聲の形をよみまして。

植野が可愛い




この作品を読もうとしたきっかけはTwitterで聲の形関連のツイートを見たことなんですよ。植野が可愛いって内容だったんですけど、植野、かわいいです。僕は好きです。

感想を言っていこうと思います。

最初のほうは将也が自分の行った過去の罪悪感を西宮さんと関わることでぬぐおうとしたいわゆるマスターベーションだったと思います。
それは彼の世界には傷つけてしまった女の子と負い目に感じてる自分という二人しか存在しなかったかったからだと推測します。


心理面で描写を変え、自意識にとらわれていたものからもっと広い視野で世界を見れるようになったのは遊園地の件以降だと思います。
遊園地での植野の行動に自分を重ね合わせたり、西宮と西宮を好きじゃない人間(植野)の関係を第三者としてみることで自分だけがよかれの考えじゃダメだってことを知ります。
だからといってそこから話を展開するわけじゃないんですがね。

話は変わって、映画作りの話になります。ひとと関わってこなかった将也が一癖も二癖もある人達と組織を作ます。

川井は狡猾に狙いの男をしとめるためならもうちょっと計算してキャラつくたほうがいいと思う不器用な子ですね。
頭が弱い子が八方美人したらどうなるのかがよくわかりました。
それでも心がおれないところは数少ない評価の点ですね。
それにしても自分が黒歴史を教室で暴露して負わなくてもいい傷を負わし、自分のことを「気持ち悪い」とまで言った将也のために千羽鶴って...前頭葉はどこに行ってるんでしょうか。ロボトミー?
「自分が可愛い」というかんがえが彼女の根幹にはあり、それにとらわれすぎていて、周りが見えない。
心がおれないと前述しましたが、逆に言えば一連のゴタゴタがあっても何も感じない、考えないで変化がないということになります。

真柴は将也と関わったり、小学校でのくそ教師の件でいろいろ考え、変われたいいキャラだと思います。
はじめは目先の復讐のために先生になると、あるあるなキャラですね。
復讐の目的もないし、自分をいじめていたやつの子供が卒業したらその後は、、など考えれてなかったんだと思います。
自分と向き合って、自分を変わってる奴って思えることが彼なりの答えだったんじゃないかなと思います。


佐原さん、いい人


植野はメンヘラ。重度のメンヘラ。
小学生の時に私の好きな将也のすることは間違ってない、みたいに考えるって偏愛にもほどがあるでしょう。
「友達ごっこ」と将也に言ったときも、佐原さんや将也の考えを批判したのであって、将也のことは批判してないんですよね。
そこは読んでて、尊いと思いました。
好きな男が好きな女は他人のことを見ていなくて、その女は自分が良かれと思ってやったことで好きな男を傷つけた。
将也のことをおもうからこそ、西宮とぶつかったんですよね。
ただ将也がそれをみて喜ぶかってとこまで配慮がいけば...とは思いました。
まぁそれができないから等身大なんですよね。
最後の植野のターンは、しっかり自分と向き合い、将也から卒業できたんじゃないかなと思います。

まぁ結局、組織は癖のつぇぇやつらと将也自身によって解体されるんですが、なんやかんやでみんなが将也のために、と映画を完成させれてよかったですね。

その映画製作と過程でのそれぞれの葛藤へのアンサーとして映画監督の批評がありました。
どんな事情が在れ、他人にとってはどうでもいいことですし、わからないことです。
小学生の頃の将也たちが西宮のことをわからなかったのと同じですね。
知らない人間のことは自分の価値観で批評する。

自分のことを何も知らない他人から言われたことにショックを受けてしまうのは、成長できてないんだなぁと思いました。
同時にわかってもらう努力をするというこの物語で大事なことも伝わりました。
そこで、島田の登場です。
島田は将也がいじめられてなかったら、という設定で書かれてるんじゃないかと思いました。
ど正論で去っていきます。僕もあのセリフと同じこと思いマスタ。


西宮のことはまったくわかりませんでした。
なんで将也を好きになった?
なんで序盤で告白した?
わかりませんでした。
だってその時は将也は罪悪感まみれで西宮と関わってたんだから。
相手のことを真に理解できず、自分の感情だけで動いてたのかなと思います。まぁ告白が伝わらなくてよかった。
その後、将也が目覚めた後に2人が互いに胸の内を言い合えたのは、大きな山場を越えたことでできたことなんだと思います。


過去の自分や罪の意識と向き合って未来を見れるようになった将也は、過去そのものと向き合うために前進する。というシーンで終わります。
その後のことは改めて書くまでもないと思います。
多分話の繰り返しだから






いい話だなぁって思えねぇなこれ


なんて表現したらいいかもわかんないけど、エゴとエゴのぶつかり合い?

人はわかりあって生きていく、そのためにはたくさんの時間がかかる。
そんなことを思いました。


この作品は一言でいうとクズが頑張る自意識のぶつかり合いと感じました。

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