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イベント参加レポート「SORACOM UG ビギナーズ」 ハンズオン

はじめに

先日、SORACOM UG(ユーザーグループ)さん主催の初心者向けのオンラインイベントに参加させていただきました。

IoTやSORACOMデバイス・サービスに興味がある人向けに開催されている体験ハンズオンイベントです。

具体的なハンズオンの内容は、温湿度や位置情報・加速度センサー内蔵のIoTデバイス「GPSマルチユニット」を使って、「SORACOM Harvest」「SORACOM Lagoon」というサービスでデータを蓄積したり可視化したりする流れを体験できる、というものでした。

このイベントを主催されているユーザーグループというのは、SORACOMサービスを実際に活用していたり興味のある方々で集まって活動しているコミュニティのようです。

ブログでのイベントレポも推奨しているとのこと。ノンプログラマーでIoT初心者の僕でもわかりやすくIoTが身近に感じることができたので、これはぜひ皆さんにもおすすめしたい…!と思って書かせていただくことにしました。



IoTとSORACOMについて

まずは「そもそもIoTとは何なのか」「SORACOMとは何なのか」というようなところ。イベントの中でお話しされていたことを整理してみます。


●「IoT」とは「モノやコトをデジタル化する技術」

IoT技術は次の3つの要素で構成されている、とのこと。

モノ(センサー/デバイス):現場のデジタル化を実現するための機器
ネットワーク:現場とクラウドをつなげる仕組み
クラウド:データを活用する仕組み

現場ではセンサーやデバイスなどの「モノ」がデータを収集する入口だったり表示する出口になってくれたりします。「クラウド」はそのデータを貯める場所で、これらの間をつないでくれるのが「ネットワーク」。

IoTとは「モノやコトをデジタル化し、ネットワークで通信しクラウドで共有活用していくこと」で、これを使うことで遠く離れた場所にいても様子を見えるようにしたり、感覚的なものをデータで見える化してくれます。


IoTの「つなぐ」を簡単にしてくれる「SORACOM」
上で挙げた3つの登場人物のうち「ネットワーク」が現場のデジタル化のネックとなっています。デバイスやクラウドは手軽さも低コスト化も進んできましたが、それらをつなぐネットワークに関してはセキュリティや技術面、セッティングの難しさなどの問題があって、なかなか手軽に使えるようにならない…という背景があるようです。

SORACOMではこの「つなぐ」部分をIoT用のsim(セルラー通信)やLPWA(低容量・低電力の通信技術のことらしい)を活用して簡単にしている、とのことです。さらにはネットワーク、デバイス、クラウドを全てSORACOMが提供できるようにすることで活用しやすくし、「IoTテクノロジーの民主化」を進めている、とのことでした。

ちなみに僕がそもそもSORACOMに興味を惹かれたポイントは、以下のようなところでした。

・書籍で公式の実装ガイドが用意されているので目的に合わせて学びやすい
・いわゆる格安simとまた違う性質のIoT用simで安価に通信環境が作れる
・Arduinoやラズパイ・センサー・simがセットになったスターターキットがあり入門しやすい
・sim経由で取得したデータを蓄積・可視化するのがやりやすそう
・connpassイベントや各地域のコミュニティもあり情報交換が活発

IoTが全くわからない僕には入り口として情報がわかりやすく、取り組むときの道筋が見えるのはとてもありがたいです。



ハンズオンの内容

ハンズオンで実際に使用したデバイス、クラウドサービスについて整理します。


デバイス:GPSマルチユニット

GPS位置情報、温度、湿度、加速度センサーが内蔵されたデバイスです。充電式のバッテリー内蔵。また中にSIMカードを差し込むことができて、単体でセルラー通信が可能とのこと。

今回のハンズオンではこのGPSマルチユニットの機能を想定したWeb上の仮想デバイスを使用し、

・手で温めて温度を上げる・下げる
・山手線に乗り位置情報を見る
・裏にひっくり返して加速度の変化を見る

というのを想定してデータを取得してみました。Web上で動かすことでアイコンが変わるのが面白くて盛り上がってました。取得したデータは、次のサービスで確認することができます。


データ蓄積:SORACOM Harvest

こちらは「IoTデバイスからのデータを収集、可視化およびファイルを保存するサービス」とのことです。
保存されたデータはユーザーコンソールで見ることができます。仮想デバイスからJSONで送られ、蓄積されたデータを可視化してくれることを確認しました。

画像のグラフは、水色の折れ線が温度(temp)、赤の直線が湿度(humi)。重力加速度はデバイスを表にしたり裏にしたりで数値が変わるのですが、スクショを撮るタイミングが悪く上のグラフには反映されてなさそうですね。

位置情報を地図上に表示させることもできます。山手線に乗っているライブ感が味わえました(一緒に参加された方のツイートをお借りします)。

実際の現場で何らかのセンサーデバイスを用意して、SORACOMのIoT simを使って稼働させると、用意されているクラウドに自動で送られて保存してくれるようです。
自前でデータを保存するためのサーバーやクラウドの準備をする必要がなく、学習コストも少なくて良さそうです。


データ可視化:Soracom Lagoon

こちらは「 IoTデバイスからSORACOM Harvestに集められたデータを元にダッシュボードを作成するサービス」とのことです。数値をプロットしたグラフや位置情報を地図上に表示されたものを見やすく配置し、アラート設定などもできるそう。

最近アップデートされたらしくかっこいいです。みんな大好きLagoon

ダッシュボードは配置を変更して必要なデータのみを表示させたりカスタマイズできそうです(今回のハンズオンではそこまではやりませんでした)。
プランによっては、ダッシュボードを複数作成したり、他のユーザーと共有することも可能になるようですね。

ちなみに懇親会では「北海道でラグーンといえば何を思い描く?」という話題でひと盛り上がりしました。道民ならわかるはずの、あの王国ですね。笑

全体を通しての感想

ハンズオンでやった内容としては、ここまでの流れを体験するシンプルなものでした。IoT初心者でも楽しく進められて、ボリュームも多すぎず内容も難しすぎず、ちょうど良かったと感じました。
何よりユーザーグループの皆さんがとても丁寧に教えていただけて、次に進めるたびに途中経過を気にかけていただけたりと安心して進められました。

紹介していただいたIoT活用レシピ。「やりたいこと」から探して組み立てることができます。眺めているだけでも面白いです。

まさかの技術ブログの書き方サポートまで。嬉しいです。笑

今回のSORACOMユーザーグループ主催の体験ハンズオンは定期的に開催されているようなので、もし参加を悩んでいる方がいらっしゃったら、ぜひ飛び込んでみるのをお勧めします!

おわりに

これまで僕は「IoT」はとっつきづらいものだと思っていました。
個人的にハードウェアや電気系など物理的なものにすごく苦手意識があったので、現場で活用できるので気になりつつも踏み込むのをためらっていました。「IoT」ってすごく広くて漠然としたワードで、専門用語も難しいし何から手をつければ良いかわからない…。

その苦手意識が変化したのは、所属しているノンプロ研コミュニティで昨年夏にArdunoを使った電子工作入門が開催され、マイコンが身近に感じることができたのがきっかけでした。
さらに今回のイベントに参加したことでネットワークに関する知識も繋がり、「実際に試してみれそう」という手がかりを得ることができたように思います。

今後もまた他のイベントにも参加させていただいて、現場での活用に生かしていきたいなと思います。とても良い体験をありがとうございました!

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