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【鏡石移住体験】地元農家さん・学生さんとの交流会#2_2024年7月

こんにちは!
鏡石移住体験が始まって1か月が経過しました。
これまでに出会った皆さんがとても優しい方々ばかりで、少しずつ鏡石での生活に慣れてきました!

さて、今回は7月上旬に実施した町内の農家さん・学生さんとの第3回目の交流会についてレポートいたします。
第3回交流会では鏡石町を飛び出して、栃木県那須塩原市の視察を実施しました。
なぜ那須塩原市での視察だったのか、どんな出来事や気づきがあったのかについてお伝えします。


今回の目的


まず、交流会全体の目的は以下の通りです。
「鏡石町の特色である農業に関連した魅力あるコンテンツを開発して、交流人口や移住人口の増加につなげること」
その中で今回の那須塩原市視察については、
「今後、交流会を通して鏡石町の農業を中心とした魅力を検討・開発・発信するにあたり、リニューアルオープンした道の駅明治の森・⿊磯を視察し新たな事例として学び活かしていくこと」
という目的を設定しています。

那須塩原市は、市町村別で第2位の生乳産出額(※1)を誇っており、乳製品を中心に農畜産物の販売・プロモーションが非常に盛んです。
鏡石町で農業を活用したコンテンツを検討、開発するにあたり、農業のプロモーションについての先進事例として、那須塩原市の取り組みを実際に見て学びました。

プロモーション施策の事例:「那須塩原ブランド」
市内で生産・製造されている特産品について、公開審査会を通して「那須塩原ブランド」として認定し、認定商品を市のイベントで積極的に取り扱うことでプロモーションにつなげています。
参考:https://www.city.nasushiobara.tochigi.jp/soshikikarasagasu/nomuchikusanka/nogyo/9/5792.html

※1 令和2年時点、那須塩原市HP参照:https://www.city.nasushiobara.tochigi.jp/soshikikarasagasu/nomuchikusanka/chikusan/6/2321.html

視察内容

道の駅 明治の森・黒磯

最初に訪問したのは「道の駅 明治の森・黒磯」です。
那須塩原市の担当者さんにお話を聞きながら、施設内を見学しました。

店舗内に入ってまず工夫を感じたのは、「どんな商品が並んでいるのか、一目ですぐにわかる空間デザイン」でした。

農産物の販売コーナー。全体を見渡すことができてどんな食材が並んでいるかすぐにわかります。
乳製品の販売コーナー。壁に「乳製品」とあることで、乳製品が売りであることが分かります。

農産物、乳製品、物産品と壁に描かれており、陳列されている商品の高さも配慮されており、向こうの陳列棚に何が並んでいるのかがすぐにわかります。
この「わかりやすさ」によって、乳製品を道の駅の大きな売りにしていることや、どの食材が人気なのか、もっと売り出していきたいのかを自然に感じ取ることができるのだと考えました。
実際に私も、「これだけ乳製品がそろっているなら、せっかくなので何か買ってみよう!」と思い、お土産を購入しました。

購入したお土産。
道の駅明治の森・黒磯で製造されている独自商品のため、思わず手に取りました。

交流会参加メンバーも皆さん、お土産や野菜、果物をたくさん買っていました!
特に野菜は那須塩原市産を中心に種類が豊富であり、値段も安いということで多くの方が注目して購入していました。

「何を売りにしているかわかりやすい」というのは、施設への集客に大きくつながる要素なので、今後の鏡石での取り組みでも重視していければと思いました。

そして他に気づいたこととしては、「道の駅を活用して那須塩原市内で生産、加工、販売の6次化が実現している」ということです。

那須塩原市で生産された生乳を道の駅で加工し、商品を販売している。
画像は道の駅明治の森・黒磯HPより(https://meijinomori.jp/)

市内で生産された生乳を道の駅で加工し商品を製造、そのまま道の駅で販売するという一連の流れが完成しています。
もちろん加工・製造するための設備投資はかかりますが、生乳の新鮮さが保たれるうえに、市内で利益が循環する素晴らしいシステムだと感じました。

那須塩原市の担当者さんは「近くに他に観光地がないため、道の駅の集客が大変で、道の駅を目的に来るお客様を増やさないといけない」と話されていました。
実際に来店されるお客様にかんしては、地元の方は豊富な品ぞろえの野菜や果物を買い、市外の方は道の駅の売りである乳製品を買う傾向にあり、ターゲットに合わせた商品構成になっているのではないかと思いました。


農園訪問

次に那須塩原市で新規就農をされた石井ぶどう園さんを訪問しました。
新規就農することを決めた理由、今後の抱負などをヒアリングしました。

石井ぶどう園視察の様子

ワイン用と生食用のぶどうを栽培し、特にワイン用ぶどうは3品種作っていて、ワインは4種類販売されています。
交流会参加メンバーからは、ぶどうの栽培方法やなぜ那須塩原市で農業をすることのメリットなど、さまざまな質問が飛び交いました。

印象に残ったエピソードとしては、主に2つあります。
①那須塩原市がワイン特区に指定されていて、ぶどう生産やワイン製造をするにあたっては追い風となっていること
→この取り組みによって、実際に那須塩原市への就農希望者が増えるという効果が出ているそうです。

②石井さんのモットー「やりたいことをやらずに死にたくない」
→今後やりたいこととして農園のすぐそばに加工所を作ることを挙げていました。自分でワインやジュース、アイスを製造してワイナリーを経営するお土産屋さんを目指しているそうです。
そんなお店があったら遠くても足を運びたくなりますね…!


田んぼアート

鏡石町でも田んぼアートを毎年実施していますが、那須塩原市でも田んぼアートが見られるということで、視察してきました。

田んぼアートの写真。顔の表情まで丁寧に作りこまれています。

驚きだったのが、田んぼアートの管理を一人で行っているという点です。それだけでもすごいことですが、非常に高いクオリティに感動しました…!
田んぼアートがあることによって、田んぼアートを見てもらいつつ道の駅など他の那須塩原市のスポットも回ってもらうというような回遊性を生み出す効果があるのかなと思いました。


SHOZOストリート

最後に、SHOZOストリートと呼ばれる、黒磯駅から徒歩10分ほどのおしゃれなお店が並ぶ場所を訪れました。
こちらは名前の由来となったカフェ「1988 CAFE SHOZO」を中心に飲食店、雑貨店、家具屋、花屋など20店舗ほどで構成されています。昔は、シャッター街となっていたエリアがこのカフェの開業により、その空間に憧れた人たちが少しずつ集まり、現在のおしゃれなエリアに生まれ変わりました。

あまりたくさんのお店を回ることはできなかったのですが、平日にもかかわらず観光客でにぎわっていて、人気の高さを垣間見ることができました。
さらに、SHOZOストリートで店を開業することを目的に移住した人もいるそうです。
参考:https://www.tochigi-iju.jp/people/interview/area/nasu-area/nasushiobara-city/

たくさんのおしゃれなお店が並ぶことで観光客が増え、SHOZOストリートが注目を浴びることでさらにお店を開きたい人が増えるという好循環が生まれていると感じました。
このような継続性のある町のにぎわいの創出について、鏡石でも参考にしたいと考えています。

SHOZOストリートにあった野菜の無人販売所。
かごや木箱に食材が入っていて、おしゃれな雰囲気を感じます。

今後にどうやって活かすのか?

今回の視察では、農業に関連したコンテンツを開発するという目的を踏まえると、勉強になることが本当にたくさんありました。
・自治体の「売り」が明確であり、お客さんにも「売り」が伝わるように陳列すること
・市内の方、市外の方それぞれに向けた商品の選定をして、ターゲットごとへの戦略が立てられていること
・乳製品やワインといった特定の製品(地場産品)について、市内で原材料の生産から加工、製造、販売までの一連の流れができていること

こういった気づきを鏡石町での取り組みにも反映できるように、次回以降の交流会の準備を進めていきます。

また、交流会の参加メンバーにもどんなことが参考になったのか、鏡石町での取り組みに活用できそうなことは何かについて、アンケートでご意見を募集しています。
農家さんや学生さんならではの新しい視点での気づきやアイデアを取り入れた今後の取り組みに、ご期待ください!


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