷹歌農書(一三七四)親友にしてライバルの顔合はせ土垂れとショウガ埋めゆく前に三鷹歌農書(一三七五)釣り糸の切れてしまふはどのあたりニンニクの芽を抜く恐る恐る三鷹歌農書(一三七六)白銀の根の髭張りて威嚇せるあまた玉ネギ両手にあふれ三鷹歌農書(一三七七)惑星の影に衛星生まれゆくをアーティチョークの側枝に見たり三鷹歌農書(一三七八)分蜂は古き仲間を半ば連れ古き女王が逃げ果(おほ)すこと三鷹歌農書(一三七九)新しき女王を無駄に生ませぬも蜂養ひの心得と知れ三鷹歌農書(一三八○) ダウンロード copy #短歌 #農業 #家庭菜園 #tanka #三鷹歌農書 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート