夕立が恋しい　安倍晴明、ドラえもんがいたらなあー

東の山に雨雲がかかり、遠くから雷鳴が聞こえてくる。7月27日から10日以上、一滴の雨も降っていない。「晴れ一時雨」との天気予報に期待した。だが、この日も恵みの雨は降らなかった。

水を欲しがる野菜たち

最高気温30度以上が20日以上続いている。今後も34～35度との2週間予報。人間も熱中症に警戒が必要だが、これだけ暑いと作物も参ってしまう。農業にはきつい季節だ。

スイートコーンの雄穂が出始めた。大きな実を付けるには、ここからの水やりが肝心となる。2日置きの潅水。水路近くに潅水機を設置し、水をくみ上げ、潅水する。会社から帰宅し、陽が落ちるまで。

サツマイモの葉もしな垂れている。水が豊富に必要なナスも元気がない。オクラもそう。野菜たちが水を欲しがっている。潅水した翌朝、葉がよみがえり、青々としている姿を見るとうれしくなる。その繰り返し。

日本も熱帯雨林気候に

スマホで天気予報と雨雲レーダーを見る。遠くの山を雲が覆う。肌にまとわりつくような湿気。２０数年前に訪れた、タイ・バンコクの空気を思い出す。日本も熱帯雨林気候になりつつあるのだろうか。スコールのような大雨でもいい、夕立が降らないかなあ。

「竜神、広く厚く、雲を作り、甘雨を下し給え。民の乾きを、潤し給え」

安倍晴明の命がけの祈祷。雷鳴がとどろき、京の都に恵みの雨が降り注ぐ。8月4日放送のNHK大河ドラマ「光る君へ」。雨と引き換えに衰弱しきった安倍晴明の姿が描き出される。人智を超えたものが、気象には存在する。

ミニ雨雲、ラジコン雨雲。ドラえもんが四次元ポケットから出してくれないだろうか。スマート農業、農業ＤＸと言っても、それは無理か。夕立は天の恵み。今日もせっせと水を汲むことにしようか。

（あぐりげんき）