私のことを少し。

那須早苗。1971年生まれ。埼玉県在住。
夫と子ども、義母の4人暮らし。
家で仕事をしている。友人は数人いる(多分)。

日々暮らしていると、心を澄ませて、じっと見つめずにはいられないひとときがある。その時間は指をすり抜ける砂のようにサラサラとこぼれてしまうけれど、カタチとして残すことは出来る。写真に撮る、言葉を綴る、描く、そして糸を編む、というように。

普段はあみものをして暮らしている。具体的にはセーターやマフラー、ミトンなどを編み、編み方を書き、編み図を販売する、という仕事をしている。ここ数年は、著書のための制作、糸メーカー・雑誌社からの作品依頼が続いている。時には作品を販売することもある。ありがたいことに、お教室やワークショップで編み方を伝える、という仕事も増えてきた。

依頼を頂くのは素直にうれしい。やりとりを重ね、テーマを自分なりに表現するのを繰り返すうちに、自分だけでは出来ない作品が生まれることもある。それでも、心のどこかで、大切な何かを置いてけぼりにしている気がしていた。振り返ってみると、仕事で編むものは、リアルタイムで途中経過や気づきを発信するのは難しい。心の動きを書き留める間もなく、進めていかなくてはならない。心揺さぶられる瞬間が気づかせてくれること、それは手の中の種や命のようなもので、それこそが大切だと自分では思っていた。作品はその結果にすぎない。なのに結果だけが喜ばれていて(それはそれで大変ありがたいことだけれど)、自分はずっと後ろでぽつんと立っているような心持ちがした。その違和感が、発信する大切さに気づかせてくれたのかも知れない。

そして自分は「編む」だけで生きているわけではない。編むのは手段のひとつで、つたない言葉も写真も、やはり手段のひとつ(でしかない)。そのどれもが、元は感情の塊だったのだから。一見、ばらばらなそれらが渦を巻いてひとつになって、私を形作っている。

noteでは、そんなあれこれを素直に綴ってみたいと思う。体の中で生まれた感情が、外へ放たれるさまを、その周辺の出来事を、ありのままに書く。書いて、自分自身を整えたい気持ちもあるし、大切に思うことを届けられるかも知れない。いつまで続くかわからないけど、まずは一歩を踏み出してみる。

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