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作付け前の大事な準備、これができればもう半分は成功したようなもの!

栽培床となる土である。

近年では栽培床も多種多様で、ロックウールをはじめヤシガラや樹皮、籾殻を利用したものがある。これらは主として、温室などの施設栽培において利用されることが多いが、今回は触れない。

多くの施設栽培や露地栽培での栽培床は土である。
以前から、土づくりをしましょう!と農業の第一歩として取り上げられてきた。

私の幼少期は、我が家でも周りの農家でも、作付け終了時には湛水したり堆肥を入れたりする光景はよく見られた。ビニールハウスなどの施設栽培においても、被覆を剥ぎ水田として稲を栽培する農家もあった。
堆肥においては、来年の分は今年準備し、一年がかりで自家製造していた。そのため同時に和牛繁殖を数頭やしない、堆肥の原料となる牛糞を確保する農家も少なくはなかった。
全ては作物のためである。

土づくりは重労働だった。

上記のように、以前は土づくりという作業に多くの労力を当てていた。
しかしバブル崩壊の影響が大きく出始めた頃から、販売単価の減少や農業資材や機械類の経費高に伴い、売上高を確保する農業へ大きくシフトしてきた。
栽培期間の延長、栽培サイクルの上昇などにより、土づくりに費やす時間や労力を削ってきたのだ。

堆肥は、つくるからかうに変化してきた。
中には、完熟堆肥とうたってはいるものの、、、。
堆肥製造業者においても、原料は安価に効率よく製造し販売することは商売としては自然な成り行きなのだろう。そのため完熟堆肥とは名ばかりの未熟なものも少なくはない。

土づくりを忘れ、資本を消費し、利益を下げている。

ということを考えてほしい。

利益の減少→作付期間の延長やサイクルの上昇→土づくり放棄→化学性肥料の継続依存→土壌組成の悪化→生育不良→病害虫の発生→くず品の増加→販売数量品質低下→利益の減少

まさに負のスパイラル、農家として本末顛倒なのである。
新規就農者はもちろん、時にベテラン農家でさえも、この悪循環にハマると中々抜け出すことが困難となる。

土と向き合い、見事な復活劇を見た。

以前、付き合いのある業者さんから、1件の農家を一緒に見に行ってほしい、との連絡をもらった。
後日、待ち合わせ現場に向かった。ビニールハウスで秋きゅうりと春トマトを夫婦で営む50代のベテラン農家だった。
25年ほど前から今の作型で栽培を続けてきたが、10年ほど前から年々作柄が悪くなり、ここ1〜2年は資金繰りも厳しくなって来ているのだと、奥さんは話しながら涙を浮かべていた。
きゅうりとトマトの輪作であるが、病害虫被害やロス果の増大、品質低下などの問題山積み。それぞれ植え替えの期間は10日間ほどしかなく、年間フル稼働状態だった。働いても働いても儲からない!の悪循環だった。
想像していただけたであろう。

そう、土づくりに関しては放棄状態なのであった。
まずお話ししたことは、

  • 定植の段階からマイナススタートであること。

  • 栽培期間は短縮してでも土づくりに力を入れる必要があること。

  • 土づくりは数年かかる大きな事業になるということ。

訪問数日後、業者さんから連絡があり、どっちみちこのままではダメだ、やるべきことをやってみようと農家さんが覚悟を決めたとのこと。

予想に反し1年目で結果が出た。

土づくりに取り組み、1年間のきゅうりとトマトの栽培の終わりに訪問した。
3日前に最後の収穫を迎えたばかりのハウスに、すでに堆肥が撒いてある。
話を聞くと、こんなに農作業が楽しいと感じたのは10年ぶりだ、気持ちが楽になり作業も軽くなった売り上げが上がったと笑顔で話された。

前年比で、きゅうりで30日トマトで30日の栽培短縮、年間で60日間の土づくりであり、これは最低条件での提案だったのだが、見事結果が出たのだ。

最後に、来年の予定は?と聞いたところ、

来年は作間を60日とり土づくりするよ!

年2回やるんだからそこまでは入りませんよ〜、と談笑。

それから5年経った。
先日久しぶりに連絡があり、
孫のおもちゃは金かかるわ!って大きい声で笑ってた。



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