三鷹歌農書 1481-1500 3 三鷹歌農書 2024年6月5日 08:19 たましひを分け合ひしひとの幾人(いくたり)か薔薇の花びら色ごとに煮る三鷹歌農書(一四八一)イスパハンをふたたび訪へぬ身となればイスパハンのバラを煮詰めてジャムに三鷹歌農書(一四八ニ)オアシスのひかりまみれの緑金を薔薇イスパハン煮れば放てり三鷹歌農書(一四八三)ハマナスに白下糖(しろしたたう)を溶かしつつかの夏の日の記憶いまだに三鷹歌農書(一四八四)本葉出たるは今年は三つムラサキの発芽率一割もあれば御の字三鷹歌農書(一四八五)ブルーシート広げて先づは土作り塩ビ管にムラサキ定植すべく三鷹歌農書(一四八六)虹の谷ウマワカも造らむ軽石にバーミキュライト燻炭加へ三鷹歌農書(一四八七)腐葉土も赤玉土に混ぜ込みて三鷹磐梯山を整ふ三鷹歌農書(一四八八)群れて咲くゆゑにムラサキとふ説も小さき真白き花あまた揺れ三鷹歌農書(一四八九)大盃を抱へて仰ぎ呑み干すやムラサキをむさぼるクマンバチ三鷹歌農書(一四九○)ムラサキの花より白き蕊のびてモンシロ生まれゐたるしづけさ三鷹歌農書(一四九一)京丸の里の牡丹を想はせてゼラニウム一つもみづる葉あり三鷹歌農書(一四九ニ)着けし実の次々熟しマルベリー今朝はハナムグリをつけてをり三鷹歌農書(一四九三)火トカゲの赤子のあまさ知しり子が間引きニンジン一口で食ぶ三鷹歌農書(一四九四)うすもものブラックベリー花を終へ甲虫群の果を編成す三鷹歌農書(一四九五)紫の莢の褪せつつ豆ふとりツタンカーメン採りごろとなる 三鷹歌農書(一四九六)掘り上げて家族大いに増えたるを指につまんでサフラン数ふ三鷹歌農書(一四九七)頂に石灰ふりて土づくり三鷹富士一つ仕上げて崩す三鷹歌農書(一四九八)ムラサキの葉つぱの意匠登録をとうにササグモ済ませてゐしや三鷹歌農書(一四九九)しろたへの花を終へたるムラサキに翡翠の玉のタネ二つ三つ三鷹歌農書(一五○○) ダウンロード copy #短歌 #農業 #家庭菜園 #tanka 3 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート